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2005.03.27

冊子「僕を待つりんゑ」

Kanaliya_rin文学フリマに出店したことは、2004年11月に触れた。
そのとき、隣のブースにいらしたどぜうさん経由で、文学フリマが終わってからカナリヤさんと知り合う機会を持った。
隣のブースにいらしたどぜうさんのブログを私が発見し、記事にコメントをつけたこと。カナリヤさんは私のブログやWebページを発見し、本のご注文をいただいこと。私は私で、検索エンジンからカナリヤさんのブログを発見したこと。3人が、それぞれのブログを発見し、書き込みをしたご縁。
昔ならこういう場合、手紙のやりとりになるところだが、ネット経由は話が早い。
そして、当日の会場で直接出会えなかったカナリヤさんの本を、買い求めることができた。

***

買い求めた冊子は、これまで文学フリマに出品されたという2冊。
「僕を待つりんゑ」(2003年)と、「おびえた足」(2004年)。
どちらも30ページくらいの短編を綴じた冊子。表紙は半透明のパステルカラー。
私が気に入ったのは「僕を待つりんゑ」。

気がつくと水底に横たわっているぼく。アンコウに出会い…いや、アンコウはぼくを知っているという。ぼくはアンコウにいわれるまま目をつむり、小さな光を灯すと、名を思い出す。
第一の朝から始まって、一つの朝に一人(?)の先生と出会い、次の場へ飛躍する。最後に出会うのは、僕を待っていた少女。そして…
これからお読みになる方のために、あらすじはこれくらいで。

自分を待つ人に出会えたと、なぜかわかる瞬間。そして、その時に発生する衝動。単に二人が溶け合うだけというのではない、もっと激しくアンビバレントな感情と行動。そこに至った時に、短編全体の構造がすいっと明らかになる。
だけど、そんな激しさは(あえて選んでいるであろう)読みやすい文章、ファンタジックな世界と、軽やかな文に秘められて、表にこそ出ない。その落差の激しさも味わいです。

もう一冊の「おびえた足」は、ずっとリアルな恋の話。
どちらの作品も、人の良さそうな、そして優柔不断そうな(?)男の人が登場する。共通のモチーフでもありそうでいて、味わいはまったく異なる。私個人は、味わいが複雑な分「僕を待つりんゑ」が楽しめた。ストレートな「おびえた足」がよいという方もいらっしゃるかもしれない。
気になる皆様、両作および新作を、文学フリマなどで触れてみてはいかが?

P.S.
カナリヤさんの「ブログが繋ぐ縁」にトラックバックさせていただきました。

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コメント

トラックバックありがとうございます。
そして、私の拙い小説を丁寧にご紹介いただき、本当に嬉しいです。
優れた読み手と出会うことは、小説を志す者にとって、何よりの励みになるなあと、つくづく思いました。素敵なパワーをありがとう。

投稿: kanaliya | 2005.03.27 23:05

こちらこそ素早いコメント、ありがとうございます。
御紹介、だいぶ遅れてしまいました。
より味わいのある世界を紡ぐべく、お互いがんばりましょー。

投稿: kenken | 2005.03.27 23:24

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