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2007.09.11

数年前、ふと耳にした会話から

数年前、景気回復が言われても実感の湧かなかった2003年くらいだったはずだ。
とあるカフェ(全国規模で展開している)で、移動の合間に一息ついていた。
近くのテーブルで男性が二人、話をしている。漏れ聞こえる会話によれば、カフェのスタッフらしい。高校生のバイトと、店長のことを話している。

「…で、さ、その子に注意したらさ、『あなたに採用されて雇われてるわけじゃないんですから、あなたの言うことを聞く必要はないです、店長がいいって言ったんだから!』だって」
「おぅ、それそれ」
「ほんとなんだな。まぁ明日はシフトなしってことで本部に行くからさ、その時に報告するけど」
「どうすんだ」
「罪は本来、店長にあるんだし、バイトは再教育するしかないし、それでダメなら…だろ」
「今日は店長、戻らないと思うよ。ほら、あの子が休みだからさ」
「…気付いてないと思ってんのかな。こっちが本部からわざわざ出張った意味も」
「さぁ。でも、このままじゃお客さんに迷惑がかかる一方だし、早い方がいいと思う」
「わかってるけど、一応本部の審査手続きもある。でも、新メニュー投下の前だから、きっちりやらねぇとな」

などと穏やかでない会話をしているところを見ると、もしかしたらその店ではなく、近くのカフェのスタッフが、違う店でお茶をしていたのかもしれない。

他の話も総合すると、つまり、こういうことだ。
バイトの女性が、顧客にひどい対応をするし、メニューもいい加減に作る。注意しても、店長以外のいうことを聞かない。店長は、いいよ、いいよ、とほったらかす。
そもそもは、店長が女性と出来ていて、また別の子ともよろしくやっていて、しかもそんな子の知り合いを採用・優遇していく。
この問題は、店長に守られて、カウンターの中で好き放題やって、顧客のことに配慮しないバイトがいるため、サービス業として成立しない、ということだろう。

***

耳にした時、私はまた別のことを考えていた。
上記は極端な例だろうが、その頃、一部の10〜20代の言動、その背景に感じていたものと、何となく共通点を見出したくなったのだ。

「自分に注意する権限のある者だけが、自分に注意していい。それ以外の人間に何か言われる覚えはない」

これに通じる何かがあるんじゃないか、と。
明示的にそうは思っていないのかもしれない。
でも、たとえば親と、学校の先生(あるいは職場の直属の上司)だけが自分に注意できる、という認識があったとする。
どうなるか?
親や先生など、自分の面倒を見る担当者には、少なくとも注意を受け入れて、いい人であろうとする。
その目が届かないところでは、好き放題やって、時々やんちゃが過ぎる。
他の大人が何か言っても無視する、しつこければ逆ギレする「だいたい人に迷惑なんかかけてないし、あんたに言われる覚えなんかないんだけど!」

まぁこういう人は昔っからいたものだが、他の人々の注意をまったく受け付けない、というなら、そこは異なる。
自分に何か言われることを、致命的な事態のように感じるからこそ、極端な反応になるんじゃないか。だからこそ、店長を篭絡(?)する必要まで感じるのかもしれない。

***

断っておくが、そのような10代達が一方的に悪いとまでは思っていない。
周囲の大人達が、社会において自分のする言動がどういう影響を持つのか、ちゃんと考えさせるきっかけを作らなかったことも、問題であるはずだ。
(たとえば、バイトなどの際には、雇われて働く以上、お客さんのために行動しなければいけないのだから、上司の言うことを聞くとともに、なぜそう言われたのか、それがどういう意味を持つかを考えよ、と伝えてこなかった、ということ。本来はバイト以前に、小中学校の教育である程度触れる/考えるものだとも思うが。)

となれば、大人たちのほうが「オレがよければすべてよし、そうなるためにはどうすればいいか」と考えてきた、ということなのかもしれない。
子供たちはそれを察知するから、こっちも勝手にやらせてもらう、でも自分を世話したり保護したりする人たちから見放されたらおしまいだから、そうはならないようにする、という行動に出るのかもしれない。

その店やバイトがどうなったかは知る由もない。
ただ、上記の店でその後、そういう会話に出会っていない。そのカフェも、周りのカフェも、それぞれによくしようとする空気を感じる。
ここ数年の競争により、企業努力が実っているのだろう。景気回復が言われ出して、いくらか人心も安定してきているのかもしれない。
それにもう数年経つから、今はまた状況が変わってもいるはずだ。
ただ、時々ぽつんと思い出す。

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