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2009.04.21

結局Sunを買ったのはOracleだった

20日の夜から21日の0時すぎに渡り、ニュースが飛び込んできた。
データベースおよびアプリケーション向けミドルウェアの雄であるOracleが、サーバーとOS (Solaris)、開発言語・実行環境 (Java) を持つSunを買収した。
日本語はこのあたりが便利かな。


ITmediaの記事(4/21)

Cnet Japanの第一報(4/20)、買収までの経緯(4/20)、電話会議の速報(4/21)

3月からIBMに買収されるという噂が流れていたSun Microsystemsだが、先週は価格面で折り合いがつかなくなったという記事が出ていた。その最中に流れたニュースだった。

個人的な印象だが、IBMに買収されてうまくいくのかと感じていた。いわゆる金融アナリストらの意見には、IBMによる買収以外にいい方法がないようだ、といった趣旨をよく見かけたが、基本的な企業文化があまり違う。
逆にいえば、金融アナリストらにとっては、IBMのような落ち着いた企業のほうが、今後のJavaやSolarisの行方によい、と映ったのかもしれない。

Oracleとは割合うまくいっていた時期が長かった(いつもうまくいっていたわけではないが)。それに、同じ西海岸の企業同士、Appleにも通じるような感じられる、業界のギャングスター的な気質とも通じるものがある印象を持っている。
その意味では、IBMも大きな候補だが、本命はOracleだったのかもしれない。いわゆる「リークされた買収先はたいてい本命ではない」というヤツである。

***

それにしても、だ。
Sunは数多くの分野で、単に現場の必要性だけに応えるのではなく、少し先の世界を見つめて、ヴィジョンとともに技術のあり方をとりあげ、それを反映した製品として提供してきた。

Bill Joy直系のUNIXから発展してきたOS、Solaris。プログラマーにしてサイエンティストのJames Goslingから生まれたJava。
また、SPARCチップにより、1980年代後半からUNIXサーバーのあり方に革命を起こした。現在もNiagaraチップで性能向上を続けているが、ここはGoogleのような企業の手法にひっくり返され、グリーンIT運動の中で新たな路を模索している。
さらに、ストレージ関連製品やソリューションなどについても、影響力ある製品を出荷している。

こうした製品群は、コンピューターサイエンスの勝利を踏まえて開発されている雰囲気が、今でも漂う。
そして、Sunが1990年代から2000年代初頭まで華やかな力を振りまいてきたのは、現場で培われた(ともすれば小手先の)テクニックだけでなく、本質的なエンジニアリングの勝利によって、幸福な生活に近づいていく、という方向に、多くの技術者が共感と反発の両方をもって接してきたからだろう。
JavaはいまでこそCOBOL屋が学ぶべき言語になったが、コンピューターサイエンスの発想が勝利をおさめた典型ではないか。(もっともそのために、現場で採用されるにつれて、面倒な開発手続きや知識がなくても扱える方向に、ユーザからの圧力によって、変わりつつあるが。)

そんな会社の商売が苦しくなる、というのは、さみしいことである。
ただ、先端だった技術が一般化するというのは、そういうことでもある。

Oracleはどうするのだろう。SunはOSと言語・実行環境のようなソフトウェアだけでなく、ハードウェアも開発・販売している。それらをすべて、Oracleやミドルウェア群と統合して製品化していくのか。ハードウェア事業を切り離すのか、しかしわざわざ買収した以上、それは考えにくい。
なにはともあれ、Dukeはまだ引退しないでほしいな。

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