« 東京国際ブックフェア短信 | トップページ | 小川洋子の変化?(文學界8月号) »

2008.07.16

iPhoneの読書端末化はどこまで可能か

iPhone 3Gはやたらと注目され、買った人々はそれぞれ大絶賛から戸惑い、落胆まで様々なトーンがあちこちで繰り広げられているようだ。
どちらにせよ、こんな勢いで注目されるのは、日本ではi-modeの登場以来だろう。
というより、Appleの唯我独尊的な商法と、それに乗っかったソフトバンクといい、世間の加熱ぶりといい、i-modeの巨大な箱庭的閉鎖空間をチラチラ連想したりしなかったり。

***

先日の記事(東京国際ブックフェア2008)で、iPhoneが電子書籍プラットフォームになる可能性について、少しだけ考えてみた。
しかし、デジタルコミックの試験配信は既に始まっている。iPhone/iPod touch向けのアプリケーションソフトを配信するiTunes Store内のAppStoreで、無料配信中(7/16現在)。

セルシスがiPhone向けの電子コミックビューアを開発したことは発表されているし(ケータイWatchの記事、7/9)、ソノランブルーが同アプリを用いた「ケロロ軍曹」第1巻の配信を始めた。BbmfもiPhone向け電子コミックに名乗りをあげている(ケータイWatchの記事、7/15)。
日本語の電子書籍だと、とりあえずは青空文庫から落としたデータをazur経由でiPhone向けにするか、Touch the Skyといったアプリケーションを活用する方法などがあるが、商用はまだのようだ。
(電子辞書として、ウィズダム英和/和英辞典が物書堂から出ているのは、よい意味での例外か?)。
海外では電子書籍としてAppEnginesがビューア付きデータの販売を始めている(英文学の古典が中心)。

ただ、AppStoreで販売/配布できるのは、基本的にアプリケーションだ。電子コミックや電子書籍も、それぞれの書籍に応じたビューアが個別に配布されているようなものである。
共通のビューアがあって、そこに読み込むための読書データを(iTunesの音楽のように)販売する形態ではない。
いろんなビューアが乱立するのは、長く読めるデータの販売という面では、あまり好ましくない。
一方で、AppleはiPhone/iPodの読書端末化に熱心なようには見受けない。さらに、FlashやJavaのような、定着している業界標準を無視することが出来る会社でもある。
このあたりが「iPhone=電子書籍ビューア」としては、ちょっと不安なところ。
ユーザや開発者、コンテンツ提供者が動くうちに、いい方向でプラットフォーム化が進むと、新しい発展があるように思える。(もう少し考えてみたい。)

|

« 東京国際ブックフェア短信 | トップページ | 小川洋子の変化?(文學界8月号) »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/16751/41880904

この記事へのトラックバック一覧です: iPhoneの読書端末化はどこまで可能か:

« 東京国際ブックフェア短信 | トップページ | 小川洋子の変化?(文學界8月号) »