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2010.02.03

いまさらだがiPad

1/27(日本時間では1/28深夜)、Apple, Inc.から新製品 iPad が発表された。

ITや家電関連のニュースサイトで取り上げられているし、ブログにも様々な感想が書かれた。
いまさらではあるのだが、ちょっと気になったことをメモしておく。

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B5大、通信機能内蔵の情報端末であり、iPhoneゆずりの操作感を大画面にあわせて拡張している。また、iPhoneアプリはほぼそのまま動作し、1024×768の9.7インチディスプレイを活かしたiPadアプリを開発することも可能。
製品の写真や仕様は公式サイトで確認できる。

ただ、写真だけで済ませるのではなく、そこにある紹介動画、あるいはJobsの基調講演録画も観るべきだ。
というのは、写真だけでみると「太って不格好になったiPhone/iPod touch」としか思えないのに、動画をみた途端に「あぁなるほど、リビングなどで寛ぎながら使う情報機器として、手の位置も考えた上でのデザインなんだ」と認識が変わるから。

手で触れるための機器は、持った際にどのような感触になりそうかがわからなければ、評価のしようがない。それに、Appleの機器は多くの場合、写真と実物で印象が異なり、実物のほうが好印象になることが多い。
iPadがどうなるかは、3月下旬のWi-Fiモデルの展示を見てからでないとわからない。ただ、現在のところは悪くなさそうな印象だ。

一つ、大事なことがある。
このデバイスは、電子書籍端末でも、携帯電話でも、PCでもMacでもない。いずれの機能を代替することが可能だとしても。
真新しいカテゴリーの製品だととらえたほうがいい(実機を見ないと詳細はわからないにしても)。

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発売前、WSJ (Wall Street Journal)やNYT (New York Time)等にタブレット型マシンのリーク記事が流れ、発表直前に米国の大手出版社幹部もその存在をほのめかしたためか、AmazonのKindleとの対比で語られることが多い。
新聞や週刊誌など一般向け記事は、iPad発表後も同様の枠組みで書いた記事が多い。

一方、ITや家電のニュースサイトでは、iPadとともに始まるAppleの電子書籍ビューアiBooks、電子書籍販売のiBookstoreについて、すぐに「iBooksは米国以外ではすぐに立ち上がらない」という点に触れている(たとえばITmediaの現地リポートコラム)。
それ以外でも、まだ発表されたばかりで、どのようなサービスが発売時に提供されるかも不明な点が多い。

とはいえ、何より大きいのは「電子書籍はiPadの一部」ということ。
Wi-Fiを備えているから、メールやブラウジングはもちろんのこと、3G(第3世代携帯電話)のSIMを挿入すれば、iPhone同様に電話もできる。
画面の大きなiPodとして使えるし、このサイズなら写真や動画も見やすくなる(ISP液晶を使っており、視野角も広いだろうから、皆で眺めることも可能だろう)。
ビジネス向けからゲームまで、大量のiPhone向けアプリが動作する。
iPad向けアプリとしては、いわゆるオフィス・ソフトにあたるiWork for iPadがAppleから提供される。ワードプロセッサ(Pages)、表計算(Numbers)、プレゼンテーション(KeyNote)から成る。Macのそれと同様の構成であり、仕様も似ているなら、WordやExcel、PowerPointの文書も読み込めるはずだ。

つまり、Mac/PCに近い機能を持つが、より家電的な使いやすさを目指した情報端末であり(だからiPhone OSを採用しているのだろう)、音楽や静止画・動画のメディアビューアとしての機能も充実している中に、電子書籍が入ってくる。
逆に言えば、書籍を読んだら、ノートをとって考えをまとめ、それをメールで送って仲間の意見を聞く、必要なら電話をかけながら、といった使い方が可能になる。
Amazonのような単機能の電子書籍端末とも、PCのような汎用マシンとも違う。
コミニュケーション、文書やデータの取り扱いを、より簡素にスマートに行うためのマシンだ。

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それに、大きさや形も、これまでのモバイルPCや携帯電話、PDAなどとはまったく異なる。

私が思ったことは、
  iPhone = 手帳サイズの、
    携帯電話と情報通信端末の融合
  iPod = 大学ノートサイズの、
    情報通信端末、電話や書籍も融合可能
ということ。

たとえば、手帳で長文を書くのはあまり現実的ではない。ノートや原稿用紙を使うだろう。
逆に、短冊程度の情報なら、手帳サイズのメモに残したり、人に送るなら携帯電話のメールでさらりと送るほうが楽だ。

また、書籍なら文庫本サイズでもじゅうぶん楽しめる。
逆に、自然やペット、モデルのグラビアが載る雑誌なら、B5程度のサイズがなければ楽しめないだろう。

さらに、動画を見る際、子どものホームビデオ、また大人でもホームパーティの記録程度なら、iPhoneの画面でもそこそこきれいにみることができる。
逆に、購入したHD(フルハイヴィジョン)の映画、ホールを借りた演奏会の記録ビデオなどは、iPadくらいの大きな画面で、しっかりした映像を見たくなることもあるだろう。

つまり、扱うデータの種類によって、それに適した画面や入力装置のサイズがある、ということ。
そして、Appleはそれを、iPhone/iPad/MacBook+iMacというラインで揃えた、ということではないか。

***

iPhoneはどちらかと言えばデータの作成よりも、コミニュケーションや大きくないデータ作成に重点を置く。
MacBook以上ならば、業務としても家庭用としても、処理能力とストレージのサイズが許す限り、様々なデータを作成し、閲覧できる。

iPadは、出先でリッチな閲覧環境を得る一方、長時間でなければMacに準じたデータ作成環境を提供できる。メールやWebも、iPhoneより大きな画面で、より伸びやかに使える。
いや、インターネット環境としてはiPadでも十分であり、それ以上のことをやる場合にMacを持ち出せばよい、というメッセージにもみえる。そして、持ち歩いて使う、あるいは家庭内でもソファなどで寛ぐシーンを想定し、iPhoneの操作体系を持ち込んだ。
また、書籍もこれくらいのサイズを想定したいし、雑誌や写真集としても有効だ、という含みもあるだろう。

さらに、ノートPCの形をとらなかったことの利点は、ディスプレイが相手との壁にならないこと。
iPadなら、壁は存在しない。MicrosoftがTablet PCを発売した時、ヘビーユーザの間で言われていたことだが、iPadはそれがより徹底されることになる。
(ちなみに、タブレット型マシンは、今年各社が試作機を一斉に発表している。製品レベルでの大々的な発表は、Appleが先陣を切った形になった。)

これまでの技術のよいところを寄せ集めつつも、製品のパッケージ、使用イメージとして、まったく新しい製品カテゴリーである、というのが一番順当だ。
もっというなら、みるべきデータに適したデバイスを選択し、高価でないものを複数所有することで、文房具を使い分けるような世界がやってくるのではないか、ということ。
まぁ実際にどうかは、iPadが発売されてからの話だが。

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