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2005.10.31

文芸誌の児童文学特集

今月初めに出たものだが。
10月7日発売の文學界十一月号は、特集が「大人のための児童文学」。

特集テーマに基づいた創作が2篇。
 藤野千夜「青いスクーター」
 大道珠貴「大きくなあれ」
解説(論考?)が1篇。
 斎藤美奈子「コドモの読書の過去と現在」
対談はあさのあつこと石井直人が「十代をどう描くのか」。
他、作家や評論家などへのアンケート「私が薦める一冊」。

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2005.10.28

18世紀の悦びが今にこぼれる

[テレマン作曲:フルートとリコーダーのための協奏曲 ホ短調]

テレマンは在世中、ヨーロッパ随一の名声を誇った作曲家だった。同時代のドイツ出身の作曲家にはヘンデルやJ.S.バッハがいるが、比べ物にならないくらいの人気だったという。しかし、彼らは時代の変化とともにほとんど忘れられ、一部の音楽家や愛好家の間で細々と受け継がれていた。
モーツァルトは「古楽」愛好家の男爵が集めた楽譜でバッハやヘンデルを改めて知った。これは交響曲第41番に結実する。
ベートーヴェンの場合、先生がバッハの系譜に属しており、教育に採り入れた。これは素晴らしい歴史の偶然で、ベートーヴェンは曲に厚みを持たせる際に、対位法を採り入れることになる。交響曲第9番に至っては、パレストリーナの楽譜まで参照して作曲している。パレストリーナはイタリア・ルネッサンスとバロックの狭間に位置する巨匠だ。バッハ以前の音楽に至る系譜がなんとか記憶にあった、最後の世代とも言える。
しかし、一般には18世紀までの作曲家は、19世紀に入ってほぼ忘れられた。(モーツァルトだってそういう面がある!)

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2005.10.27

著しい圧縮

最近、iTunes取り込みが復活して、以前買った盤を時々ハードディスクに落としている。いつも似たような曲ばかり聴いているのに飽きた、というのもあるか。
CDより音が悪くなっちまうのはまぁ承知の上だ。
んが、ものすご〜〜く音が悪くなっちまうCDがあった。

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2005.10.21

やっと晴れた

東京の青空、何日ぶりだろう。
風も乾いてきた。頬や腕を気持ちよく撫でていく。
移動中、イヤホンはつけない。歩きながら思い浮かぶ様々な音と、現実の音とが混ざっていく色を楽しむ。

iPodは好きだけど、いい空気には目も耳も開放しておきたいと思う今日この頃。
マイクに拾った楽音は心地よいけれど、楽音自体はもっと微細で微妙な波形(音のスパイスとなる雑音成分)がある。電子楽器の音、あるいは電子化された音がもつ均質性を超えた生々しさを生み出す元とでもいうべきか。
世界はもっと様々な波で満ちている。
そして、乾いた日は響きがよく染みる。
そんなときは、圧縮しても気持ちよく聞ける音ばかりに身を任せているのがもったいない。
楽器を扱う身としては、生々しい響きも大切にしたいしね。

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2005.10.19

アフタヌーン四季賞CHRONICLEに大見得を切られる

見慣れぬ携帯電話発信が午前にあった。
つーか、寝てて、たたき起こされた。
宅配便だった。切れ切れのFOMAの音声通話にムカムカしつつ窓際まで歩くと、やっと安定した。
「着払いの商品なんですが、いまうかがってもよろしいですか」
「だいじょうぶです」
「10分ほどで到着します」
値段の確認をして、電話を切った。

予定通りのお金を用意して待っていると、ほぼ10分でやってきた。
で、でかい!
とにかくサインをしてお金を払い、受け取った。
お、重い!

専用の長い段ボール箱を開けると、ビニールパッキングされた長くて黒い箱が出てきた。

「な、なんじゃぁ、こりゃぁ!!」

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2005.10.18

アップルの新iMac、新iPod

先週(10/13)、Apple ComputerがiMacとiPodを一新した。

PCWatchのiMac報道国内発表会速報開発者インタビュー

AVWatchのiPod報道ビデオコンテンツ配信報道発表会速報

***

これまで「ビデオをiPodに載せるのは間違っている」と言い続けていたS.Jobsが、舵を切り直した瞬間だった。しかしもう1年以上も前から噂に上っていただけに、新鮮味はあまりない。

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ジャストシステム勝訴で確定、不買宣言取り下げ

10/3に触れた「ジャストシステム、逆転勝訴」。

松下電器は上告をしない方針を表明していた(Internet Watchの記事、10/11)。
実際、期限である10/14までに上告されなかったため、判決はジャストシステムの勝訴で確定した(Internet Watchの記事、10/17)。

このような結末となったことをもって、「もう松下製品は買わん」という宣言を、一度取り下げることにしよう。

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2005.10.17

ありがとう

10月も半ばを過ぎれば、街は速やかに暗くなる。飲み屋の入り口の曇りガラスから灯がこぼれている。
その前に、ネコが数匹、身を寄せている。入り口には空っぽの餌皿。戸口を見上げて、じぃっとしてる。笑い声のする店に向けるまなざし。

まだかなー、まだかなー、あかないかなー。

そんな声が聞こえてきそうだ。
こうして、餌をくれそうな、あるいはかまってくれそうな人が出入りする場で頻繁にネコを見かけるようになったら、涼しさは本格的になっていく。あれほど続いた暖かい日々も、そろそろ去っていくのだろう。

***

読んだものがきちんと身体に染み込んでくる感じがしなくなった。ひどかったのは7月後半くらいからか。
もちろん、どんな文章でも読めば意味はわかるし、意味をとれなくて苦労することはまったくない。(だから、仕事などに支障をきたすようなことはない。)

情報を取得して、適切に行動すれば済むような文書でなく、もっと深く広く考えさせられるような文章が、身体に染み込んいかない。
文芸誌は買っていたし、本も気になれば買ったり、借りたりする。
ただ、読んで意味が頭に入っても、脇の下からざぁざぁ流れ出てしまう。
文芸作品の持つ世界の描き方に、自分をチューニングして、そこに浸りつつ、自らとの間を行き来する、この当たり前のことがうまくいかない。
もっとはっきりいえば、感情が自分の中で生起してくる感じが薄れていく。
砂になってしまったようだ。
辛うじてどうにか読めたのは、庄野潤三氏の連載「星に願いを」(群像)。
こんなことは生まれて初めてだった。

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2005.10.14

今年は出ないんです

今年の文学フリマは11月20日開催です。
ただ、今年は都合がつかないため、私は出店いたしません。

すでに今年の出店についてお問い合わせをいただいております。
たいへんありがたいのですが、上記のような状況であるため、この期日に合わせて新しい創作冊子の制作もできません。ご了承ください。
(以前の冊子の在庫は、少なくなってきました。気になる方は本館の「本のご紹介・お申し込み」へ。)

また機会があることと思いますので、その節はよろしくお願い申し上げます。

P.S.
知人が出店するので、会場には行きます。今年は客として。

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2005.10.13

激変の本屋環境

sueさんより、「大盛堂書店・渋谷本店の閉店に思う」へのトラックバックをいただきました。
少し前の記事ですが、ありがとうございます。
今回は新たにこのエントリーを起こして、10/11の日記にトラックバックをお返しすることにいたしましょう。

***

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2005.10.10

ヤングユー、突然の休刊

発売日から二日遅れで本屋に行き、ヤングユー(YOUNG YOU)を買おうと、手に取った。

ん? 『20年間のご愛読ありがとうございました!』だって?!

そう、開いてみると、休刊のお知らせが目に飛び込んできた。

びっくりした。
その一方で、なんとなくそんな感じがしたんだよな〜、とも思う自分もいた。

***

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本日閉店する京都丸善

2005年10月10日、丸善京都河原町店が閉店。
私は東京在住なので行けなかったが、訪れた方は多かったのだろうか。

ちなみに、梶井基次郎の短編「檸檬」の舞台になっているためか、檸檬を置いていく客が増加しており、また記録的な売れ行きになったという。
(今回は少し詳しく紹介している産経新聞10/1の記事を。)

4月に閉店が明らかになった時点では、次の店舗を開く予定だと報道されていた(以前の記事、こちらこちらを参照)。
次の店舗に関する発表も報道も、まだ出ていない。

本屋と喫茶店の多い京都での再開を、楽しみにしていますよ>丸善さま

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2005.10.03

ジャストシステム、逆転勝訴

先週のニュースですが。
今年の2月に取り上げた一審判決(こちら)への控訴審。
9/30に判決が下り、ジャストシステムが逆転勝訴となった。

簡潔な記事はPCWatchの記事(9/30)。

また、新聞も一斉に取り上げていたが、3大新聞より日経本紙が踏み込んだ記事にしていた。

今回の知的財産高等裁判所の審議は早く進んだし、また妥当な判決だった。
ソフトウェアの特許を完全になくすべきか。滅多に発明できないユーザインタフェースやアルゴリズムについて、一定の保護を必要とするケースはあるだろう。
ただし、特許をとって塩漬けにし、他社がちょっとでも似たことをするたびに「それはうちの特許です〜〜」と訴えることは、むしろ研究開発を阻害するという認識が生まれている。IBMやSun Microsystemsが特許を公開するのも、そのような認識を反映させている。(もっとも、IBMやSunも一筋縄ではいかない面は当然あるのだが、それはさておき。)
特許をとるのはいいが、開発のメインストリームにのっとって、製品を通して主張してほしい、そのほうが多くのユーザに支持される。

[追記]
以下の記事にトラックバックしました。
・イサムの孫のヒトリゴト 「ジャストシステム逆転全面勝訴 !」(2005/10/04)

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最近のマンガつれづれ・2(陰陽師)

さて、マンガのイディオムを駆使してすばらしい作品を生み出す多くの雑誌がある。
その一方で、マンガという枠組みを突き破りつつ、やはりマンガとしか呼びようのない作品もある。

9/29、岡野玲子「陰陽師」13巻が刊行された。7月末刊行の12巻とあわせて、全巻無事完結した。
清明晴明と道満の射覆対決に正面から取り組み、原作(夢枕獏の小説)と史実と伝説とを踏まえて、自身の清明晴明像へ高く昇華させた終結。

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最近のマンガつれづれ・1(コミックビーム)

9月下旬、一気に涼しくなり、青空が高く冴えてきた。日本とは思えないくらい爽やかな日もあった。
しかし、同じ青空でも今日(10/2)は暑くなった。午後は湿った空気、そして都心でもなんとなく海の匂いのする風。夜になってもなんとなくじっとりしている。
やっぱり日本の湿気だねぇ、11月までは。

それでも、夜になると東の空から上ってくる火星が、群青色の中に赤々と浮かんでいる。2年に一度の接近らしく、雲さえなければくっきり。
一方、バリでもイラクでもテロが起きている。
平和を!

***

ここんとこ、コミックビームに積極的に触れていない。
なぜか。

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