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2011.01.20

年頭のApple、めでたいこととそうでないことと

AppleのCEO、Steve Jobsが三たび入院することが報道されるや、株価が下がった。一方で、ホリデーシーズンにおける空前の好決算が発表されたこともあり、株価を戻している。
さらに、このことが業界紙や経済紙だけでなく、朝日新聞のような一般紙にまで及んでいるところから、非常に注目されていることもよくわかる。(たとえばアサヒ・コムの1/20の解説記事を参照。)

Appleの現在の活況を実現したのが、Jobsの力によるところが大きいのは、もはや周知のこと。
ただし、Appleが何をやっても成功してきたわけではない。
Jobsが戻る前、AppleはSun MicrosystemsやMicrosoftなどが買収を考えるほど業績は低迷しており、ハードウェアのラインナップが乱立するばかりで、OSの現代化もうまくいっていない状況だった。そこにJobsが戻り、iMacで最初の改革の糸口を見出す。ただし、PowerMac Cubeという立方体のデスクトップマシンは(玄人の評判を呼んだものの)商業的には失敗している。
iPodが最初に出た頃、これが本当に意味のある製品なのかと首を傾げた人々はたくさんいた。3年ほどの熟成を経て、爆発的な普及に繋がった。出せばなんでも話題を呼ぶ今とはだいぶ環境が違っていた。
iPodの大成功、Mac OS Xの確実な進化をテコに無借金経営となり、身軽になった頃から攻めの姿勢が目立っている。いい製品を、買いやすい価格帯で販売するようになってきた。その先に、iPhoneやiPadがやってきたと言える。
ただし、iPod躍進の頃、Hi-Fi再生向けのスピーカーシステムを販売して、ひっそり製品を終了させるなど、必ずしも成功に結びつかなかった製品もあった。クラウドサービスMobileMeも、いまだにうまくいっているか微妙なところだと思う。
とはいえ、成功がとてつもなく大きい。そして、失敗した製品群も含め、独自の視点に裏打ちされていると感じられるからこそ、Appleの製品には魅力があると感じられる。

そこにはおそらく「Jobsのオーラ」とでも呼ぶべきものを感じ取っているのだろう。

ただ、今のAppleの陣容は、短期的にはJobs不在でも廻るくらいの状況にあるのではないだろうか。
UIに関しても、おそらく彼が直接口を出さなくても、Appleカラーとでも呼ぶべきオーラをまとわせることが可能な人材はいるはず。
彼が何らかの理由で離れて、たとえば3年とか5年を経た頃、魅力あるビジョンを掲げる人が引き継げるかどうかとなると、また別だが。
個人的には、今すぐiPhoneがひどい状態になると困る、ということもあるのだけれど、それはまぁ大丈夫だろう。

そういう意味では、SONYへのリスペクトを隠さなかったJobsの最後の仕事は、カリスマ経営者亡き後のSONYのような状態に、Appleをしないこと、に尽きるのかもしれない。

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