2012年 春の文学フリマ、絶対移動中に参加します
今年も春の文学フリマが近づいてきました。
- 日時:2012年5月6日(日) 11時〜16時
- 会場:東京流通センター 第二展示場(E・Fホール)
東京モノレールに乗り、流通センター駅で下車、徒歩1分。
開催の詳細は、文学フリマ 公式ページもご覧ください。
私は例によって、有村行人として絶対移動中に寄稿・参加します。
絶対移動中のブースは、E-39です。
今回の新刊、絶対移動中 vol.11。
主宰からのテーマは「リアクション」です。
これは、過去に文学フリマで出された作品から選んで、それに対するリアクションとなるような作品を書く、というもの。選んだ作品への批評でも、テーマや企画に関連する創作でも、または評論でも詩歌でも、どのような形式でもいいので、作品へのリアクションとなるようなものを書く。
つまり、これまでのように、提示されたお題に対して、好きに書く形とは違う企画となりました。
(どうしてもそれが難しい場合は、従来通り「リアクション」をお題に好きに書く、という選択も出来たのですが、私は新しい企画を選びました。)
そして今回は、有村行人「マンデリン、または孤独のグルメ」という短編小説を寄稿しました。
何に対するリアクションかというと。
サークル 屋上キングダムが2010年秋に刊行した作品集「喫茶キングダム」に収録されている、辻一郎氏の短歌「バタートースト」に対するリアクションです。
「喫茶キングダム」は、喫茶をテーマにした創作集で、小説、短歌、随筆、ルポが文庫サイズに詰まっています(王国文庫というシリーズになっている)。
辻一郎氏の「バタートースト」は、喫茶店を巡りながら百首短歌を作る、という企画でした。実際に存在する喫茶店(いわゆるカフェではない)に身を置き、印象や思いが次々に詠まれていきます。
この企画には以前から興味があったため、喫茶店を巡りながら掌編小説を連作していく、をリアクションとしました。
(私がコーヒーも喫茶店もカフェも大好きで、口実に廻りたかっただけ、というのはとりあえずおいといてくださいませw)
小説の連作であるため、全体を通じた緩いストーリー、というより流れがあります。このため、頭から読むほうがいい読み物になりました。また、小説として登場人物を設定し、彼が巡る形になるため、作者自身のことを直接描いてはいません。
創作散文という形式から、似たことをやりつつも、印象は異なるものになったと思います。
さらに、現実を踏まえつつも、創作としての発想を活かすため、一軒だけ架空の店を設定しました。
モデルとなる店は一応ありますが、複数の店のイメージから作り出したものなので、どこかは明かさないことにいたします。
その一軒以外はすべて実在する店であり、実際にコーヒーを飲んでいます。中には必ずしも肯定的にみえないケースもあるかもしれませんが、これは登場人物の状態や状況と連動している記述であり、創作上の流れで出てきたことです。店の評価として記したわけではありませんし、どの店も魅力がありますので、そこは誤解なきようお願いいたします。
もう一つ、リアクションがあります。
タイトルにあるように、久住昌之・作、谷口ジロー・画のタッグによる名作コミック「孤独のグルメ」へのリアクションにもなっています。
「孤独のグルメ」は、2012年1月〜3月にテレビドラマ化されたので、記憶に新しい方も多いことと思います。
この名作に対しても、パロディというより、リアクションと言える形にしたつもりです。
さらに、当日配布するフリーペーパーにも「マンデリン、または孤独のカフェ・零」という、本編への導入となる500字の掌編小説を寄稿しました。
まずはこちらを受け取って読んでみるもよし、立ち読み歓迎ですので直接本編をご覧になるのもよし、お楽しみいただけたら嬉しいです。
G.W.の最後の日、文学フリマにて、活字の歓びをともにいたしましょう。
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