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2004.05.09

新潮は100周年記念号、吉田秀和と中原中也

先月の文芸誌をまだ読み終えないうちに、次を買った…雑誌は買っておかないと返品されてしまうし(まぁ注文でも手に入る可能性はあるのだけど)。

今月の新潮は、創刊100周年記念号。世界でもっとも長く続いている文芸雑誌として、多くのエッセイや創作(短編小説)が集められている。
本屋大賞、川端賞」および「勤労感謝の日」で触れた、川端康成文学賞受賞作、絲山秋子「袋小路の男」も、選評とともに掲載されている。これも買ってきたばかりで未読。

さらりと読めなそうなエッセイをぱらぱらめくっていたが、吉田秀和「悼む歌」のところでページがとまった。音楽評論家として高名な氏は、昨年奥様と永別されたことなどもあり、しばらく執筆を止めていたが、今年の春から再開された。その間のことは、レコード芸術での連載再開に、少し触れていた。
新潮のエッセイは、同じころのことを、まったく違う文で語る。
その内容に触れようかとも思ったが、非常に短いものだし、内容をなぞってもうまく伝わらないはずだ。
吉田氏は中原中也と知己の関係にあったこと(これは初期の「主題と変奏」で触れられており、有名)。氏のところへ来た浅井イゾルデと署名のある2編の詩が引用されていること。さらに生前の中也を知るものならではの、言いおくようなことばが出てくること。それだけはメモしておく。
端正な文で詩歌の本質に触れている。一読すべし。

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