カルロス・クライバー逝去
指揮者のカルロス・クライバーが7/13に亡くなっていたことが、7/19にわかったという。74歳。
スロヴェニアというから、母の祖国ということだろう。
・指揮者のカルロス・クライバーさんが死去(アサヒ・コム、7/20)
カラヤンの弟子達、小澤やアッバードらは、清潔で見通しのよい音楽をつくるが、指揮者への熱狂ではなく、もっと冷めた印象がある(もっとも師匠と同じでは意味ない訳だが)。
カルロス・クライバーの場合。響きこそ見通しがよいが、しなやかにうねり、頂点に向かって熱狂を伴う、何よりオケのメンバーが醒めつつ酔っているように見える。しかも目が離せないくらい華麗に動く腕、身体。あれこそカリスマ的な指揮者。実演にはついに接する事が出来なかったが、映像媒体(ビデオやDVDなど)を通してもその磁力が伝わってきた。
R.シュトラウス「ばらの騎士」、ベートーヴェンの交響曲4, 5, 7番、そうして何よりも伝説となった2度のウィーン・フィル・ニューイヤー・コンサート。鳥肌の立つ「こうもり」序曲は、アンコールでもよく演じられた。彼の演奏に接しなければ、私はヨハン・シュトラウス親子の曲のよさを、半分くらいしか感じられなかったかもしれない。
(そういえば、最近はベートーヴェン6番のライヴ録音が発掘されていたな。)
また、カルロス・クライバーの名が全世界に伝わる頃に、私はアマチュア・オケの活動に携わっていた。古楽器演奏、果ては雅楽にまで赴いて、長いことオーケストラにはまったく所属していない(聴いてはいるけど)。しかし、彼の目の醒めるような唯一無二の響きは、いまだに鮮烈だ。
合掌。
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