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2009.06.21

新オリエント楽派Liveの感想を今頃

Macがアレしたりして、ちと気分がのらなかったけど(いや更新回数はもともと少なめだけどさ)、戻ってきたし、そろそろ復帰を。

6月3日、平日の夜に、一風変わった音楽を聴いてきた。
新オリエント楽派2009ムジカーザLIVE。

新オリエント楽派の公式な情報は、こちらをどうぞ
作曲家の笠松泰洋氏がギリシャ劇「エレクトラ3部作」(王子ホールの委嘱作品)で集めた方々を中心に結成された、室内楽編成の楽団。というより、バンドと呼ぶほうが、性格をよく表しているかも。だから、コンサートではなく、LIVE。
クラシカルな音楽教養を身につけた方、中近東や中央アジアの古典音楽を身につけた方が集い、地中海から中近東を経て中央アジアにまたがる様々な音楽語法を掌握しながら、響きを紡いでいく。
ちなみに歌姫は、古楽ほか様々な分野のソプラノとして活躍中の広瀬奈緒氏。

会場は代々木上原のムジカーザ。室内楽には理想的な会場だが、120名ほど収容可能なホールはほぼ満杯。
取り上げた曲は、オリジナルとしては笠松氏ほか、ヴァイオリンの室屋光一郎氏、サズ&ウード&歌の大平清氏の曲。また、ギリシャ、トルコ、モロッコ、アゼルバイジャンの民謡や伝統音楽。器楽曲が多いが、歌も含んだ多彩な響きだ。
耳にすると、乾いた青、さらさらした土色、はっとする紅など、様々なイメージが去来する。

こういう音楽は、聞きやすさに流れると、懐かしいだけの単調なBGMに成り下がる。かといって、現代音楽へのトッピングに異国の音を持ってくるだけでは、悪しき意味での「現代音楽」にも成り下がる。意外に難しい。
このバンドは、ギリシャ劇を換骨奪胎して現代の音楽劇に組み直す、という共通の体験があるためだろう、矜持がはっきり感じられる。

世界中の音楽をCDやネットで聞けて、同時多発的におこる様々な出来事も感じ取れるメディアとネットがある。
そんな世の中で、かつて地中海・中近東から中央アジアにかけて、文化の出会いと融合から様々な音楽が生まれていったように、今の自分たちならではの響きを追い求めるとどうなるか。
たとえば、4拍子と3拍子などは普通の整っている拍子、5拍子や7拍子を「変拍子」とよくいうが、世界中を巡ってみれば実はとても身体にしっくりくる形で5拍子を扱う地域も多い。またノイジーな響きが加わるほうが美しく感じられる、伝統的な楽器の魅力。そういう音楽の感じ方はむしろ、今の我々にとって、自然なのではないか。
そんな印象を、強靭な音楽的教養の中で消化していく強い意志。

これがあるからこそ、単なる癒しではない、独特の響きになっている。
また、そんな彼らだからこそ、オスマン・トルコ時代の軍楽隊の音楽「ジェデデン・デデン」をやっても、単なる伝統芸の再現にはならない。

クラシック音楽が、のだめやらコンクール優勝者やらで話題になっている今だからこそ、聞かれるべき音楽だ。

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