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2005.06.08

Macintosh、Intelプロセッサへの移行を発表!

米国ではまだ6月6日、日本では6月7日の午前。
PCWatchのWWDC速報が、Intelプロセッサへの「Switch」を報じた。

***

ちと時間を戻してみる。
昨年の4月、Sun MicrosystemsとMicrosoftの和解という歴史的な発表があった。当ブログでは、こちらこちら、次いでこちらでも触れている。
そして、Java開発者コミュニティ最大の祭典、JavaOne in San Francisco(6月27〜30日)。今年はMicrosoftのセッションが行われる予定だ。これも歴史的、といえるかもしれない。

そのMicrosoftは、新しいゲームコンソールXBox 360でIBMのPowerプロセッサをベースとしたカスタムプロセッサを採用した。SCE (Sony Computer Entertaiment) のプレイステーション3もIBMのCellプロセッサ、任天堂の新マシンもIBMのプロセッサといった具合。
ゲーム機の主要3規格は皆、IBMのPowerプロセッサをベースにすることになった。実際、XBox 360は開発環境が整うまで、PowerMac G5で開発を行うという。

そういう状況の最中、WSJ (Wall Street Journal) がMacintoshのIntelプロセッサ移行をすっぱ抜いた(こちらに翻訳記事)。
半信半疑の人々があれこれ噂をする中、WWDC 2005の直前になって、CNETも報道。ロイターやIDGも触れ出していて、当然New York Timesにもこうした記事が載る。

私は最初にAppleとIntelの関係を聞いたとき、無線に関する規格やチップはIntelのものを採用してほしい、という話をしているように感じていた。
実際、無線LANのIEEE802.11b/gを主力化したのはAppleだろう。IEEE802.11aがくると見ていたIntelは、Centrinoテクノロジー用無線LANチップをIEEE802.11a/b/g対応にしなければならなかった。
そして今後のIntelにとって重要なWiMAXを普及させるために、強力なパートナーは必須だ。Wireless USBはPC市場中心だけになんとかなるとしても、WiMAXは他の高速無線通信規格と張り合っている最中。ここにAppleが加わり、続いてPC業界全体に入っていくことが望ましい、という構図は十分にあり得る。
逆に、PowerPCからPentium系チップへの移行は、アプリケーションベンダーの手間、ユーザの移行作業やアップグレード料金負担を考えると、現実性が乏しいように見えた。
とはいえ、ノートPC向けのよいプロセッサがまったくないAppleが、何かやらかすであろうことも予感はしていた。Centrinoテクノロジーは、バッテリー持続時間を増やすための、現在もっとも魅力的なテクノロジーであるのだし。

WWDC直前の報道は、きっちり「MacにIntelプロセッサ」と明記されていた。
ここまで出てくると、ほんとうかもしれない…でも、ほんとにここまでリスクの大きなことをやるか?…

***

そして、冒頭の報道となった。
昨年の、MS & Sun 和解、以来の大ニュース。

PCWatchは続いてWWDC詳報を掲示したし、有名業界紙、一般紙も報道している。

Machカーネルに一番近い層で動くFreeBSDカーネルは、もともとはIntelプロセッサ上で発展してきたものだ。Mac OS Xの前進となったNeXTSTEPもIntelプロセッサ上で動作していた(白ネクストっていうのがあったしね)。Linuxも、Solarisも。つまり、Intelを無視しては、かえってUNIXベースのOSとしてのパイは広がりにくい状況になっていた。
その上、ノートPC用のよいプロセッサを持っているのは、Intelだ。
選択肢は他になかった、ともいえる。
どの記事も、おおむねこのような推測を裏付けるものばかりだ。
むしろ、開発者向けキットを即日受付開始するなど、数年前から周到に準備されて、やっと今日を迎えたことが裏付けられている、とさえ言える。

一方、CNETの記事はちょっと注目に値する。
これによれば、Jobsのプレゼンの後でPhill Schillerが登壇、Windowsサポートについて語ったという。引用する。

同氏によると、AppleではIntelチップを搭載したMac向けにWindowsを販売/サポートする計画はないという。

 「これは、サードパーティーがそうすることを妨げるものではない。おそらくどこかが対応してくるだろうが、われわれがそれを邪魔するようなことはない」(Schiller)

逆に、AppleのIntelマシン以外で、Mac OS Xを動作させることはない、ともいう。
つまり、Windowsと切り替えて動作させるマシンを手にすることはできるかもしれないが、それは必ずApple製だ、ということ。
Appleの売上・利益の多くがハードウェアから引き出されていることを考えれば、多くの人が予想していた通り。

Appleは最初のパーソナルコンピュータ以来、Motorolaのプロセッサにこだわってきた。その後、IBMも巻き込んでPowerPCに移行するが、Intelをメインプロセッサに据える決断を下したことはない。
20年超の溝が埋まる−−−確かに歴史的な発表ではある。

***

個人的に気になること。

一つ、これまでのPowerPC上で動作するMac OS Xと寸分たがわぬ画面や印刷結果を、加えてAppleテイストの動作感覚を、保証してほしいこと。
まぁ、これは大丈夫だろうと思う・・・

もう一つ、Javaの実装を、Sun Microsytemsとより緊密にやってほしいこと。
現状のJavaのリリースは、Sunのリリースから数ヶ月以上待たされる。プロセッサのギャップがなくなったのだし、もっと迅速にやれないものだろうか。今後ますます重要になる部分だと思うのだが。

[付記]
本文で触れたCNETの記事(6/7, 6:35)にトラックバックを送りました。
また、同サイトのこちらの記事(6/7, 21:19)も面白いです。専門家の懐疑的な意見もありますが、最後に出てくるWWDC参加者、Matthew Woolrums氏の

「もっとも仲の良い友人2人が結婚することになったが、それが自分にとってどういう意味を持つのかわからない、といった感じだ。複雑な気持ちだ」

は、多くのユーザや開発者の素直な感想かもしれません。こちらにもトラックバックを送ります。

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