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2004.09.24

竹本泉となかじ有紀のビーナス最終巻を読んだ

マンガだと、最近コミック・ビームとアフタヌーンの感想を書いてないね。いや、ずっと続けて読んでるんだけど、新連載も多いし、少し様子を見てるつー感じ。いや、両方ともけっこうおもしろいっすよ。
それはさておき。

***

竹本泉「トランジスタにヴィーナス」第7巻。これで完結ですか…って、今頃言ってるってことは、フラッパー読んでない証拠で、♪すんません、すんません、すんまソングですんません〜((c)有馬しのぶ)
…ネタのわからん人、すみませんでした、「モンキー・パトロール」をどうぞ。ぢゃなくて>自分

竹本泉って、線の太い絵柄で、わけわからん話と童話みたいなマンガからいろいろ経て、青年誌でこんなの書き出して、どうなることやらと思ってた。話は地球のコピー星がたくさん作られる宇宙時代、中立地帯のリスボン星で活躍する、美女とのキスが好きな女スパイ、イーナスが主人公。この時代のスパイはパラ(特殊能力者)としての訓練を受けるらしいんだが、イーナスの特徴は周りに人死にが出ないこと。死なないだけで、怪我人は出る。だけど、この誤解されがちな能力ゆえ、妙な依頼が多く、しかもこの女神能力を本人が気に入ってなくて…
これが存外おもしろかった。露出度が高いからとかいうんじゃなくて、竹本氏は恋の話を描くより、他のこと書いてるほうが面白いからなのね。割合映画的な展開らしく見せながらも、適度に肩の力が抜けてて、新境地というか、傑作かも、と思ってたくらい。第3〜第5巻くらいまでは。
いや、なんかね、6巻で急にテンションが落ちたような気がするんだ。イーナスの訓練生時代の話ね、このあたりはえらいまじめやなぁと。どうしたんだろうと心配になったり。ビームで連載してる話も、なんだかえらくふつーになってきていたし。
で、その7巻。ちょっと調子が戻ったところで、おしまい。次を書いて、ということになったそうだ。いいタイミングかもしれない。

ちなみに、最終巻のあとがきによれば、コミックス(マンガの単行本のことだ)があんまり売れてなかったらしい、とか。そうか、そうだったのかー。竹本ファンにとっては、あんまりうれしい話じゃなかったのかな。

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もう一つの最終巻は、なかじ有紀「ビーナスは片想い」第12巻。夏の初めあたりに出たはずなんだけど、今頃になって読んだ。
この方も長く活躍されてますね。なつかしいなんて思っちゃう人も多いか?
この「ビーナスは片想い」、数年前にたまたま単行本5巻くらいまでをたまたま読んだのがきっかけ。いや、驚きました。まるで1980年代前半のようなキャンパスライフ! 希望に満ちた入学(舞台は神戸)、サークル、テニス、季節の思い出、これでもかと能天気ライフが繰り出される。
1990年代が終わる頃からの連載だけど、「これが不況のまっただ中の連載か」はおとなげないツッコミっつーもんです。女優みたいな美人さんが親友で、おばかで陽性で肝心なところでシャイになる男の子たちと同じ寮で、後輩にモデルをやってる男の子がやってきて、家族がみんないい人たちで…お約束がてんこもり。しかも、恋は進みそうで進まない、つーか、清すぎるよ、いまどき。結ばれたのはやっと終盤戦に入ってから。
そうか、いまはこんなのは逆に新鮮なのかぁ〜と。ヴィヴィッドなものを読みたければ、南Q太、魚喃キリコ、安野モヨコその他、大勢いる世の中だし、逆にこんなのもあっていいんだろうな。ストレートアヘッドな少女漫画を読みたい人だっていっぱいいるはずだし、なかじ氏のキャリアにあった話だよね。むしろキラキラしているし。
大学4年を終えて、卒業とともに終わる。就職の悩みは、おそらく今の子はもっと深いだろう。男が好きな美男子というキャラが本当に活きてるかといえば、クエスチョンつけちゃう人もいるだろう。
そういうリアリティとはまた別の、マンガという文化の、ばかばかしいくらい楽しい生活を描くという文脈の一つがちゃんと最終回を迎えるのは、いいことだと思うよ。

***

どっちもビーナス、どっちも能天気な漫画で、ちょっと仕事の疲れをとりました、というところ。
秋分も過ぎて、さぁがんばりましょう。

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