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2004.03.12

文芸誌の積ん読、福永信

文芸誌で気になる号は買うのだが、分厚くて活字だらけの雑誌を積ん読状態にするのは、単行本よりもつらいかも。次々と新しい号がやってくるし。
しかも、今月発売の四月号は、すばるに笙野頼子「金比羅」、群像に加賀乙彦「ザビエルとその弟子」、新潮に辻仁成「刀」など、中堅以上の作家の長いものが並んでいる。

そんな中、過去の号を読んでたりするわけだが、3月に入ってから1月発売の文學界二月号を読んでるというのもなんだかなぁ、と。加藤周一と池澤夏樹の「再びのヨーロッパ」がどうもピンと来ないまま、放っておいてしまったのだ。
この号、目玉は長嶋有の初長編「パラレル」なんだろうけど、そっちより先に福永信「コップとコッペパンとパン」に目がいって、そのまま読み終えてしまった。

これ、妙でおもしろい。一応8つの小さな節に別れている短編。だけど、時間やシーンの切れ目が、普通に読んでいるうちにズルリと移行して、その時間や空間の移行とはまったく違う形で節の区切りに出会う。時空のフレーミングが尋常じゃないまま、つるつると滑っていく。
うーん、ちょっと安部公房っぽい?などと思ったりしつつも、やっぱり味は全然違う(当たり前)。好き嫌いは別れそうだけど、読み応えはあります。

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