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2007.01.03

2007年のウィーン・フィル・ニューイヤーコンサート

さて、今年のウィーン・フィル・ニューイヤーコンサート。
指揮はズービン・メータ。
時々他の用事が入ったりして、じっくり腰を落ち着けて観賞はできなかったのだが、意外にも楽しかった。

というのは、以前のメータの年では、彼の理屈っぽさが少々仇となって、美しいんだけど今一つノリきれない感じがあったから。
今回のメータは、余裕と信頼を今まで以上にオケに寄せて、それにオケが応える感じが出ていた。

メータは量感ある響きを出すのが得意だけど、音楽造形は意外に繊細で理屈を踏まえている。
ブラームスのように音楽自体が理屈っぽい側面を持っていると、意外におもしろい。もちろん、独自の和声への感性と理論を持つスクリャービンなども。
反面、オケに手放しの喜びを放出させる、という部分はちょっと弱いように感じることも多い。
いわゆるポピュラーコンサート的な演目は、ちゃんとやりすぎるのかなぁと思うことがあった。これまでのニューイヤーコンサートがその例。

そういえば、アーノンクールが最初に登場した年も、芸術的なんだけど、なんだかちょっと退屈だなぁ、と感じたものだ。(もちろんあのアーノンクールである、2度目はすばらしいものだった。)
同じ理屈っぽい造形でも、アーノンクールは全体を大きくつかみ、フォルムが前面に出るようなフレージングをとる、つまり構成的。メータはフレーズの意味付けがはっきり出るように、音の連なりに一々理論的な裏付けがないと気が済まない、という感じ。メータは(場合によっては)少し神経質に感じることもあった。

今回は、そのような印象が完全に払拭された。私が考えすぎていたのかな、と思ったりしたくらい。
いいサウンドによる幕開けだった。
(ちなみに解説も、文化史の専門家と演奏家が入って、例年より凝っていた。演奏家は、N響第1コンマス。)

来年の指揮はジョルジュ・プレートル。フランス音楽、とりわけプーランクなどで名高い。どんな風になるかなぁ。

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