2005年の本、追記
時間がとれないから町田康「告白」を読まずにずっと我慢していたのに、パパタラの舞台を見たもんでついガルシア・マルケス「百年の孤独」の新版を読んぢまった。ん〜、いろんな用事がどんどん押せ押せに。
さて、今年読んだ本のうち、12/8の記事でこぼれたもの。
清水博子「vanity」(新潮10月号)にも触れておく。
借りている部屋で空き巣にあった上に隣人が小火(ぼや)を出して、よりどころがなくなった画子(かくこ)が、米国留学中の恋人のうちに身を寄せることになった話。
恋人のうちは六甲の山の中。早稲田を出て働く女が、婚約候補者という妙な身分で六甲マダムの家に上がり込む。当然、暮らしぶりも発想もまったく異なる。
どっちもどっちだ、と声を出しつつ読むのもあり(ん?)。異文化交流は日本の日常にあると読むのもあり(おいおい…)。
いや、妙な味と読み応えがあるので、単行本には注目、ということです。
読み終わるのが惜しくて、わざわざ毎日少しずつ読んだのは、澁澤龍子「澁澤龍彦との日々」。
こんなに愛情のこもったエッセイは、まず読めません。澁澤ファンでない方も、ぜひどうぞ(かくいう私も熱烈なファンではなかったし)。
ちなみに、文學界1月号(12月発売)の新連載に、庄野潤三「ワシントンのうた」。
今回は、幼い頃の話が中心。やっぱり楽しく読む。
さて、正月には町田康「告白」やら、笙野頼子「だいにっほん、おんたこめいわく史」(群像1月号)なぞを楽しみにしつつ、残務を片付けるのでありました。
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