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2004.12.19

赤ちゃんに見つめられる日

とある晴れた日。
少し離れた地下鉄に向かって歩いていた。静かでお屋敷のある住宅街はとても静か。冬なのにうらうらと照って、暖かい。あ〜気持ちいい、公園のベンチにでも行きたい!…いやいや、そんなわけにはいきません。
突然、鞄から音と振動。自販機の脇で立ち止まり、携帯電話を取り出す。仕事の連絡だった。
話していると、ベビーカーを押す親子が向かってくる。ベビーカーには赤ちゃん、そしてお母さんの脇に男の子が一人。
電話を切って、一歩自販機から離れると、男の子が大きな声で「えっとねぇ、ぼく、オレンジジュースだよ。いいでしょ?」とはしゃぎながら近づいてくる。
電話をしまった私がふと目を上げると、ベビーカーに座る子と目があった。

おやおや、こっちを見てる。
ニコリと返す。
特に笑うでもなく、緊張するでもなく、見ている。
通り過ぎても、ベビーカーから身を乗り出して後ろを向く。
母親は、上の子にジュースを買ってやろうと、財布を持って自販機に向かう。

まだこっちを見てる。
もう一度ニコリ。
手を振って、バイバイと心の中でいう。
あぁ、と口をあけている。
あらら。いかないで、なの? それともなにか?
しかたない、もう一度、今度は口を動かして、バイバイ。

少し進み出してから振り返った。
赤ちゃんは前を向いていた。

そんなこんなで、この日は3人の赤ちゃんがすれ違うたびに、私を見ていた。
大人は誰一人として目を向けない(ふつー、そうか)。社会の窓も開いていない、身なりにおかしなところもない(いや、赤ちゃんはそんなところは見ない)。

君たち、何が見えたんだい?
そんなにおもしろいもの、めずらしいものでも見えたのかい?

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コメント

赤ちゃんとkenkenさんのやりとりが、とても微笑ましく、なんともかわいらしいですね。
赤ちゃんにはkenkenさんのやさしい雰囲気がきっと伝わったのでは、と思います。

この記事は何度か読み返しましたが、いつ読んでも、心がちょっぴり温かくなります。素敵なエントリですね。

追記:風邪、大丈夫ですか?生のおろししょうがは効きそうですね~(笑)。

投稿: coply | 2004.12.26 01:27

coplyさん、コメントありがとうございます。風邪は悪化しないで徐々によくなってるようです。
じっと見返す赤ちゃんの目って、独特の力がありますよね。指を預けると握り返してくる力みたいな。
それにしても、ほんとに何が見えるんだろうな、と思うことがあります。そういや、猫や犬もそういう時がありますね。

投稿: kenken | 2004.12.26 13:39

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