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2006.05.31

自然な表情

先日のパーヴォ・ヤルヴィに限らず、ピリオド奏法による響きの設計は、楽しく聴く人もいれば、まったく受け付けない人もいる。
好みは人それぞれであるし、嫌いになる人がいるのも当然のことだ。キュウリが大嫌いな人に「瓜の仲間なんだぞ、スイカと同じだと思って食ってみろ!」と言ったところで仕方ないのと同じ。

古楽器オケやピリオド奏法を私は楽しむが、嫌いという人に無理矢理押し付けようとは思わない。普通に演奏される現代のオーケストラ演奏にあまり不満らしい不満がなければ、あえてそういう演奏を聴いたりしないだろう。

ただし、古楽器やピリオド奏法を使うことは、正統的な演奏であるかのように喧伝されやすい。これは「そういう演奏だからといって正統的とは限らない、だって多くの人は普通に伝承されてきた演奏を聴いている、ひねり出した演奏のほうが不自然だ」という反論を呼び出してしまう。
さらに「楽器の発展に従ってよりよい音で演奏するように進歩してきたのに、あえて戻す理由があるの?」とか「今の楽器でさらに進歩していけばいいんじゃない? 当時の音を聴くことなんか、できないんだよ?」なんて疑問も出てくるだろう。

こんなことは1960年代から散々議論されてきた。1990年代以降は若手の演奏家が先入観なく古楽と現代の演奏法を行き来するようになっており、古楽器 vs 現代楽器などとうるさく言わなくても、単に聴いて面白いかどうかを判断する人々が増えてきた。もはやあえて書くことではないのかもしれないが、たまたま買ってみたCDが古楽器やピリオド奏法による録音であることが増えてきた今、自分なりのメモを残してみたいと思う。

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2006.05.30

パーヴォ・ヤルヴィの来日公演への雑感

パーヴォ・ヤルヴィ&ドイツ・カンマーフィル・ブレーメンのベートーヴェン交響曲全曲演奏会、私が聞いてきた限りの模様は記した(初日二日目の夜)。
この魅力的な演奏にインパクトを受けた人は多いだろうが、個人的には音楽そのものから少し離れたことも感じていた。

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2006.05.29

パーヴォ・ヤルヴィ&ドイツ・カンマーフィル・ブレーメンのベートーヴェン(2)

すばらしかった初日に続いて、チケットをとった。
二日目は午後に第4、ヴァイオリン協奏曲、第5。こちらは早々に完売と聞く。
夜に第6〜7。こちらをとった。

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まず第6番

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パーヴォ・ヤルヴィ&ドイツ・カンマーフィル・ブレーメンのベートーヴェン(1)

ヤルヴィといえば、ネーメ・ヤルヴィの振るシベリウスやグリーグの名演奏が懐かしい(ドイツ・グラモフォンから出ている)。
しかし今ならまず、ネーメ・ヤルヴィの長男、パーヴォ・ヤルヴィ。また、次男のクリスチャン・ヤルヴィもいる。二人とも中堅どころの指揮者として頭角を現してきた。
5月にドイツ・カンマーフィルハーモニック・ブレーメン(以下ドイツ・カンマーフィル)を率いて来日しているのは、兄のパーヴォ・ヤルヴィ。

ドイツ・カンマーフィルといえば、ハーディングの棒のもとで続々と名演奏を生み出してきた。現在の音楽監督が、パーヴォ・ヤルヴィ。
そのパーヴォが、満を持してベートーヴェンに取り組み始めた。交響曲全集の第1段として、第3&第8のカップリングが発売されたばかり。
近年話題の楽譜、新ベーレンライター全集をベースにする。また古楽器のオーケストラを研究し、現代の楽器の機動性に当時の響きのバランスを考慮に入れたもの。弦楽器を6-6-6-4-3で編成し、音量のバランスと音色を考慮してトランペットとティンパニだけは古楽器にする。ベートーヴェンの書いたテクスチャがきれいに見えるだけでなく、現代楽器の表現力も活用するという。

今回の来日公演は、横浜みなとみらい大ホールでベートーヴェン交響曲全曲集中演奏会を開くのが目玉。まだ録音されていない作品も含めて、作曲された年代順に聞く企画。
加えてヴァイオリン協奏曲のソロに諏訪内晶子が予定されていたが、体調を崩して活動休止中。その代役がなんと、ヒラリー・ハーン。
ヒラリー・ハーンの協奏曲は横浜に先行する各地の演奏会で、絶賛の嵐を呼び起こしている。

バタバタ忙しかったので無理だと思っていたが、急遽時間がとれたので、初日に行ってきた。聞き飽きたとさえ言えるベートーヴェンにお金を払うのは久しぶりだ。
そして、1回のつもりが、2回聞きに行くことになった。もちろん、すばらしかったからだ!

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2006.05.25

ヨコハマ買い出し紀行・最終巻

石川雅之「もやしもん」の第3巻が出た。
特装版と通常版の2種類が出ている。立ち読みできない本屋だったので、特装版を購入。帯には「ほとんど一緒」と書いてあるが、表紙以外に何が違うんだろーか。
内容は相変わらず好調で、なにより。

個人的には、芦奈野ひとし「ヨコハマ買い出し紀行」が第14巻で完結したことを取り上げたい。
アフタヌーンの連載完結については既に触れている。最終回を含む単行本が出たことで、すべて完結した。

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2006.05.22

永遠を見つめ続けた作品達の、鮮やかな消失

先月、古い本を読み返していた。
水村美苗「私小説 from Left to Right」(新潮文庫)である。
英文を含むため、必然的に横書き。冒頭の英語に驚いて読むのをやめてしまう人もいるようだが、そこだけ慣れるべく心積もりをすれば、あとは推測でも読んでいける。

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対策が効いてきたか

ココログ、あまりの重い動作に先週、対策を施したという。
まったくやる気がなくなるくらいの重さだったけど、今は時々重さを感じる程度。
さすがに緩和してきた模様。
負荷の集中に対してどういう形で余裕を持たせるかは、なかなか難しいところなのでしょうが、有料なのだから早めに手を打っていってほしいです。

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2006.05.16

なんだかなー、ココログ

4月の連休前に一応安定してきたみたいで「よかったね」と書こうかと思ったけど、やっぱり時々すごく重くなるね。
今夜がそうだ。
更新する気が失せてきます…頼みます…しっかりしてくれ>ココログ

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ハルキの月が続いてる

先月紹介した沼野充義「ルポルタージュ ロシアの村上春樹」(文學界)、リチャード・パワーズ(柴田元幸訳)「ハルキ・ムラカミ−広域分散−自己鏡像化−地下世界−ニューロサイエンス流−魂シェアリング・ピクチャーショー」(新潮)。読了している。

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沼野氏のルポは本当に面白かった。

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2006.05.12

第35回日本漫画家協会賞も発表

手塚治虫漫画賞に続いて、日本漫画家協会賞も発表された。こちらは簡潔に。
記事(アサヒ・コム、5/10)によれば、以下の通り(敬称略)。

・大賞:勝又進「赤い雪」(青林工芸社刊)
    秋竜山「秋竜山通信」(自費出版)
・特別賞:チョン・インキョン「ドキュメント2005」
    日仏のマンガ家16人による「JAPON」(飛鳥新社刊)
・文部科学大臣賞:里中満智子

勝又進氏とはまた、しぶい! まさに意味のある賞、じゃないかな。

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第10回手塚治虫漫画文化賞、発表

他のネタもあるけど、緊急度ではこれが先。
5月10日、2005年に出版されたマンガを対象にした、第10回手塚治虫文化賞が発表された。
以下の通り。

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2006.05.09

外様猫

気持ちよく晴れが続くG.W.と思いきや、終盤に雨が続いて、明けるとまた寒くなってきた。それでも、たまっていた洗濯が乾いたり、COMITIAに行ったり、所用や仕事も含めて悪くない日々だった。

さて、トロい子ちゃん、その後。
4月末の早朝、生息地周辺を通りすぎようとすると、とある家の前で餌をもらっていた。専用の餌皿あり。
数日後、とある家の前に猫小屋が出される。前には水と餌皿。
しかも、気温に応じて日除けやら、雨除けやらが出ている。
外様猫である。

水を飲んで和んでいるトロい子ちゃんを見かけた通りすがりのカップル。
近寄って撫でようとした。びっくりして後ずさる猫。女性がかまわず撫で回そうとするが、男が「そのへんにしとけよ、いやがってるよ」。
なかなか心得てますな。
それにしても、なんとなくかまいたくなるようなところがある。

多くの野良猫は、幼い頃を通過すると、かわいくなくなる。
いや、それは語弊があるな。幼児のかわいらしさから、厳しい環境を生き抜くためのふてぶてしさを身に付け、貫録が芽生えてくる。美しい猫は多いけれど、どっちかっつーとオッサン/オバサン臭くなってくる。
人間から見てかわいらしくなくなる、と言うほうが正確だ。
つまり、飼い猫のかわいらしさって、動物を大人にしないからなのだろう。人間社会そのものがそういう面があるのか…って、話がズレていくから、戻す。

トロい子ちゃんの場合、そろそろ身体が成長しつつあるのに、なんだか顔がかわいいままだ。おまけに動作も猫にしてはスローモー。野良猫としてはいかがなものか、というくらい。
だけど、人に遭遇した際にとる、敵か味方かを見分けようと逡巡する表情が豊か。躊躇が足に出る歩調など、人間的といってもいいくらいだ。においを嗅いでは考え事をするように小首を傾げていることもある。なんとなく感情移入したくなる。そこが人々にはとてもかわいく映るんだろう。
この子の動作は飼い猫と野良猫の狭間にある。無事、地域猫に昇格(?)しつつあるけれど、どんな顔になっていくのやら。

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2006.05.04

ゆずてん

Yuzuten01

前日までのグズグズした天気から一転、爽やかな風と青空になったのは、きっとゆずの功徳に違いなひ。
そんなことを思いつつ、ゆずてんの初日にうかがう。

ゆずてんとは。
漫画家の須藤真澄氏(公式ホームページはおさんぽ王国)が開催する個展。
期間は5月3日(水)〜7日(日)。時間は13時〜19時(最終日のみ18時)。
出版社や書店ではなく、個人としてギャラリーを借りているようだ。その様子は公式ホームページの開催概要にも表れている。

須藤マンガのファンならばご存知のように、愛猫ゆずとの日々は終わりを告げ、いまは、にい及びととの二匹がいる。
ゆずとの日々から生まれたマンガやイラストから、作者自選の原画がずらりと並ぶ。それだけじゃなく、サイン、グッズ販売、観光写真コーナー、スタンプコーナーとてんこ盛り。
個人的には、ネコのマンガ、エッセイマンガ、ファンタジーの3本立て創作活動こそが、須藤真澄のすてきなところだと思っている。今回の展示は、ネコのマンガのみであることもわかってる。けれど、ずっとゆずやどんぐり学園を読んできた者にとって、原画展示とあれば、行かないわけにはいかない。

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