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2007.10.16

やっと、を二題

やっと、群像11月号を買った。
というか、買えた。

発売日の7日、近所でいつも買う書店には、既になかった。
(発売日を過ぎても、最後の1冊くらいは必ず手に入るのに。)
数日、買うのを忘れていて、はっと気がつくと、神田の三省堂、東京堂などにも軒並み在庫がない。ジュンク堂も同様。

すぐに在庫がなくなったのは、埴谷雄高『死霊』構想ノート発見、だろうな、やっぱり。
というか、死せる孔明、生けるなんとやら、なんて言葉が思い起こされたり。

***

ノーベル文学賞が、ドリス・レッシング氏に決定した。

アサヒ・コムの記事(10/11)

御年87歳。やっと、というべきなのか。とにかくびっくりした。ハロルド・ピンターのあとに、この方ですからね。
イギリス文学重鎮だが、日本語訳された作品は意外に少なく、しかも大手出版社はほとんどない。
何度か候補になってもらい損ねていることを評して「SFばりの作品を書いたからエンターテイメイント寄りと見なされてるんだ」みたいな酒場での悪口を聞いたこともあり。

かくいう私自身、短編傑作選で読むばかり、ちゃんと長いのを読んだことがないので、えらそーなことはいえない。
でも、訳出されている短編は、すてきなものばかりだった。淡々とした語り口、ちょっとシニカルでニヤッとさせられる視点と観察力。
イギリス文学って日本人好みは少ない印象を受けるけど、この方の短編に関して言えば、夏目漱石、芥川竜之介のラインが好きなら、気に入るんじゃないかな。

そういえば、さっと手に入るのが、白水社Uブックス「イギリス・ユーモア文学傑作選 笑いの遊歩道」に収められた短編、「歓び」。
代表作と言われる「黄金ノート」などの長編は、手に入らないようだ。
他に、図書館で借りやすいのも、短編傑作選や、最近訳出された長編「ラブ・アゲイン」みたい。
(大きな書店では「ただいま増刷中、入荷次第」などとも書かれていた。)

いずれにせよ、チャーチルが受賞したくらいである。よくわからん、政治的な賞ではある。
もっとも、政治的でないのに話題性のある賞なんて、ないんだろうけど。

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