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2004.06.11

アフタヌーン7月号(2)

パート1の「新連載と、目に付いたもの篇」から間が空きましたが、通常連載その他について。

まずは、第2回となる田中ユキ「神社のススメ」。もうストーリーは説明しません。おっかない先輩巫女二人、逆に感じのいい巫女の新田さん、不思議巫女少女の真鍋に囲まれて、とんだ新人歓迎コンパで右往左往する図。思わせぶりということはなく、むしろストレートでわかりやすい。わかりやすすぎるくらいかな。
主人公、里見信二郎の家庭の事情がさりげなく見え隠れしてきたし、連載5回目くらいまで少し様子を見たいところ。ある程度、ネタを出してからのほうが、おもしろくなりそうだし。

次、木尾士目「げんしけん」。部室で新会長・笹原、新人・荻上と服の話をしていたサキ。そこへ斑目が眼鏡だけおしゃれして登場。就職活動して外に出たもんで、ちょっと気になってやってみたんだが、サキに爆笑される。そして、臆病にならんでもっとどんどん自分で選んで着てみりゃいーじゃん、と煽られる。(斑目の好きな対決に持ち込まれたというか。)
斑目、発心して洋品店を廻るも、売り場にいるだけでいっぱいいっぱい、ゲーセンで休憩。気を取り直して次は値札を見ると、アニメのDVDボックスやゲームの値段と比較を始めてしまう。そんな値段を服に出すなんてばかばかしいと帰りかけた時に、その価値判断の倒錯に気づいた斑目。自分の目で判断して服を選ぶ決意し、買い物をはじめ…
いや〜…こういう話、別に最近のオタだけのことぢゃない。オタはオタでも、昔の技術オタク(マンガやアニメのオタではない)。
昔、とはいえ、1989年くらいか。技術者向けソフトウェア・エンジニアの職場。ひとり、おもしろいオッサンがいた。エンジニア35歳定年説などなんのその、楽しそうに論文を読んで、ソフトを書いて、たまには徹夜もする。まだ事件を起こす前のヨガ道場もどきのオウム真理教の広告を見て、「この空中浮揚を2階でやらせて、床板スパーッと抜くとどうなるのかな」などと真顔で言い出す、ヘンなおっさん。秋葉原のジャンク屋やパーツ屋を、喜んで走り回っては見て、買い込む。神保町で専門書の古書を走って探しては、買い込む。CDショップでもたくさんのクラシックのCDを買い込む。そのまま職場に持ち帰って、周囲のエンジニアを集めて自慢大会やら音楽観賞会やら…って、仕事はいつするかというと、深夜したりするわけだが。まぁ、当時の研究職らしい生活パターン。(←いや、ちょっとつくってるか。一応いっときますが、もちろん仕事はすごく出来る人。)
ただし、服が地味で妙。なにしろタオルを外に干したまま忘れてしまい、しばらくして発見すると、今度は放っておいたらどうなるかという実験を始めちゃうような人である。ちなみに、30日を経過して、ぼろぼろと崩れていったそうだが…って、ちがうわい。つまり、服装を中心にしたラグジュアリーな快感への欲求があまり湧かないらしい。
人前に出る服くらいどうにかすれば?と言われたおっさん、女性社員とともに、伊勢丹の紳士館に行ってみた。入っただけで固まる。値段を聞けない。金ならじゅうぶんに持ってる、ただ、場の雰囲気になじめない。同行の女性社員がてきぱきと服を選び出すと、頼むから勘弁してくれ、早く過ぎ去ってくれと、固まったまま。
結局、女性社員に見立ててもらってすべてを済ませた。出てきてからのセリフ「ジャンクやパーツのまっとうさはわかるが、あぁいうのはわからん、だいたい店員のあの笑顔はなんだ、慇懃無礼で緊張してしまう!」
その一方で、さわやかに日焼けしていて、週末はテニスというエンジニアもいたりするわけだが…いや、脱線しまくりだけど、まぁいつの世でもオタのパターンはあんまり変わってないらしい。
眼鏡を違うものに変えてみた斑目はまだ、真性オタとはちがうのか。まぁげんしけんだしな。最近の若い子は結構、服に詳しいようだし…あ、でも男達が後ろから撃たれるスレ(含む電車男)のように、オタはやっぱり知らんのか。
で、もう発売してだいぶ経つからネタばれするけど、斑目の選んだ服は結局、アキバ専用になっちまったつーオチがつく。先のヘンなおっさんの場合は、そういやどうだったんだろう…やっぱり自分で選ばなかったからかなぁ、あんまり見かけなかったかも。

ひぐちアサ「大きくふりかぶって」は、相変わらず好調。前ふりが長い瞑想の話だけど、メンタルトレーニング、イメージトレーニングで何をするかって話に踏み込んでる。これ、音楽の練習で緊張をとる際にも使うことがある。先月、増ページで勝利を描いたから、静かな展開になるのだが、単なる中継ぎの話にせず、ページを利用して推進していくリズムがいい。
連載を再開した冬目景「ACONY」。この作者のことなので、休みつつ進むのかもしれないけど、いい感じです、期待してます。
木村紺「神戸在住」とよ田みのる「ラブロマ」。今月はちょっと違う方向に話をふってみた感じで、揃い踏み。これもよし。
だけど、五十嵐大介「リトル・フォレスト」の、大根タルトの話が新鮮、今月はここの印象が強かった。
もひとつ、今月は熊倉隆敏「もっけ」の月(隔月連載)。絵はマンガ絵(しかもアニメ化しやすい絵)なのだが、妖怪がきちんと出てきて、それが人と関係してくるところが楽しく読めるなぁ。

あんまり触れてきていないけど、、あさりよしとお「るくるく」も、毎号ちゃんと読んでる。これは、「ワッハマン」以来の定着路線になってるみたい。
園田健二「砲神エグザクソン」が完結。長い話、しかも宇宙もの、完結はめでたいことなんだけど…とにかく「GUN SMITH CATS」の印象が強烈だったからなぁ、私には(←オッサンの証拠、と自分でつっこんではおくけどさ)。
星野作品も完結済み。これで、スペースオペラやその影響下の作品は一応なくなったわけですな。あればいいってもんでもないけど、世の中ガンダムばっかりじゃないというのはいいことかもしれないとは思う。

細かいところで北道正幸「プーねこ」も悪くないんだけど、たまーに長いの読みたいよ〜。

というわけで、アフタヌーン7月号は、このへんで。まぁ売れる作品を続々登場させようという意欲はいいと思うけど、もうちょっとシュールな作品や妙な作品もほしいかなぁ…それはコミックビームなどがやっとるわけなのか?!
新連載攻撃はまだ続くようだが、モーニングの広告によれば、次は「大合作」のムービーがつくという。そうか、あの「大合作」か…うまくいけばいいけど、まぁあけてみないことには(下手すると単なる内輪受けになるし)。
狂気の合作マンガのことを思うと、アフタヌーンにトニーたけざきがいないのは、かな〜りさびしいかもしれんな。

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