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2006.08.14

耳の経年変化

先日書いた「大人には聞こえない?」だけど、こうした耳の変化に関する話を聞くと、思い起こさずにはいられない。

ピアニストのリヒテルが最晩年、実は耳が悪くなっていたという(吉田秀和氏の音楽展望にかつて掲載されていたはず)。
最晩年のトスカニーニの録音は、聞こえが変化していたらしく、間合いや残響の活かし方がだいぶ変わっていた。(トスカニーニは暗譜が不完全になり、楽団の掌握力が落ちた自覚を持った時に−−−つまり演奏が乱れてしまった時に−−−引退した。)
(再び音楽展望からだが)作家の大岡昇平氏は晩年、聞こえが変わってしまい、好きだったモーツァルトを聞く喜びが、なくなってしまったという。

個人的な推測だが、2002年の18世紀オーケストラ来日公演で、ブリュッヘンの振るベートーヴェンが必ずしもうまくいかなかったのは、この聞こえの変化が関係しているんじゃないか、と思ったりもしている(確証はないですよ、楽員が指揮に戸惑っているように見えたことからの推測)。

音楽に対する感じ方は、年を経るごとに深まっていくものだと思う(若さによっかかった音楽でなければ)。
それを身体を通じて表現するのが音楽だが、身体は衰える。
使う筋肉だけでなく、耳も。
ファウストの嘆きが聞こえてきそうだ。
聴き手でもショックだが、プロフェッショナルな演奏家の場合、聞こえが変わっていくことをどう受け止めているのだろうか。

最近、イヤホンの使用頻度を抑え目にしている。前ほど外で音楽を聴かなくなってもいる。必要以上に耳元で刺激を引き起こさないようにして、大事に使っていこうか、なんて思ってみたり。

とはいえ、東京の繁華街は、店の出す音が大きいのが悩みの種なんだけどねぇ。

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