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2005.08.16

「SoulPad」という子亀が、PCという親亀の身体を使う

CNET Japanに「iPodで作業環境を携帯可能に--IBMが「SoulPad」技術を開発」という記事が掲載されていた(8/15)。
(上記記事にトラックバックを送ります。)

IBMの研究者らが、あるソフトウェアのテストを進めている。このソフトウェアは、家庭やオフィスのデスクトップ環境をiPodや類似の携帯デバイスに入れて持ち運び、どのPCでも自分のそれを実行できるようにするというものだ。(上記記事より)

コンピュータの設定環境を仮想化して持ち出す技術であり、「SoulPad」と名付けられたそうだ。
iPodのようにハードディスクとCPU、メモリを積んだ携帯用デバイスを利用して、その中にデスクトップPC上で利用しているデータ(アプリケーションのデータ、ブラウザのクッキー、デジタル署名など)を保存する。
出先のPCでFireWireかUSB経由で接続する。SoulPadが起動すると、接続されたPCの画面、キーボード、プロセッサ、メモリを利用して、通常の作業が行える。つまり、親亀PCの身体を、子亀SoulPadの魂(脳みそ)が乗っ取って使う形。
作業が終了すると、その結果をすべてSoulPadに書き出して、再び持ち出せる。

SoulPadという名前は、PCを肉体(プロセッサ、メモリ、キーボード、モニタ)と魂(データ、アプリケーション、個人設定)に分ける考え方に由来する。

名前の由来が心身二元論にあって、なんだか妙な気分だ。
それはさておき、記事にもあるように、新しい技術というわけではなく、既存の技術の組み合わせ方をより新鮮にしたようなもの。

ちょっと話がズレるけど、たとえば多くの人にサーバ向けOSと考えられているUNIXは、本来は「状況や必要に応じてサーバにもクライアントにも(透過的に)なれるOS」という捉え方が正しい。
昔からUNIXマシンとネットワークの通る環境では、どのマシンでログインしても、いつも同じ自分のホームディレクトリが必ずマウントされる。ホームディレクトリがあるマシンをファイルサーバとして機能させておく。ユーザアカウントを集中管理するサーバとあわせて運用すれば、どのマシンでログインしても、いつものホームディレクトリが(マシンローカルであってもネットワーク経由であっても)見える。
たいへん便利だが、ネットワークが通らない場所では、自分のホームをマウントできないことになる。いまのようにモバイルが当たり前になった世の中では、それなりに不満もたまる。
実際、ハードディスクを持ち歩く人もいるわけだ。

SoulPadは持ち歩けるハードディスクと異なり、自身でもOSとプロセッサを持ち、入出力やコンピューティングサーバとして親亀PCを使わせていただくことになる。(より具体的には、ハードウェアにiPodを使い、ソフトウェアとしてLinuxの中では抜群に小さいKnoopixと、Windows環境なども実行可能にするVMWare Workstationを入れているという。)

技術として新しいというより、これまでのちょっとした不満を解決するような、しかも他にも活用法が広がりそうなパッケージングがちょっと新鮮。
ちょっとした工夫はAppleのお家芸だけど、ネットワークに関しては意外に平凡な使い方をすることが多い(Bonjourという例はあるけど)。
IBMがこうした工夫を思いつくところは、PC事業を売っちまった会社なんだなぁと思わせる。
広がっていくのか、思いつきで終わるのか?!

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コメント

亀の検索できました。
むぅ、世の中こんなことになってるんですね。
でも面白いアイディアですね!
ちょっと期待です!

投稿: だーしゃ | 2005.08.18 00:18

だーしゃさん、いらっしゃいませ。
亀で検索してたどり着くんですね、びっくり。実用的なデバイスになって発売されると面白そうですよね。
(Macユーザなので、個人的にはMacと接続できる小型ツールがほしいですが。)

だーしゃさんのブログ、拝見しました。
子亀の放流だったんですね。
南の島、いいですねー。食べ物がうまそー。
またよろしくお願いします。

投稿: kenken | 2005.08.18 00:45

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