朝日・日曜読書欄「千利休」「御緩漫玉日記」
うーん、デザイン・テンプレート、あっという間に飽きた…
シンプルに戻す。(シンプルだけがベストとは思わないけど。)
それはさておき。
朝日の読書欄には書籍や雑誌の紹介に加えて、カジュアル読書というコーナーがあって、ここにコミックの紹介が毎週一つ載る。
先週は清原なつの「千利休」(本の雑誌社)、今週は桜玉吉「御緩漫玉日記」1(エンターブレイン)。
桜玉吉は、マンガ好きならたいてい読んでる(ほんとか?)コミックビームの、看板作家の一人だろう。なんだかんだ言いつつ、ギャグがギャグでなくなって、それが読めてしまう。
しかし、ここでとりあげられるとは。しかも、コミックビームの最新号で作者入院のために休載の件まで触れられているとは。
毎号「載るかな〜」という気分で買う、というのもなかなか乙なもんである。というわけで、以前にもやはり読書欄で紹介された桜玉吉の単行本であり、宣伝フレーズにもなっている「読もう!コミックビーム」を、私も言っちゃう。
ところで、その前の週に紹介された清原なつの「千利休」。ブーケの「花図鑑」なんかを読んでいたクチとしては、けっこう期待して買ったのだが…
これは、私としては少々残念。お茶をほんのわずかでもかじったことがある人間には、やっぱり食い足りないところがある。かといって、歴史ものとして読むにも少々不満あり。
なんというかね、やっぱりこれは坂口尚「あっかんべぇ一休」のように、分厚い単行本4冊くらいの、圧倒的な分量で描いてほしかったものかもしれない。この坂口氏の遺作は、戦国の世に入っていく室町幕府の推移、その時代を代表する世阿弥の華と苦悩、そして高貴な血をひくといわれる一休禅師に去来するものを、縦横自在に編み上げた世界。
清原氏の作歴からすると、そういう路線とはまったく違う世界になることはもうわかっている。だけど、もっと長いスパンで、事象ではなく、人に焦点を当てて描いてほしかった。そうすれば、宗無が若い姿のままにいて、利休を追いやった瞬間に老いてしまうというマンガならではの表現などが、もっと前面に出たと思う。人の業に背筋の寒くなる瞬間が、もっと強く出たと思う。
残念だなぁ。ネタがおもしろいだけに、なお。
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