文學界4月号の大座談会
発売後だいぶ経ってしまったが、文學界4月号(3月7日発売)に掲載の大座談会「ニッポンの小説はどこへ行くのか」。
50年前に文學界で行われた座談会を踏まえて、企画されたもの。2部構成になっており、途中に50年前の座談会の解説記事がある。
出席者は岡田利規、川上未映子、車谷長吉、島田雅彦、諏訪哲史、田中弥生、筒井康隆、中原昌也、古井由吉、山崎ナオコーラ、そして司会の高橋源一郎。
なお、高橋源一郎は最後に司会者として後記も執筆。
なかなかおもしろいです。
こういう時は、誰がどう言っていて、正しいのは誰か、というのは意味がない。
むしろ、作家は一人一業態であり、しかし作家という括りはある、という(当たり前の)ことが再確認されること、また今それはどんな状況にあると参加者が認識しているかも確認できる、ということが大きいのだと思う。
古井由吉は役者だなぁとか、車谷長吉は中原昌也より太い面があるなぁとか、川上未映子の言ってることは割合クールでクリアでわかりやすいのに対して、山崎ナオコーラはそうでもないんだけど率直に語っていてこれはこれでおもしろいなとか、筒井康隆が中間小説の消滅に比してラノベはずっとましだと言い、ハルヒの力量をはっきり認識しているなとか、まぁ読んでみる価値はあります。
でも、これだけの人数が揃って行われたのだから、原稿として整理される前に飛び交った言葉もあったろうし、そのあたりの粗密などもなんとか活字にならないかな、とも思う。
願わくば、参加者にちょっとずつ文を寄せていただいて、単行本にしていただけるとうれしいな、というところ。
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント