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2007.01.29

どうする気だ青年宰相

安倍首相が昨年9月に引き続き、今年の1月の国会でも所信表明演説を行った。
前回の報道によるカタカナ語多用批判をうけて、今回は減らしたというが、前回使った言葉はそのまま使わにゃならんのか、意外に減っていない。

でもまぁ、そういうことはおいとくとしてもだ。
憲法改正、教育改革を前面に出し、国民投票法の成立、生産性加速プログラム(雇用形態や賃金体系になど関わる法を見直し、重点産業の育成など)、公務員制度改革などに触れている。
21世紀における新しい日本国家のあり方を提唱するのが仕事だ、という趣旨のことも(演説以外で)述べ、報道されてもいる。

つまり、この方は細々としたことではなく、大枠の大変更をやりたい、むしろそれに専心したい、というのが本音に見えてしまう。

だから、政治資金の細々とした問題や、知事の官製談合問題といった問題にかかわり合わず、大枠だけを前に押し立てて、国会運営をやりたいのだろう(新聞がやいのやいの書いても、とりあわぬようだ)。
労働関連法案で、パートなどの雇用形態をいじろうとする一方で、経済関連団体から要求された「残業代ゼロ法案」には「やっぱり国民に理解が得られない」と取り下げてしまったりするのを見ていると、実は憲法や教育の改革に関心の焦点があって、細かいことは現場の方々でうまく対応してくれっていうのが本音か、などと邪推もしたくなってくる。

***

でも、政治って、細かい現実の積み上げも無視できない。
細かい現実への対応だけでは、小手先の対策に終始したり、ロビー活動に牛耳られてしまうから、無論よくない。
けれど、国家のありようの提示、それに伴う憲法改革ばかりを前面に出されても、実感の湧きにくい人々のほうが多いんじゃないか。もっと言うなら、それにふさわしくなさそうな人々(議員辞職だなんだともめがちだしね)に議論され、決められてもうれしくねぇよ、という人々も多いんじゃないか。
再チャレンジなどという言葉を、順調に出世した人に言われても「それほんと? どうやってやるの? 具体策なしじゃん」と思う人だって多いだろう。

それに、安倍首相の書いた新書や、今までの国会答弁だけでは、現行憲法を変えなければならない、と思わせる必然性を、実感できない。
美しい国なんて言葉より、活き活きと暮らしている人が周りにたくさんいて、それぞれが自分の可能性に挑戦し、お互いの違いを理解する努力を惜しまずに協力し合う、それが当たり前のことになってほしい、という普通の祈りのほうがずっと実感が湧く。そのための具体策こそが、ほしいはず。
教育改革にしても「まず家庭の教育から」なんて何度も繰り返されては失敗しているモデルに戻るのは、いい方法とは思えない。親が教育で悩んだ時の相談方法などを整備する、などといった具体策のほうが近道なんじゃないか。国が援助しつつ、大学やNPOなどと連携しつつ進める手だってあるんだし。

***

青年宰相という言葉がある。理念提唱にこだわる安倍首相は、確かにそれに通じる印象を受ける。
でも、ただの青年の志だけでは、あんまり人はついていかないもんだ。
やるなら、もっと語りかけて、納得させようと努力してほしいなぁ。それに反論が続出したら、それをすかさずくみ取るくらいの老獪さもほしいなぁ。
参議院選挙をうまく乗り切れば、後は好きにやれる、なんてのは勘弁してほしいなぁ。

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