« 文学フリマ、来場御礼 | トップページ | かの国の暴動に思う »

2011.06.21

ThingsのTips

GTDベースのソフトウェア、Thingsは、当ブログで時折取り上げてきた。
Mac版、iPhone/iPod touch版、iPad版がそれぞれある。

今年の2月初旬のアップデートで、すべての版に対して、繰り返し処理に関するアップデートが行われた。
一番大きな変更は、iPhone/iPod touch版、iPad版の両モバイル版でも繰り返しタスクの追加や変更が可能になったこと。

長らくフルセット版と言えるのはMac版だけであり、Macで設定や追加などを行い、iPhoneは出先での作業を行い、必要に応じて同期する状況だった。この変更により、モバイル版でも重要な機能をほぼ実装出来たことになる。
個人的には、タスクのキャンセル(設定したタスクを完了チェックせず、そのタスクがなくなったものとして扱う機能)がモバイル版ではまだ実装されていないことが残念。
とはいえ、機能的には他のGTD / To Doソフトウェアと比べて見劣りする部分はほぼ解消され、モバイル版の単体運用も可能なレベルに達したと言える。

開発しているCulturedCode社は現在、クラウドへのバックアップ機能に注力しているようだが、そのβ版の募集が5月に始まった矢先、AppleからiCloudが発表された。Appleの動き次第でまた変化があるのか

ただ、Thingsはシンプルさを保つために、独特の使い勝手になっている。

***

通常の使用については、GTD (Getting Things Done) の考え方を導入しているため、他のGTDベースのソフトウェアと大きな違いはない。
まずは「InBox」にやるべきこと/やると決めたこと/思いついたことなどを、To Do項目としてどんどん追加する。(一つのTo Do項目を、1タスクと称することも多い。)
追加した項目は、期日の設定により「今日 (Today)」または「次 (Next)」へと分類される。これは自動的に行われる。
また、分類のためにプロジェクトを作成し、そこにデータをどんどん放り込んでいく。これは手動で行う。もしくは、最初からプロジェクト内にデータを作成してもいい。
直近にやる予定はないが、いつかはやりたいと思っているような項目は「未定 (Someday)」に入れておく。

そうして、まず「今日」に入っている項目から実行し、終わったならチェックを入れて終了とする。
もう「今日」の項目がなくなったなら、「次」にある項目を実行して、終わったものはチェックを入れていく。
終了した項目は、ログブックに放り込み、目前には現れないようにする。そのタイミングは、その都度手動で行うことも、一日一度自動的に行うことなどが可能で、設定で選ぶことができる。

週に一度、実行の様子や、残っている項目をみながら、レビューを行う(週次レビュー)。これはThingsに特定の機能があるわけではなく、現在のThingsのデータをみながら行うことである。
やることは、プロジェクトの状況が適切か、「未定」にあるものを実行出来るタイミングにあるか、ムダに積み残したものは一度リセットするつもりで消した方がいいか、不足はないか、項目として書かずにいてすっきりしていないことがあるか、などを見極めること。
レビューによる観察と内省を経て、次週の動きをおおよそ決めていくことになる。
また、こうしたレビューを通じて、より長期的なスパンで考えるべき事柄(数年後にとっておくべき資格など)に近づいているかを確認し、プロジェクトやTo Do項目でより効果的な目標設定を行っていく。

Thingsはこうした流れで使うことになり、筋道はGTDの考え方に沿っている。

変わっているのは、プロジェクトに階層構造がないこと、また、エリア (Area あるいは Area of Responsibility) という分類があること。

***

CulturedCodeのスタッフは、プロジェクトは期限を設けるか、明確な期限がなくても一定の事柄を成し遂げれば、完了したものとしてログブックに放り込まれるもの、と位置づけている。
プロジェクトの中に置けるのは、To Do項目のみである。プロジェクト内に、プロジェクトを配置することは出来ない。

一方、エリアは、プロジェクトのように完了することのないもの、という位置づけになる。
たとえば、仕事という長く続けなければならないこと、家庭での役割のように、大きな生活の変動がない限りは終わらないものを、エリアとして分類することになる。
エリアには、プロジェクトを置くことも、To Do項目を置くことも可能であり、混在させられる。

そうなると、会社での仕事、副業としての仕事、家庭生活、趣味といったものは、エリアとして分類することになる。
そして、会社で担当しているプロジェクト、部門内の改善活動などは「会社での仕事」というエリアの中にあるプロジェクト、ということになる。
また、趣味の音楽に関して、来年5月に行うライブに参加、というイベントは「趣味」あるいは「音楽」というエリアの中のプロジェクト、ということになる。

エリアの下位にプロジェクトを所属させることが可能なため、一応これがプロジェクトをまとめる手段ということになる。一階層のみのまとめが可能になる。
複数の階層に分類させることは出来ない。おそらくこれは、開発者達がシンプルな使い勝手を追求しており、そこまで複雑な階層をとるような方式を好まない、ということなのだろう。

私はこの仕様に大きな不満は感じていないし、簡素に扱えるのはむしろ歓迎である。ただ、人によっては、プロジェクトをさらにグループ化して「きれいに」分類したい、と思うかもしれない。このあたりは好みの問題だと思う。

このエリアの概念を理解しておかないと、Thingsにおける繰り返し項目の設定に戸惑う可能性がある。つまり、実は大事な概念ということ。

***

Thingsで日/週/月などの頻度で繰り返し項目を設定する時には「予定済み (Scheduled)」で行う。

この時、作成した繰り返し項目を、特定のプロジェクト内に置くことは出来ない。
一方、繰り返し項目を、エリアの中に置くことは出来る(エリアはTo Do項目を置くことも出来ることを思い出すとよい)。

この仕様の意味はおそらく、繰り返し項目に期限があるとは限らないため、期限が存在すべきプロジェクトには繰り返し項目を入れない、ということだと考えている。(例:毎月第2火曜日に不燃ゴミを出す、という項目があるなら、その地域で生活する限りほぼずっと続く、ということ。)
逆に、エリアには期限がないため、そこで繰り返しを設定することは問題ない、ということでもあろう。

ただ、繰り返し項目に期限を設けることは可能だ(4/1開始で、9/30まで毎週行う、といった形)。
期限を持った繰り返し項目はプロジェクトに配置出来てもいいように思うのだが、それを許可すると、プロジェクトに置ける項目と、そうでない項目が出て、人によっては混乱するだろうし、複雑になる。わかりにくい設定を避けるために、このような仕様になっていると受け取っている。

ちなみに、繰り返し項目の設定で使う「予定済み」には、他の用途もある。というか、こちらがメインの用途である。

***

予定済み」に配置する項目は、必ず「何年何月何日」という日付を設定する。
この日付がきたら、項目を「今日」に移動するか、ハイライトをつけることになる(どちらにするかを選べる)。

To Do項目の中にも日付があるが、これは期限、つまり終了予定日である。

「予定済み」で設定する日付は、開始予定日ということになる。
これを設定すると、「今日」にも「次」にも表示されなくなり、「予定済み」の中で、設定された日付までじっと待っていることになる。
そうして、日付が来ると「今日」に移動したり、ハイライトが当たったりする。

この設定により、「今日」や「次」の中に大量の項目が並んで、やることが多すぎてやる気が失せてしまう(苦笑)、ということは起きにくくなる。

(もっとも、項目を消化していけずにたまると、やはり項目が増えてしまう。この場合は週一度のレビューを待たずとも、適宜レビューを行う。その際、人に委譲出来る部分は委譲してしまう、多すぎると感じる項目は思い切って減らしてみる、などにより調整する。)

***

というわけで、えらく長いエントリーになったが、自分のための整理とメモを兼ねて、出してみた。

[追記]
公開後、文章や言葉を補足・修正した。(2011/06/21)

|

« 文学フリマ、来場御礼 | トップページ | かの国の暴動に思う »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/16751/52004783

この記事へのトラックバック一覧です: ThingsのTips:

« 文学フリマ、来場御礼 | トップページ | かの国の暴動に思う »