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2004.05.20

コミックビーム6月号

さて、5/12発売のコミックビーム6月号。

連載復活の桜玉吉「御緩漫玉日記」が巻頭カラー。なんつーか…このどーでもいーことの連続つーか、ゆるさつーか…いや、ほめてますよ、やっぱりおもしろい、玉吉。女性アシスタントの鼻歌を発端に自分の無意識ポケットに遡って、それをネタにさらに関係者を巻き込んでいくクダリ、この人ならではの味。
もっとも、20世紀文学金字塔マルセル・プルースト「失われた時を求めて」に始まる記述が、世界中の小説から映画からマンガなどで消費されまくったことを思い、しわしわ〜とした気分にもなってしまう。玉吉のはそれで終わらないからおもしろいわけで、くだらん想起をして損してるのは自分だけなんだが。さて、気を取り直して。

須藤真澄も一時復帰。「おさんぽ大王特別編 小さい夜の音楽会」。バリでジェゴグという竹楽器の大楽団を聞くツアーに参加して、現地に行ってみると、なんと人が集まらず中止になったというじゃあ〜りませんか。怒りつつツアー企画会社に連絡すると…
相変わらず、散歩の範疇を越えてる。いい。先月のコミックビーム、おもしろくてよかったんだが、「おさんぽ大王」のような漫画が全然ないから、風通しが悪い感じがある。一つあるだけで、雑誌の雰囲気が変わる。
須藤真澄のマンガって、おかしいところとホロリのバランスがよくて、しかも癒しには落ちないのがいいんだよな。上野顕太郎のギャグはもともとそういうものじゃないし、竹本泉は普通にねじくれてるし(なんだそりゃ)。いや、両氏の作品は好きだけど。
新連載企画中ということなんで、まぁ楽しみにしてます。

先月、大きなポイントを通過した森薫「エマ」。私は「この展開までは織り込み済み」と書いたけど、多くの読者がコマ割を何度もなめるように眺めていたんじゃないかな。そして、こうやって持ち上げたあとこそが、大切。
その大切な今月。ウィリアムの実の母、ミセス・トロロープの若い日の回想へ、いきなりとんでいってしまった。
こうきましたか、いや、こうでなくちゃ! 先月、感情表現のために大きなコマを多用して、絵によるクレッシェンドを使い切った上で、今月は回想シーンらしい、しかし説明の極力少ない描写。先月があったからこそ、新しく立ち上がる回想シーンも活きる。
映画を見るようですな。そうして、きわめてヴィクトリア朝的な表現。

志村貴子「放浪息子」。モデル事務所に合格し、女の子になった自分の夢に、夢精してしまう先月からの続き。保健室で先生に相談しようとしたら、菊池さんがいたんで相談できず「頭が痛い」とウソついて寝てしまう。結局、早退してうちで寝ていたら、おねーちゃんが同級生の瀬谷くんを連れてくるといって女装をさせ…一応、ネタばれはなしということで。
ひとつ気になるのは、主人公の二鳥修一がイヤなやつと思っているアイツが、割合単独行動を取っているように見えること。こういうケースもあるんだろうなぁ。だけど、個人的な経験や、年下のいじめられ子の相談などを聞いた数少ない経験では、3〜6名程度の集団でいやがらせをする傾向が強いように思っていた。いまの子はどうなんだろう。
志村貴子の作品では、人をあっさり描くところがあるんで(余白を味わうとでもいうか)、ほんとに単独行動が多いのかがはっきりしない。修学旅行の時のように、ふだんは周りとあれこれやっていて、たまたま修一にいやがらせをする時に、一人で向き合うことが多い、ということかな。
あと、男性にとっては、精通が起きたなら声変わりも始まるから、女の子に見えちゃうというシチュエーション自体が成り立たないんじゃないか、という疑問もあるかもしれないな。ただ、ほんとに女っぽいと見なされ続ける子は、声変わりがはっきりしない場合も稀にあるという。第2次性徴を迎える直前の、様々な軋轢と違和感を描き出すためのファンタジー装置は、うまく作動し続けているように思う。

いましろたかし「ラララ劇場」、先月は触れるのを忘れてたけど、今月もいい味。というか、こんな救いのなさ、結構ふつーだったりするんだよなー。
安永知澄「やさしいからだ」、絵柄がひどく変化した。どうしたんでしょうか。
鈴木みそ「銭」、同人誌篇などもコンスタントにおもしろく続いている。あすなひろし「幻のローズマリィ」、先月に引き続き掲載。小池桂一「ウルトラヘブン」はもう少し話が進んでいくのが楽しみ。

しりあがり寿にも戻ってほしいなぁ。準備中だというし。

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