書籍・雑誌

2009.06.03

梅田氏の「残念」なインタビュー

すてきな音楽を聴いて来たのだけれど、それはまた明日以降に。

ITmediaが梅田望夫氏へのインタビューを掲載した。
  前編後編

しかし、「シリコンバレーから将棋を観る 羽生善治と現代」の出版記念で行われた対談で、将棋については後編の後半くらいしか使っていない、というのも、なかなかすごいインタビューではあるが(苦笑)、それはさておき。
[補足] ちょっと皮肉っぽい口調だけど、別に「だましうちだ」などと思ってるわけではないからね。むしろ、後半の将棋のことも含めて、聞きたいことをよくここまで踏み込むもんだと思ったから、触れたのです。

***

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2009.04.28

第13回 手塚治虫文化賞…

いささか旧聞に属するが(もう一週間以上前)、第13回手塚治虫文化賞の結果が発表された。
毎度のことながら、まずは公式サイト。(今年はすぐに書かなかったので、最新の内容になっています。)

大賞は、よしながふみ「大奥」および、辰巳ヨシヒロ「劇画漂流」で、2作品同時受賞。
新生賞は、丸尾末広「パノラマ島綺譚」。
短編賞は、中村光「聖☆おにいさん」。

ちなみに、他の候補作(ソースはこちら)。
くらもちふさこ「駅から5分」
五十嵐大介「海獣の子供」
さそうあきら「マエストロ」

***

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2009.03.13

スピーチ全文付きの、村上春樹インタビュー@文藝春秋

先日行ってみた都立日比谷図書館は、特別に混雑することもなく、淡々といつものごとし。
書架の図書は、大量に戻ってきているようだ。貸出中が多いあの本やこの本も、いまならオッケー…
返却が間に合うかも、読み終えるかもわからないので、貸出はしない。大きな事典類や古い資料など、図書館ならではの調べものをして、出てきた。

それにしても、3/8 (日)から花粉アレルギー発症中。
鼻水も出るけどむしろ、目がかゆい、重い。
木曜は小休止みたいだったけど、今日からまた増えている。体調のせいなのか、花粉増量のせいなのか。たぶん両方だな。

***

文藝春秋4月号に、「独占インタビュー&受賞スピーチ 僕はなぜエルサレムに行ったのか 村上春樹」が掲載されている。
COURIER Japonにも掲載されているが、文藝春秋は村上春樹本人によるスピーチ原稿(日本語と英語)あり。

ちなみに、記事には以下のようにある。

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2009.02.02

読み始めたのはいいが、並行して

昨年の夏に日本語訳が出たリチャード・パワーズの小説「われらが歌う時」をやっと読み始めた。(英語の原著は2003年に出版されている。)
上下2巻構成、各巻500ページを優に越える大作。
書き出しでダウランドの歌が流れ出すあたりからすでにただものではない。

それはいいのだが、並行してメアリアン「イカとプルースト 読書は脳をどのように変えるのか?」にも手を出した。昨年秋に出版され、入手しにくいと思っていたら、この1月に新しい刷が出ていたもので。
こちらは学術的知見を踏まえた新しい展望の書物。ディスレクシア(読字障害)の研究を通じた知見から、人がいかに文字を獲得したのかに発して、今後のメディアの発展に応じて読書がどう変わっていくかまで、といった広い範囲を扱っている。
こちらも非常におもしろい。

どちらも非常にワクワクさせられる出会いで、どちらも厚い…
まぁとにかく、自分のペースで読んでいこう。

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2009.01.18

小川洋子×若島正の対談

文學界2月号(2009年1月7日発売)に、小川洋子氏と若島正氏の対談が掲載されている。
もちろん小川洋子「猫を抱いて象と泳ぐ」の単行本発売にちなんで。
(ちなみに発売と同時にあちこちで話題になっているし、1/18の朝日新聞には鴻巣友季子氏の美しい書評も掲載されている。)

昨年の集中連載は読み応えがあり、一方でこれまでの作品とはどこかトーンが異なる印象を受けてもいた(昨年、既に触れた)。

それでもやはり「小川洋子の世界」である。たとえば「博士の愛した数式」のような暖かいラストではなく、人としてどこか逸脱した主人公を、静謐さと正確さでもって、美しく残酷に描く、という意味でもそうだし、文章の彫り込みにおいて、相変わらずの濃密さもそう。

対談の相手は、詰め将棋およびチェスプロブレムの第一人者であり、ナボコフらの翻訳でも知られる若島正氏。
小川氏がチェスについてしばしば若島氏に相談したが、何より作者自身の取材と構想によって書かれる様子にもしばしば触れられている。
作品を読む際の補助線というより、チェスを巡る人について、二人で語り合う様がいい。当然のことではあるが、解説にならないので、安心して読めるし、楽しい。

一つ、私が目を引いた小川氏の発言。
「リトル・アリョーヒンは、生まれつき両親を殆ど失っているという設定でしたが、書き終わってみると、彼はチェスを通じて、マスターと総婦長という、「父親」と「母親」には出会えた話になりました。それはちょっとあまりにきれいにまとまりすぎていて、作者としては不本意なんですが。」

これに対する若島氏の応えはお読みいただくとして、やはりそう感じていたのか、と頷いてしまった。
ただ、マスターに父親が重なるのは当然として、総婦長という存在に出会えないまま亡くなるならば、この作品のラスト、あの見事なたたみ方はほとんど成立しないはず。
おそらく詰め将棋やチェスプロブレムがそうであるように、また数学や物理がそうであるように、どこかが通ると、どこかがちょっとだけ不釣り合いになり、その中で最善を尽くす手つきの美しさこそが、真善美を保証してくれるのではないか。
そしてそれは、人の生そのものでもあるはず。

さて、なんとか他の用事とのバランスをとりながら、ドナルド・キーン氏の長編評論にもとりかかろう。

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2008.12.30

もうすぐ2008年も終わり

自分なりに2008年を振り返っておこう(そんな時間があるなら他にすることが、などと考えるとかえってストレスたまるし)。

米国発のバブル崩壊が今年最大のニュースだろうな、やっぱり。
同時に、オバマを大統領に選出したことも、大きなニュースだ。あの、政治経済における史上空前の実験国家は、いまだに実験の途上にあるのだと実感させる選択。

世間的には北京オリンピックも話題なのだろうが、一度見逃すとなし崩し的に見損ねた。

***

むしろ、オリンピック開催中の夏は、えらく長い小説がバンバン出てきたのが印象的。

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2008.12.08

日本語が亡びるとき、読了

暖かい秋だったが、やっと冬のにおいのする日々がやってきた。
水村美苗氏の「日本語が亡びるとき -- 英語の世紀の中で」、先週やっと読了した。
11月に購入。新潮9月号(2008年8月7日発売)で前半3章が掲載され、既に読んでいたが、せっかくの単行本である、頭からゆっくり読んでいった。
他の章もあえてゆっくり読んだ。時には後戻りし、矯めつ眇めつ。

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2008.11.29

先月(2008年12月号)のアフタヌーンで

すでに次の号が出てしまっているのだが、これは触れておかねば。
2008年12月号(2008/10/25発売)の月刊アフタヌーンに、懐かしい作者が帰ってきた。
どれくらい懐かしいかといえば、10年以上前の連載の作者!

「酒場ミモザ」という作品が連載されていた。
作者はとだともこ(当時)。
京都の繁華街に存在した小さなバーのマスターをモデルに、様々な人間模様を描いた連載は、主人公の画学生が個展を開くところで完結した。(すてきな終わり方だった。)

私が主な京都名所を一人で巡り終えて、町中に関心を移した頃に始まった連載でもあった。京都ホテル建て替えが話題になったし、阪神大震災、オウム真理教事件などもあった頃のこと。
酒を嗜めないから店には行かなかったが、この連載に触発されてふらふら歩いたこともあったし、今でも単行本はきちんと保存している。
(現在、単行本も手に入らず、文庫化されてもいない。)

しばらく連載がなかったが、ほうさいともこ名義で帰ってきた。
「もりもり」という読み切り。
やはり京都が舞台、今度は居酒屋のお話。

こういう人情ものって、ビッグコミック系だとベタベタのお話になりやすいが、この方はもう少し淡く、それゆえに訴えるものがある。こんなものも載せるのは、やはりなんでもありのアフタヌーンならでは。(いまならイブニングなどもあるけどね。)
今回は読み切りのせいか、かなりわかりやすいまとめ方にしたのかな。でも、ペースをあげればもっと幅が出る話だと思う。
もったいないからぜひ連載にしてほしい、これは。

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2008.11.25

出ずっぱり(ET 2008、堀田善衛展、銀座、秋葉原)とメンテ(Mac)

たまには日記風に書いてみる。
20日から連休中は、毎日どこかに行く用事。
ことに、21日と22日は連続して横浜。そして、25日はインストール大会。

***

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2008.11.12

ABCは継続

ほとぼりが冷めた頃になってから触れることになるが。
青山ブックセンターの経営母体がブックオフになった。
(たとえば新文化の記事、11/4)。

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2008.11.09

雨の中、文学をたどって歩く

いきなり冬の気温になった。しかも曇り時々雨。
そんな中、第7回文学フリマに知人が出店しているので、行ってみる。
ほんとは秋葉原に見に行くものがあって、そのついでというのはナイショ(書いてるじゃん)。

第1〜2回が(倒産前の)青山ブックセンター本店カルチャーサロン。
第3回から今回までが、東京都中小企業振興公社 秋葉原庁舎 第1・第2展示室。
次回(来年5月)は、蒲田の大田区産業プラザPiOになる、とのこと。
つまり、最後の秋葉原の文学フリマ。

例によって午後2時半をまわってから到着。
いつもならまだ受け取れるはずのサークルガイドが、配布終了していた。
1階で、知人のブースの冊子を購入。
2階は「東浩紀のゼロアカ道場・第四回関門」と、知り合い同士のたまり場状態で、すごいことになっていた。
圧力の高い催し物が、このイベント全体としてプラスに働いているかは微妙かもしれない(しかし悪いとも思わない、後述)。

大塚英志氏の純文学不良債権論、笙野頼子氏の反論、それに対する大塚氏の「文学もコミックマーケットのような場を持てばいい」に端を発した文学フリマ。
第1回を企画したのは大塚氏だが、第2回からはその手を離れ、文章系マーケットとしては大きなイベントに発展した。
ただ、笙野氏の「文学にそんな心配(不良債権としてどうするか)はしていただなくて結構!」は(予想通り)正しかったのだな、という思いがある一方。
こういう場はむしろ、論壇的な場として向いているのかもしれない、とも思った。

実際、書評やサブカル評論は目立つ。
これは「アキバ」という場だったからではないだろう。みんなが読んでいるものが、ミステリーやラノベ、マンガやアニメ(それは視聴だ)になっている世の中だ。創作冊子より、評論やインタビューなどのほうがぱっと見て、内容をイメージしやすいだろうし、手にする人も多い。

ゼロアカ道場はうるさかったけど、そういう背景を考えれば、文章系のマーケットにおけるイベントとしては、むしろまっとうなのかもしれない。(地味に冊子を売りたい人は、迷惑してたみたいだけど。)
蒲田に移れば箱は大きくなり、こういうイベントは仕掛けやすくなるかもしれないとも思うから、前哨戦としてはいいのかも。

***

アキバで目的を果たしてから、雨のそぼ降る中、神保町へ移動。
東京堂書店に来ると、なんだかほっとする。
買い損ねていた水村美苗氏の評論「日本語が亡びる時 英語の世紀の中で」(筑摩書房)を、やっと購入。

今年8月、雑誌「新潮」9月号に掲載されたのは、前半の3章(既に触れた)。
その翌月から、翻訳家の鴻巣友季子氏は、文學界で連載中のエッセイ「カーヴの隅の本棚」にて3ヶ月連続で触れた(第31〜33回)。特に今月の第33回では、全文を読んだ上で「来月、水村氏にインタビューをする」と締めくくっている。

まだ最初の方を読み直している段階だが、これは読書する人間にとって、必読となる予感。
読み終えてから改めて触れたい。

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2008.09.28

文學界10月号にマンガ特集

更新をさぼっていたけど、文學界10月号(9月7日発売)の特集「マンガをブンガクする」は、もっと早めに触れるべきだったね(発売からだいぶ時間が経っちゃったし)。
対談が3本、桐生夏生×山本直樹、佐藤優×伊藤潤二、柴崎友香×浅野にいお。
(ちなみに、柴崎友香はマンガ家との対談集「ワンダーワード」が有名。)
なかなかおもしろいです。気になる方はぜひどうぞ。
とりあえず、今日はここまでってことで、次へ。

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2008.08.31

小川洋子「猫を抱いて象と泳ぐ」読了

気がつくと8月がもう終わろうとしている。下旬になってから妙に気温が下がり、でも湿度だけはあるので、身体が困っているみたい。

さて、小川洋子「猫を抱いて象と泳ぐ」、3回集中連載にて完結(文學界9月号、8/7発売)。
いや、そんなことは既に触れた
小川洋子の変化?(文學界8月号)」(7/16)から印象が変わったかどうか、である。

後に「リトル・アリョーヒン」と呼ばれることになる少年は、唇の上下がくっついて生まれた。医師は唇を上下に分かち、足りない皮膚を脛から持ってきた。このため、口のあたりに脛毛が生えることになる。容貌ゆえに友人も少ない。祖父母と弟との地味な生活の中で、少年は廃車となったバスを住居にする男性(元運転手、今はバス会社の寮管理人)と知りあい、チェスの手ほどきを受ける。
少年がマスターと呼ぶようになるその男性は、少年がチェス盤の下にもぐらないと思考できない性質も問わず、チェスの精髄を穏やかに伝えようとする。マスターは無類の甘味好きであり、それゆえバスの運転手が勤まらないほど巨大になったため、寮の管理人をしているのだった。ある日、バスの中で息絶え、それ以降、少年は成長を拒絶する。のみならず、大きくなることへの悲劇がすり込まれる。
マスターのチェス盤をなんとか持ち出し、それ以降はチェスが少年を導いていく…チェス盤の下に潜り込む彼の、唯一のコミュニケーションとして。
(まぁあとはお読みいただきましょう。)

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2008.08.17

小川洋子の前に、水村美苗

読みたいものに、時間がかかる月。

小川洋子「猫を抱いて象と泳ぐ」(文學界9月号)が、集中連載の第3回で完結を迎えているが、まだ手をつけたばかり。

水村美苗の特別評論「日本語が亡びる時−−英語の世紀の中で」(新潮9月号)を、じっくり読んでいた。

アイオワでIWP (International Writing Program) に参加するため、バスに乗り込むところから始まる。IWPとは、主催のアイオワ大学が様々な国々から小説家や詩人を招待し、「アメリカの大学生活を味わいながらそれぞれ自分の仕事を続けてもらおうという、たいへん結構なプログラム」というもの。生活費の心配もない。日本人は水村氏だけ(来年は島田雅彦の参加が決まっているという)。
自己紹介の会話、参加の動機(自律神経失調症の転地療養にならないかという淡い期待)、到着してからの参加者たちの様子。水村節満載の、むしろ小説のような導入だ。
参加者の様子からすぐに、様々な言語で、様々な地域で、富む国でも貧しい国でも、ほんとうに多く書かれているという感嘆に移る。やがてそれは<自分たちの言葉>で当たり前のように書くことの意味へと思考が向く。英語が<普遍語>になりつつある今より前、ヨーロッパ(というより世界)ではフランス語が<普遍語>だった時期があり(もちろんそれ以前はラテン語、アラビア語、漢語などが文化圏ごとに普遍語だった)、それが凋落する過程に触れる。
そして、書き言葉の成立に触れる時、さらに近代文学とは国民国家と国民文学の成立であることに話が及ぶ時、読み物から論に、進んでいる。
パリでの水村氏の講演内容は、論に転調する際に、全文引用される。氏の作品「私小説 from left to right」の核心に触れ、そこが転回点となる。論文でも小説でもない、評論が作品であることを見せつけ、しかし論理は踏まえていく。妙技だ。

だが、これからというところで、すなわち「<国語>の祝祭の時代が終わってしまった今」、「<叡知を求める人>であればあるほど、日本語で書かれた文学だけは読もうとはしなくなってきている」ことを指摘したところで突如、流れが止まる。
新潮掲載は3章まで。この秋に筑摩書房から刊行予定で、全7章のうちの冒頭3章が掲載分、とのこと。

読書が好きな方なら、少なくともこの冒頭3章がおもしろくないはずはない。
同意するにせよ反発を覚えるにせよ、全7章がどのような運びになっているか、気にならないはずもない。

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2008.07.16

小川洋子の変化?(文學界8月号)

芥川賞は揚逸(ヤン・イー)「時が滲む朝」に決定した。多和田葉子のような受賞者がいたとはいえ、村上春樹、リービ英雄のようにマージナルな地点で書きながら受賞していないケースもあったのだから、素直に喜びたい。とはいえ、揚逸の場合、マージナルというよりも、日本に入るために書いている、というべきなのかな。どちらにせよ、次回作以降はさらに読み応えがありそうな予感。

ところで、今月の文芸誌は割と読み応えがありそうなラインナップが多いようだが、文學界8月号は話題の綿矢りさの久々の創作よりも先に、対談などを読んでいる。
福岡真一×川上未映子の対談は面白かったが、個人的には予定調和的な印象を抱いたのは、私が元々この分野に関心があるからか。高橋源一郎×穂村弘は、読み始めたところ。

それはそれとして、小川洋子の短期集中連載「猫を抱いて象を泳ぐ」が先月号から始まっている。
今度はチェスを通じて、少年が年を重ねていく様を書いている。ただ、なんというか、これまでと勝手というか、印象が違うような。
個人的な小川洋子氏の傑作は「密やかな結晶」なのだが、そこから大きく踏み出すことが出来た作品として「博士を愛した数式」も好きだ。これらに限らず、氏の作品は言葉を通じて実現される絶対的な静謐さがあり、それが現世の神聖な小説として結実するのが王道だった。
今度の作品は、そこからどう踏み出すか、という実験をしているのだろうか。トーンが、聞こえてくる音が、いつもと違うように感じられてならない。
もっともまだ連載の途中ではある。まずは先を読んでからだ。

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2008.07.12

東京国際ブックフェア短信

今年も東京国際ブックフェアが開催されている。7月10日〜13日、つまり明日が最終日。

昨年から東京ビッグサイトの西ホールになり、規模は拡大傾向にはないようだ(名指しで申し訳ないが、大修館が出ていなくて、ちょっと寂しかった)。
とはいえ、今年も出版社や編集プロダクション、デジタルパブリッシングや印刷関連・書店用品の展示などでいっぱい。また、10%以上の値引き販売を行う出版社も多い(すべてではない、また20%引きの出版社もある)。
人文科学や自然科学関連のおもしろい本が、あっという間に平積みから撤去される昨今のサイクルだから、こういう場を回ると「あ、そういえばあんな本があった!」という発見もある(版元としては、発売後数ヶ月だけど、うちではまだ終わっていない、新しいものですし、読んでくださいね、という主張にもなっているのだろう)。

それはそれとして、デジタルパブリッシングのソリューション展示が増えてきている。
これまでは、電子書籍そのものについて訴えかける展示が多かった印象があるが、今年は書籍や雑誌のコンテンツデータを、ケータイ、Webなど多方面に展開するためのソリューションに関する展示が前面に出てきたようだ。

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2008.05.17

手塚治虫文化賞は「もやしもん」ほか

2008年の手塚治虫文化賞(朝日新聞社主催)が決定した。
(念のために公式ページの更新を待ってみたのだが、まだのようだ。ここはいつも遅めですね。)
アサヒ・コムの記事はこちら。記事による受賞ラインナップも記しておく。

  • 大賞:「もやしもん」石川雅之氏
  • 新生賞:「トロイメライ」島田虎之介氏
  • 短編賞:「グーグーだって猫である」大島弓子氏
  • 特別賞:大阪府立国際児童文学館

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2008.04.16

本屋大賞は5年経ったのね

そういえば本屋大賞は5周年だったのだ。そしてついに伊坂幸太郎氏が「ゴールデンスランバー」で大賞をとった。(アサヒ・コムの記事はこちら。)

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2008.04.09

いまごろ「ウェブ時代をゆく」について

実は昨年末の記事の今後の予定には「11月に発売された『ウェブ時代をゆく』雑感」が入っていた。
とっくに読み終えていたのに放置した理由は単純、3月末に向けて集中すべきことがあったためで、他意はない。

「ウェブ時代をゆく」は、Webが情報というより生活のベースになる時代に、いかに働き、生きるかについて、梅田氏流の見解をまとめている。
仕事術のような気配も少し混じり、他の著作のような、シリコンバレー発の新しい空気が流れ込んでくるような内容ではない。人によっては、特に新しい知見はなかったなどという感想も出てくるだろう。

でも、この新書の目的はそもそも、これまでのようにエッジで走り続ける人々の言動を紹介したり、それらに共通することを氏なりにまとめることにはない。
自らの半生を顧みながら、エッジには立たなかったこと(そういう人にはかなわないと感じたことがほのめかされている)、エッジに立った方々と話をしながら旧来の組織とも付き合う仕事をしてきたからこそわかることを書いている。そこが重要。
だから、旧来の組織がいきなりなくなるとは毛頭考えていないし、そういう場が活きる人ならば逸脱しないほうがいい、とも書いている。
さらに、エッジを突っ走る人々の行く「高速道路」から降りることを選択する、つまり「けものみち」(この喩えも氏らしい)を通ることを選択するにはどうするか、ということに触れている。新しい時代に、自分の関心のある業界でエッジに立つ人々と交流しつつも、まだ見つかっていない道を歩く方法のヒントを、自らの経験を交えて語る。私はこうやってきた、それをまとめてみるので、自分に続く人たちの参考になれば、という思いが伝わってくる。
そういうところを読み落としてはいけない書籍だと思う。

***

一方で、この書籍が(おそらくあえて)触れていない、日本での事実がある。
多くの場合、IT関連業というのは「IT土方」と呼ばれる、ということ。

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2008.03.23

文學界4月号の大座談会

発売後だいぶ経ってしまったが、文學界4月号(3月7日発売)に掲載の大座談会「ニッポンの小説はどこへ行くのか」。
50年前に文學界で行われた座談会を踏まえて、企画されたもの。2部構成になっており、途中に50年前の座談会の解説記事がある。
出席者は岡田利規、川上未映子、車谷長吉、島田雅彦、諏訪哲史、田中弥生、筒井康隆、中原昌也、古井由吉、山崎ナオコーラ、そして司会の高橋源一郎。
なお、高橋源一郎は最後に司会者として後記も執筆。

なかなかおもしろいです。
こういう時は、誰がどう言っていて、正しいのは誰か、というのは意味がない。
むしろ、作家は一人一業態であり、しかし作家という括りはある、という(当たり前の)ことが再確認されること、また今それはどんな状況にあると参加者が認識しているかも確認できる、ということが大きいのだと思う。

古井由吉は役者だなぁとか、車谷長吉は中原昌也より太い面があるなぁとか、川上未映子の言ってることは割合クールでクリアでわかりやすいのに対して、山崎ナオコーラはそうでもないんだけど率直に語っていてこれはこれでおもしろいなとか、筒井康隆が中間小説の消滅に比してラノベはずっとましだと言い、ハルヒの力量をはっきり認識しているなとか、まぁ読んでみる価値はあります。

でも、これだけの人数が揃って行われたのだから、原稿として整理される前に飛び交った言葉もあったろうし、そのあたりの粗密などもなんとか活字にならないかな、とも思う。
願わくば、参加者にちょっとずつ文を寄せていただいて、単行本にしていただけるとうれしいな、というところ。

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2008.02.09

絶対移動中 第四号 感想

このブログ、しばらく放置気味になってたけど、節もあけたし、気を取り直していきましょう。

昨年、お誘いいただいて私も参加した創作冊子「絶対移動中」(toricoさん主宰)の第四号。
短編小説5本、マンガ1本が掲載されたアンソロジー。
文学フリマの出店(昨年の11月)にもお付き合いしたのだが、まだきちんとした感想を書き記していなかったので、残しておきます。(遅くなってすみません。)
掲載順、ただし、自作は除きます。

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2008.01.03

マンガ2007年

2008年もよろしくお願いいたします。
(昨夏、祖母が亡くなり喪中なので、新年の挨拶は控えさせていただきます。)

さて、遅れてしまった2007年のマンガを振り返る企画。
年末は肩凝り、新年はたまった本やビデオだのを消化しつつ、仕事も準備する中、箇条書きでいってみます。

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2007.12.19

2007年文芸、補足

いつのまにかえらい間が…。
別のところで長文を書いているうちに、こちらが放置状態になっていた。

ところで、前回の記事で書き忘れたことが一つ。

2007年の単行本、福永信「コップとコッペパンとペン」は、触れねばなるまいて。

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2007.12.08

もう2007年の文芸回顧記事か

新聞が、論壇や文芸の2007年回顧記事を掲載し始めている。
……もうそんな時期なのか。
(そりゃそうさ、もう寒いもしね。)

***

個人的なこと。
今年の初め、積ん読にしていた川上弘美「真鶴」を読んだ。
それ以降、小説は何か、小説について書くとはどういうことかが、繰り返し身体の内に響き返している。
そうして、読んではいても、こういう場で気楽にあれこれ書く気になれないでいる。
印象に残ったものに絞り込んで、短信だけでも残してみる。

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2007.10.31

今年の文学フリマ、新刊入稿

ないと言ってた松浦理英子「犬身」、平積みが復活していた。
奥付を見れば、まだ1刷。配本を抑えていたのかしらん。ま、よくあることです。

さて、文学フリマには、お誘いいただいた同人誌に参加すると書きましたが。
先週には原稿を渡し終え、主宰のtoricoさんより印刷所に入稿したとの連絡をいただきました。

これで、11月11日(日)の文学フリマ当日、ほぼ確実に新刊発売です。
ブースはA-44。
よろしくお願いいたします。

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2007.10.27

いまごろ台風かよ

10月も押し詰まって、台風である。
関東は昨日から雨風。
昼間、軒先ですずめが雨宿りしてた。
こんなことは初めて。いきなりの強風でよほど慌てていたのか。
しばらくチュンチュン、カタカタ(←足音)いってたけど、なんか心和む音。

ドリス・レッシングの書籍が入荷し始めている。晶文社「アフガニスタンの風」、英宝社「ドリス・レッシングの珠玉短編集」など。
一方で、買い忘れてた松浦理英子「犬身」が店頭で品切れになっていた。
タイミングを外したか。やれやれ。

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2007.10.16

やっと、を二題

やっと、群像11月号を買った。
というか、買えた。

発売日の7日、近所でいつも買う書店には、既になかった。
(発売日を過ぎても、最後の1冊くらいは必ず手に入るのに。)
数日、買うのを忘れていて、はっと気がつくと、神田の三省堂、東京堂などにも軒並み在庫がない。ジュンク堂も同様。

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2007.08.09

2007年半ば、今のアフタヌーン

そういえば長いこと月刊マンガ誌「アフタヌーン」に触れていなかった。
昨年、読みどころが増えてきた旨を書いたが、今年に入ってから躍進中(ページ数も増えてるんで、重くてたまらんけどね)。

***

極私的お気に入りからいくつか。

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2007.07.31

忘れ難き日だろう

先日のエントリー「二人の永眠」は、他の方にとってみれば「臨床心理学の巨人と、お前のばあさんとの日を並べられても、だからどーしたってんだ」というところだ。

祖母は明るく柔らかで、子や孫、ひ孫らを受け入れつつ、野放図にもしない何かがあった。威圧感などとは無縁でありながら、一族の中心となる立ち位置、ゼロポイントといっていいような何かをまとっていた。小さな家のことだが、ある種のカリスマ性と言っていいようなものを持っていたのかもしれない。
私が幼い頃まで経営していた旅館のおかみとしての働きがそうさせたのか、元々そんなところがあったから祖父を支えてともに旅館を経営できたのか、それはなんとも言えないが。

入院してから、何かとても神々しいような、厳かな瞬間が時折あり、生の不思議を思った。そんな時、ほとんど同時に河合隼雄氏の訃報にも接した。
河合氏は日本のユング派臨床心理の紹介者、箱庭療法の創始者である。カリスマ性があったことは、私が触れるまでもない。
同じ日に亡くなったことは、私個人にとって、何かの符牒のように感じられてならなかった…まぁ確かに他の方にとってはどうでもいいことかもしれん。

***

7/29、参議院選で自民党(および公明党)が記録的大敗を喫し、初めて自民党が参院第1党から転げ落ちた後、作家の小田実氏の訃報が流れた。享年75歳。

・アサヒ・コムの記事(7/30)

・YOMIURI ONLINEの記事(出版トピックより、7/30)

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2007.07.10

梅雨の独り言

7日(土)あたりから湿度が下がって気持ちいいくらいだったのに、9日(月)から蒸してきた。今夜は雨風で窓をあけていられない。
7月も中旬に入ろうという頃に、関東は梅雨らしくなってきたわけか。6月、早々と真夏日になったというのに。
昨年を思い起こさせる。確か、梅雨があけたかどうかわからないまま7月末まで過ぎていった。祇園祭の山鉾巡行が、雨の最中だったのも覚えている。

いや、今年は春が似たような巡りだった。
2月、急に温かくなったと思ったら、3〜4月はむしろ冷えて「なんで?」と思ったもんだ。
あんまりおどかさないでほしいです、お願いします、お天道さま。

***

ずっと続けてきた笙の稽古だが、今月は怪しい雲行きで、行けそうにない。
う〜ん、夏以降に小さな出番があるので、少しだけでも行っておきたいのだが。
低気圧接近中は、なんとなく考えに勢いがなくなるだろうか。

でも。
帯状疱疹、だいぶよくなってきた。痛みはほとんど感じない。ちょっと硬くなっていた患部もだいぶ柔らかくなってきた(跡はまだ残るけど)。もうしばらく経てば、戻るだろう。
いつかは明ける。せめて明るい気持ちで、淡々とこなしつつ、日々を過ごしたい。

***

そういえば、アフタヌーン連載「ヒストリエ」(岩明均)の第4巻は、7月23日発売予定。
やっと、である。
連載では、第1巻から展開されてきた様々な出来事や人物の動きが、ついにリンクしつつ、次へ進み出すあたりまでいってます。
単行本派の方々は、楽しみに待たれよ、という内容のはず。

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2007.07.08

東京国際ブックフェア2007

今年も東京国際ブックフェア@ビッグサイトを見てきた。
例年、東ホールで行われてきたが、今年は西ホール。まぁ言ってみれば、縮小傾向ということか。
さらに、平日はどうしても都合が合わず、土曜に足を運んだ。同時開催の文具フェアなどは金曜で終了。ちょっとちんまりとした印象。

***

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2007.06.18

覚悟して読むものでは?

特に集中して読んでるわけじゃないけど。
文學界で以前やった座談会、また今連載中の「私のマルクス」などがあれば、やはり読むし、おもしろい。(少し年下世代のせいか、文化にいくらか共通点もあるから、ひいき目は少し入ってるだろうか。)
ただ、おもしろいけど「このおっさん、覚悟して読まんといかんな、だまされちゃいかんぞ」とも思う。
(時々やられちゃってる人に出会うと、冷静になれよとも思う。)

出版社としては、久々に出てきた怪物的容貌・貪欲に食いまくる知識欲・それを消化して吐き出す能力の高さ・悪も交えて語ってみせる魅力があるのだから、原稿を依頼するのは当たり前だし、あちこちで目にするのは当然。
ただ、ここまで話すのがうまいおっさんは、知識や情報を武器に人をたらしこむプロだから(でなけりゃ情報戦争の世界に身を投じていないだろう)、覚悟して読むもんであって、書いてあることをなんでもかんでも頭っから信用しちまうとすれば、ナイーヴすぎるとも言えるわな(英語本来の意味のナイーヴね)。
いやそもそも、書物ってのは、そうやって付き合うもんじゃねぇのかな。
それが骨身に染みてる人間=佐藤優だからこそ、書くものも魅力的に見えるんだろうけどね。

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2007.05.14

第11回手塚治虫文化賞、決定

第11回手塚治虫文化賞の受賞者が、5月10日の朝日新聞朝刊で発表された。

  • 大賞:山岸涼子「舞姫 テレプシコーラ」
  • 新生賞:漫画・のぞゑのぶひさ、企画と脚色・岩田和博「神聖喜劇」(原作は大西巨人の小説)
  • 短編賞:森下裕美「大阪ハムレット」
  • 特別賞:該当なし

ちなみに、公式ページは5月14日現在、未更新のまま。

***

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2007.05.07

COMITIA 80にて (2)

昨日の記事への補足。簡潔にいきます。

  • 会場が広くなり、広い通路でたくさんのサークルを前にすると、冊子が多すぎてだんだん頭が飽和してくる。(買う気が徐々に失せていく…苦笑)
  • カラーの美しい表紙よりも、モノクロの表紙に惹かれることが多かった。(カラーのうまい絵は感心するが、センサーにはそれほど引っかかってこないことが多かった、とも言える。)
  • ジュンク堂書店の出張コーナーでは、山川直人「コーヒーもう1杯」が目立っていた(最新刊の第3巻が出たばかり、また氏は出店サークルとして参加していた)。
  • トークショーが開かれていたが、廻るのに忙しくて聞かなかった。後で思うと、ちょっともったいなかったか。
  • ティアズマガジン(コミティア公式ガイド)に掲載されていた、アフタヌーン編集長へのインタビューが要注目。文芸志望なので、文芸っぽいマンガということでモーニングに配属、朝から終電までひたすらマンガを読み、すぐに先輩に作家のところへ連れていかれた話。アフタヌーンに移って、1000ページ時代突入の最初を担った話。おもしろければなんでもありの姿勢は貫くなど。たいへん楽しいインタビューだった。

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2007.05.06

COMITIA 80にて

5月5日、COMITIAに赴く(東京ビッグサイト)。

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いよいよ「メタボラ」発売

昨年(2006年)の朝日新聞朝刊の連載小説、桐生夏生「メタボラ」、5月8日より発売。

当ブログでも以前記事にした
(この記事は新聞切り抜きなどせず、記憶に基づいて書いたもの。読了直後の率直な実感。)

とにかく引っ張られて読んでしまう小説。
人間的にも経済的にも、しょっぱく、すっぱい内容、てんこ盛り。
昨年から今年にかけて景気回復が強く言われるようになっているし、その流れからすればもう関係ないように思えるって?
そんなこととはまったくない。むしろじゅうぶん読む意義が増している。

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2007.04.25

マンガ市場は小説化しているのか

マンガ雑誌が以前ほど売れなくなっていることは、だいぶ前から言われてきた。
理由はいくつもあるんだろう。
ひょいと思い付くだけでも。

たくさんある雑誌の中から、定期購読し続けるのがメンドー。
次回を心待ちにするような作品が減ったような気がする。(雑誌が多すぎて掲載作が分散している?)
マンガ雑誌を読み続ける世代の年齢が上がってきて、新しい定期購読者は減る傾向なのか。
時間がなくなってきたし、雑誌を全部読むよりも、評判の単行本を買うことでじゅうぶん。
などなど。

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2007.04.19

「『真鶴』以後」

久々に読んだ本の感想を書いたが。
それまでまったく読んでいなかったわけでもない。

ただ、川上弘美「真鶴」を読んでからというもの、小説の感想を以前のように書くことに、ためらいのような、疑問のような、でもそんな明確なものではないナニかを感じて、手が止まる。

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2007.04.17

小林信彦「日本橋バビロン」

文學界5月号(4月7日発売)の中篇小説をいくつか読んで、なんだか全然すっきりせず、ため息をついた。

そういえば、先月の積ん読として、文學界に小林信彦「日本橋バビロン」が載っていたことを思い出した。
同時に、先月の新潮に古川日出男「ゴッドスター」が掲載されていたことも思い出した。
まずは、おそらく落ち着いた日本語を読めるであろう、前者を先に手にした。

***

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2007.04.09

Astral Project 月の光、完結(ビーム)

だいぶ旧聞に属することだが。
コミックビームに連載されていた「Astral Project 月の光」(作・marginal、画・竹谷州史)が、2007年3月号(2月12日発売)にて完結した。
(2月の話だからな。ほんとのほんとに旧聞だな。)

東京で売春婦の送迎をしながら生活している「まさ彦」(まさは木に正)。
姉の死に衝撃を受けるが、CDが残された。それを聴くことで必ず起きる体外離脱現象。
アストラル界での現象に慣れ、そこで生じた出会いから、地上と異世界の二重生活が続く。
一方で、米軍の奇妙な実験は、話が進むにつれて(予想通り)まさ彦の姉がかぶってくる。

広げればいくらでも広げ、深め、大暴れもできるネタを、あえて抑制した筋書きと画のタッチで進めてきた。

***

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2007.03.27

折々のうたから、小林秀雄へ

朝日新聞の朝刊の第1面、天声人語の上の小さな囲みに、詩歌の連載がある。
大岡信「折々のうた」。
この3月31日で終了するという。1978年1月以来、休みはあったにせよ、ずいぶんと長く続いてきて、終わるということをあまり意識していなかった。

この欄がすてきなのは、新聞の最初の面に、やわらかくも力強い言葉が刷られていることにあると思う。

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2007.03.13

よく出来ているのに

私はいわゆるクラシック音楽とされるジャンルの音楽が好きだ。
(それより、クラシックと言いながらいろんな時代の音楽を含むのって、どうよ。本当の意味でのクラシカルって、18世紀後半の古典派だが、一番演奏されるのは19〜20世紀前半だし。もっといい呼び名はないものか。)

だからといって、ポップス、ロック、ジャズ、ラテン(なんて大雑把なんだ!)、民族音楽、邦楽などを聴かないわけでもないし、ましてや格下にみなすこともない。
ただ、時間は有限なので、自然に響きの質が肌に合うジャンルを多く聞きがちなだけ。
他のジャンルだって楽しい。

***

文芸にも、エンターテイメントと純文学、という区別はある。

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2007.03.11

棚の前にいつも思う

規模の大きな書店に入る。文芸作品のあるコーナー(あるいはフロア)に行ってみる。
棚に大量の本が並んでいる。
たいていはSF・ファンジー・ミステリー・詩歌のような特定分野と、そのような分類にあてはまらない小説一般・文芸一般、といった具合に、まずジャンル分けされている。
それぞれのジャンルの中では、著者名あいうえお順に並ぶ。

小説一般について言えば、三省堂、紀伊国屋といった日本を代表するメジャーな書店で、男性作家/女性作家という棚がある。

実は何度行ってもこれに馴染めない。

***

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2007.03.01

福山庸治「雑記ンとっしゅ」終了

福山庸治氏という漫画家は、決して多作ではないが、圧倒的な存在感がある。
(公式ホームページはヨジラ館。)

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2007.02.17

1〜2月の読書短信

文芸誌も相変わらず少しずつ読んでるけど、研究書・学術書などと交互に読んでいて、時間も少なく、まとまった感想を書く状態に至らず。
ちなみに、川上弘美「真鶴」以降、自分のいままでの読み方とは違う何かが起きている。

と思っていたら、文學界2月号で高橋源一郎「ニッポンの小説」(単行本が1冊出ているが、現在も連載中)で、やはり「真鶴」を取り上げている。
書き出すと、どんどん引用していくことになってしまう、と呟きながら。

うん、そうなんだ。そんな感じなんだ、この小説は。

この作品は多分、読み手に何らかの変化を巻き起こす。それがイヤな人は手を出せないものかもしれない。
本屋大賞って、特に第2回以降、十分に売れてる作品ばかりが取り上げられる印象があるけど、あぁいうところに「真鶴」が入ったら、どうなのかね。
それはともかく、本屋大賞というからには「部数はいまいちだけど、これがいいのよ!」という感じで、要注目の本を押し出してほしいかも。

ちなみに群像に連載中の橋本治「院政の日本人」は、保元の乱、平治の乱といよいよ平家物語の核心に迫りつつある。前段がえらく長い話だったが、それを丁寧にやり(寄り道も徹底的にして)、だから核心は意外に簡素に進んでいる。
橋本治のエッセイは、思考過程をなぞる書き方だ。それを「読みにくい悪文」という人もいる。でも、過程をなぞるからこそ、書き手の心の鋳型のようなものも感じられて、そこがおもしろい。
何が言いたいかといえば、一言に要約するインターネット言説もいいけど、結論を急かない話も大事だよってこと。

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2007.02.12

東京堂書店

以前より人が戻っているとはいえ、さすがにニッパチ(2月と8月、買い物客の少ない月)の神保町は静かである。
連休の最中、資料を探しにやってきた私は、またしても三省堂などで目的を果たせずいらついていた。

結局見つけたのは、東京堂書店。
そういえば過去に、あの記事でもこの記事でも、東京堂書店で本を見つけている。

***

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神保町に赴く

ジュンク堂あるいは郊外型大規模書店が増えたためか、神保町で書店をいくつも廻るより、大規模店一ヶ所ですべてを済ませる人が増えているような気がする。

そんな今、あえて神保町に行く理由。
三省堂、書泉、東京堂といった書店がそれぞれ独自の棚構成を持っていること。並びが違うと、本の印象が少し変わるため、思わぬ本を手にする可能性が上がる。
それに、小規模かつ専門的な古書店が密集しており、品切れや絶版書も探せる(こちらは運次第という面もあるけど)。

さらにもう一つ。
一人で気軽に入れる喫茶店が点在し、安価でうまい食堂も多数ある。
本屋を歩き回り、疲れたら座ってお茶を飲む。一人で本を読みながらでも、数名で歓談してもいい。食事もできる、しかもリーズナブルに。

まぁいわゆる「本と珈琲の街」というヤツだ。
でも、最初に行くようになった頃、まだコーヒーを飲む習慣はなかった。

***

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2007.02.09

歌うネアンデルタール

昨年、発刊された5月末頃に購入したにもかかわらず、最初の2章くらいで中断していた書物があった。今年に入ってから再開し、読了。
スティーブン・ミズン「歌うネアンデルタール 音楽と言語から見るヒトの進化」早川書房(原著:Steven Mithen, 2005, "The Singing Neandertals: The Origin of Music, Language, Mind and Body")。

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2007.01.28

すこぅし、でもチクリと

川上弘美「真鶴」について書いた
付け加えるなら。
村上春樹が「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」で手にしたような大きな跳躍である。
見事な作品を味わった歓びがある。

その一方で。
ある感情がにじみ出ていた。
くやしい、と。

いや、くやしい、という言葉に宿るような激しい性質(タチ)ではない。すこぅし、でもチクリと、くらい。
それに、連載時に真価を見抜けなかったとか、川上弘美をなめてましたとか、ましてや書きたかったネタとかぶった、などといったつまらない理由ではない。
でも、言葉にするならやはり、くやしい、が一番近い。

あえて言うなら。
自分の中に潜むなにものかを、柔らかく射ぬかれたような感じ。それに揺り動かされて、違う光と感触が開けた感じ。
それは、上質の小説を味わった時に感じるものでもある。

これほど浸透力の強い作品は、ほんとうに久方ぶりのように思う。
そして、これほど揺り動かされたからには、どこかで、自分の言葉なりに、オトシマエをつけなきゃいかんな。とも思う。

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2007.01.25

「真鶴」の強度

文學界で連載第1回を読んだ時、あまり大きなインパクトを受けなかった。
そのまま、読まない回ばかりが積み上がっていった。
昨年10月に単行本が出て、正月の読書用に買ってみた。
放っておいて、1月中旬に読み始めた。
最初の数ページを過ぎる頃には、さらわれていた。

今までの作品にはなかった強度。
膂力、という言葉が似合うとは(一般には)思われないであろう作家が、その力をあえて解放したような気配。
なるほど、これは連載よりも単行本のほうが感じ入りやすい。

真鶴という地味な港町を歩く気配、東京での女三人(三世代)の暮らし、その往還を描く。短く切り詰めた文体で、記憶と目前のあれこれを、積み重ねていく。そこから生じる張り詰めた流れを、行きつ戻りつ押し進めていく。
流されるように読み終えた。これまでの作品とはまったく異なる読後感に包まれた。

それが川上弘美「真鶴」だった。

***

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2007.01.19

もう読んだもん

午後7時頃、帰路に着いた。
電車は当然満席だが、思ったほど混んではいない。イヤホンを耳に目を瞑ったり、文庫本に入り込む女性が目立つ。会社帰りのOLが多いのだろう。

私も立ったまま、鞄から本を取り出した。珍しくブックカバーをかけていない。
川上弘美の「真鶴」は、白い箱入り。中は高島野十郎の静物画がブックカバーのような装丁。書店でもカバーをかけてくれなかったし、きれいなので、箱から出して、そのまま持ち歩いていた。
しばらく読み耽る。短くたゆたう文章が、後半に入って張り詰めていく。短い文だから強い、寄せては返す昂ぶりが。
少し鼓動が速くなったところで、本を閉じた。アナウンスなど聴かなくても、最寄り駅に近づくタイミングくらいわかる。
同じく降りる準備を整えて席から立ち上がった女性が、あ、と顔を輝かせた。

あ、真鶴。読んでるんだね。いまごろなんだね。私、もう読んだもん。

そんな顔を一瞬して、すっと視線を外した。こちらもついと出口に向かった。
扉が開くと、意外に寒くない。皆、足下の先だけを見て、黙々と隊列を組む。
それにしても、既に読み終えた本を見かけると、誇らしげな顔になる人がいるのは、なぜだろうね。

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2007.01.09

そろそろ2007年モード

あったかい正月だった。
三が日が満ちていく月で、夜がとても鮮やか。

正月休み(?)のうちに、ちょっと散歩。
イセザキモールがイルミネーションになっていて驚いた。
なんだか変わったなぁ。きれいになったけど、ちょっと寂しくなったか。でもやっぱり、平日よりは人がいるし、有隣堂は相変わらずだけど。
南蛮屋でコーヒーを飲んだら、銭洗弁天で洗った五円玉を、おつりとは別にくれた。
こういうご祝儀は、なんだかうれしい。
東京からちょっと離れて、内陸の重さのない空気を吸った。気が晴れた。
おいらはやっぱり内陸性気候農耕型人間じゃないのかも、と感じる。

三連休は大雨と大風、しかも冷えてきた。
仕事の下調べ、文具の補充などをしたり。

阿部和重「ニッポニアニッポン」の文庫版を購入。表紙と解説が目的(某さん、情報ありがとう)。
単行本を買わなかった(初出の雑誌で読んでいた)ため、表紙を見て、ふーんと思う。
解説も読む。ふーんと思う。が、それがどーした?とも思ったり(こっちはカルチャーもサブカルも行き来する身だからそう思うだけ、漫画家榎本俊二氏との共通点指摘など、まぁ面白かった)。

なんてつらつら考えてると、そろそろ本格的に2007年が始まる週です。

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2006.12.31

2006年の本や雑誌、雑感

さて、今年の締めくくりに、印象に残った本や雑誌について。
あまり触れなかった話題を中心に。

***

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2006.12.30

ミステリアスセッティグ、読了

阿部和重「ミステリアスセッティング」、読了。
携帯電話の電子書籍に連載されていた作品。単行本で初めて読んだ。
シンプルな文章、一直線に進むストーリー。
阿部和重としては珍しい(おそらく初めての)page-turnerな小説。

***

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2006.12.27

メタボラ、完結

朝日新聞朝刊に連載されていた桐生夏生「メタボラ」が、12/21に完結した。
これまで作者が書いてきた強い毒、また登場人物の揺さぶりがこちらに伝搬してくるような振動はなかった。
その分、出てくる登場人物の情けなさを、突き放して容赦なく描く筆致が冴えていた。

***

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2006.12.20

宮崎誉子、やった!

ん〜、人と話をする時間をとったり、本を読んだり、葬祭があったりして、気がついたら何日も更新していなかった。

新潮11月号(10月7日発売)掲載の絲山秋子「エスケイプ/アブセント」はやっぱりおもしろかった(2篇で1対の小説なのだが、その理由はもうすぐ単行本も発売で確認していただきたい)。

文學界12月号(11月7日発売)掲載の赤染晶子「恋もみじ」の、京の繊維業の女工もなかなか切なくおもしろかった。

けど。
群像1月号(12月7日発売)掲載の宮崎誉子「三日月」
これはなかなか素晴らしい。

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2006.11.12

第5回文学フリマの後で考えた

今年も文学フリマに客として行ってきた。

一周しつつ、知人のブースで挨拶。
おおよその状況をつかんでから、目に付く本を手に取り、最初の部分を読んでみる。読み進められれば購入。そうでなければ頭を軽く下げ、置いて立ち去る。
(注:立ち読みコーナーで全サークルの冊子を手にすることは出来るのだが、あまりに混雑しており、ブースで直接見ることにした。)

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2006.11.03

ほのかな光の消滅(永沢光雄氏の訃報)

まったくなんて日だ。
文化功労者にして文化勲章受章者である白川静氏の訃報のそばで、小さな訃報(アサヒ・コム、11/2)が流れていた。
永沢光雄氏。享年47歳(!)。

***

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巨星落つ(白川静氏の訃報)

人はいつかは死ぬ。逃れることの出来ない宿命だ。
でも、この方は100歳を超えた現役の学者であり続けるような気がしていた。
漢字学者、白川静氏である。享年96歳。

記事はたとえばこちら(アサヒ・コム、11/2)や、こちら(YOMIURI ONLINE、11/1)。
また、アサヒ・コムの解説記事(11/2)、YOMIURI ONLINEの解説記事(11/2)もあり。

***

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2006.10.28

アフタヌーン12月号(2006年)

まだ全部読んでないんだけど、今月は「ヒストリエ」が掲載されているんで、早めに。

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2006.10.26

小島信夫氏の訃報

作家の小島信夫氏が逝去された。享年91歳。
アサヒ・コムの記事はこちら(10/26)。

「アメリカン・スクール」(芥川賞、ちなみに庄野潤三氏も同時受賞だったはず)、「抱擁家族」(谷崎賞)、「別れる理由」など。
ポリフォニックな声。重いのにどこにも着地できないような、他の誰にも真似できない文章の密度。

最近は保坂和志との共著や講演などもあった。今年に入ってからも新潮に「残光」を掲載(すぐに単行本化)。
第2次大戦以降、人間関係の濃淡が変わっていく様子を(変わらぬ人の真理も含めて)追い続けた作品群と、死の年まで衰えることを知らなかった創作力に、合掌。

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2006.10.18

コミックビーム11月号あたり

コミックビーム11月号(06年10月12日発売)は巻頭カラーが山川直人「コーヒーもう一杯」
回が重なっていくにつれて、味が出てきている。

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アフタヌーン11月号あたり

アフタヌーン11月号(06年9月25日発売)を店頭で買おうとして、すぐに見つけられなかった。
原因は、表紙が「くじびきアンバランス」の萌え絵だったこと(「くじアン」は「げんしけん」の作品内アニメ、独立した作品として連載開始)。
いつものパターンと違うので、他の雑誌に埋もれて、見つけるのに時間がかかってしまった。
そんな因縁のためか、まだこいつを読んでいない…アフタヌーン、分厚いからなぁ。

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2006.10.14

祇園書房、10/14に閉店

京都の祇園書房が10/14に(つまり本日)閉店する、というニュースが流れている。
たとえば、アサヒ・コムのこの記事(10/14)。

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2006.10.13

日本のメディア芸術100選

文化庁主催のメディア芸術祭10周年を記念して、「日本のメディア芸術100選」の投票が行われ、10月に結果が発表された。
結果はこちらのサイトを参照のこと。

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2006.09.08

群像は創刊60周年記念号

7日は文芸誌の発売日だが、群像は創刊60周年記念号。
いつもの倍の厚さ。価格は1,500円。
帰路のカバンが重いこと。

短編が42本。
対談は「今後40年の文学を想像する」で、大江健三郎×平野啓一郎。

加えて、いつもの連載(橋本治、伊藤比呂美、辻原登、宮本輝、津島佑子など)やエッセイ(松浦弥太郎)、さらに侃々諤々も。

ん〜、来月までに読み終わらないと思ふ…
まぁいいや。ためつすがめつ楽しんでみよう。
ちなみに、短編特集で気になってるのは、絲山秋子、桐生夏生、佐伯一麦、金原ひとみ、リービ英雄あたりかな。
でもきっと、いつものように橋本治から読み始めると思うけど。

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2006.08.30

近代的な、あまりに近代的な(エウレカセブンに想う)

先日、「交響詩篇エウレカセブン」について触れた
思うに、熱烈なファンがつく一方で、「糞番組」と認定する人もたくさんいると思う。
真っ二つに割れるのは、作品として独特の世界を作っているはずだ。

通しで見ている最中、私の中ではずいぶんといろんな感覚が揺れ動いた。
しかし、最終的にはずいぶんと惹かれる作品となった。
私がこの作品を通じて感じたのは、おそらく監督が「いままでの映像演出の方向性だと、オレの感じて見ているような世の中の感じ方が描けない」と思っており、ものすごくあがいた結果が「エウレカセブン」に集約されたんじゃないか、ということ。

***

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佐藤優氏の年か

新潮社が2つの賞を発表。
新潮ドキュメント賞が佐藤優氏「自壊する帝国」、小林秀雄賞が荒川洋二氏「文芸時評という感想」。
(新潮ドキュメント賞はドキュメンタリ、ノンフィクションが対象。小林秀雄賞は評論、批評が対象。)
アサヒ・コムの記事はこちら(8/28)。

ある意味、今年上半期の最大の注目作が2つ、揃い踏みした格好かな。

***

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2006.08.07

すばらしい蛮勇

ん〜。あっついですな〜。バテ気味。文芸誌も読んでないわけじゃないが、カーッと感想を書く気力に至らず。

そういえば、古川日出男氏の三島賞受賞は知っていたが、ちゃんと読んでこなかった。
受賞作を手に取ってパラパラとめくりつつ、その前に(昨年の東京国際ブックフェアで文藝春秋が一押しにし、昨年の「このミス」で入賞した)「ベルカ、吠えないのか?」を読んでみた(つい時期を逸してしまったし)。

***

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2006.08.04

1日に2つも

8月2日の朝刊はカラー写真入りの訃報が2つも出た。

社会学者の鶴見和子氏(享年88歳)、作家の吉村昭氏(享年79歳)。
たとえばアサヒ・コムの記事だと、鶴見和子氏がこちら、吉村昭氏がこちら

活躍なさった場は違えども、それぞれ広く深く取材と調査を行い、また直接関連する分野以外にも目を及ばせた上で、著述されてきた。ご自身で確認されたことを、的確に表現するという基本からブレることがなかった。
知性と品格の方。
合掌。

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2006.07.15

2006年上半期の芥川賞、発表

7/13の夜に発表された。受賞作は伊藤たかみ「八月の路上に捨てる」(文学界6月号、単行本はまだ出ていない)。
アサヒ・コムの記事はこちら
ちなみに、候補作発表の記事はこちら(アサヒ・コム、7/3)。

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2006.07.08

東京国際ブックフェア&デジタルパブリッシングフェア 2006

今年も開催中の東京国際ブックフェア 2006
同時開催のデジタルパブリッシングフェア 2006も含めて、見てきた。
開催は7/6(木)〜9(日)、東京ビッグサイト。
(ちなみに、昨年の様子はこちら。)

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2006.07.03

どうなるアフタヌーン/いまさらながらメカビ

アフタヌーン8月号(6月24日発売)は、相次いで連載が終了する流れを象徴する号になった。

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2006.06.07

げんしけん、連載完結(アフタヌーン7月号)

アフタヌーンの7月号(5/25発売)で、ついに木尾士目「げんしんけん」が連載完結。
それまで地味でねっとりした恋愛ものを描いてきた作者が、方針一転するように取り上げたぬるいオタの日常。あれよあれよという間に大ヒットに。
世間で秋葉原の変化に注目が集まり出し、アキバ系なる言葉が歩き出し、その後に電車男がヒットするという時に、とてもあっていた。ノってる時って、こういうものなのかもしれないね。

この人気作も、笹原の卒業とともに終了。なんだかえらく短かったように感じるが、もう4年も経ってるんだねぇ。
笹原と荻上の恋愛に関する動きなどは、正直に言うといまいちだった時期もあるが、最終回のオチでヨシとしたい。連載当初のネタに帰るというのは基本だし、誠実に書いていたことは伝わってきたし。

個人的にこの作品に関する最大の印象は、マンガ喫茶でむさぼるように読む女性を、何度も見かけたこと。電車男のブームがくる数年前である。

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2006.05.25

ヨコハマ買い出し紀行・最終巻

石川雅之「もやしもん」の第3巻が出た。
特装版と通常版の2種類が出ている。立ち読みできない本屋だったので、特装版を購入。帯には「ほとんど一緒」と書いてあるが、表紙以外に何が違うんだろーか。
内容は相変わらず好調で、なにより。

個人的には、芦奈野ひとし「ヨコハマ買い出し紀行」が第14巻で完結したことを取り上げたい。
アフタヌーンの連載完結については既に触れている。最終回を含む単行本が出たことで、すべて完結した。

***

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2006.05.22

永遠を見つめ続けた作品達の、鮮やかな消失

先月、古い本を読み返していた。
水村美苗「私小説 from Left to Right」(新潮文庫)である。
英文を含むため、必然的に横書き。冒頭の英語に驚いて読むのをやめてしまう人もいるようだが、そこだけ慣れるべく心積もりをすれば、あとは推測でも読んでいける。

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2006.05.16

ハルキの月が続いてる

先月紹介した沼野充義「ルポルタージュ ロシアの村上春樹」(文學界)、リチャード・パワーズ(柴田元幸訳)「ハルキ・ムラカミ−広域分散−自己鏡像化−地下世界−ニューロサイエンス流−魂シェアリング・ピクチャーショー」(新潮)。読了している。

***

沼野氏のルポは本当に面白かった。

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2006.05.12

第35回日本漫画家協会賞も発表

手塚治虫漫画賞に続いて、日本漫画家協会賞も発表された。こちらは簡潔に。
記事(アサヒ・コム、5/10)によれば、以下の通り(敬称略)。

・大賞:勝又進「赤い雪」(青林工芸社刊)
    秋竜山「秋竜山通信」(自費出版)
・特別賞:チョン・インキョン「ドキュメント2005」
    日仏のマンガ家16人による「JAPON」(飛鳥新社刊)
・文部科学大臣賞:里中満智子

勝又進氏とはまた、しぶい! まさに意味のある賞、じゃないかな。

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第10回手塚治虫漫画文化賞、発表

他のネタもあるけど、緊急度ではこれが先。
5月10日、2005年に出版されたマンガを対象にした、第10回手塚治虫文化賞が発表された。
以下の通り。

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2006.05.04

ゆずてん

Yuzuten01

前日までのグズグズした天気から一転、爽やかな風と青空になったのは、きっとゆずの功徳に違いなひ。
そんなことを思いつつ、ゆずてんの初日にうかがう。

ゆずてんとは。
漫画家の須藤真澄氏(公式ホームページはおさんぽ王国)が開催する個展。
期間は5月3日(水)〜7日(日)。時間は13時〜19時(最終日のみ18時)。
出版社や書店ではなく、個人としてギャラリーを借りているようだ。その様子は公式ホームページの開催概要にも表れている。

須藤マンガのファンならばご存知のように、愛猫ゆずとの日々は終わりを告げ、いまは、にい及びととの二匹がいる。
ゆずとの日々から生まれたマンガやイラストから、作者自選の原画がずらりと並ぶ。それだけじゃなく、サイン、グッズ販売、観光写真コーナー、スタンプコーナーとてんこ盛り。
個人的には、ネコのマンガ、エッセイマンガ、ファンタジーの3本立て創作活動こそが、須藤真澄のすてきなところだと思っている。今回の展示は、ネコのマンガのみであることもわかってる。けれど、ずっとゆずやどんぐり学園を読んできた者にとって、原画展示とあれば、行かないわけにはいかない。

***

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2006.04.28

エマ完結、コーヒーもう一杯2

コミックビーム5月号(4/12発売)にて、森薫「エマ」、完結。

当初はこんなマンガになるとは思ってなかった。メイドへのラヴが、19世紀の愛へと昇華していく様を体験できたのは、実に面白かった。
正直に言えば、終盤のまとめ方はちょっと急ぎすぎたような気もする。たとえばアメリカに逃れたエマをウィリアムが見つける件も、ちょっと都合がよすぎるか。だが、(言葉通りの本来の意味で)あり得ない恋愛であっても、ハッピーエンドを見たい!という作者の願いのようなものは、伝わってはきた。

最終回はその意味で、初心回帰だろうか。広げすぎた人物やエピソードをまとめるには、性急だった。だがむしろ、皆に理解を得て祝福されるわけではない二人を、ことにエマを飾っていく二人の淑女とエマ、この笑顔の流れを描きたかったんだろうな。

一人の作家が、自分の描くものを見据えて、広げ、深めていく過程を同時に体験できるのは、そうあるもんじゃない。いろいろあるが、とにかく完結は祝いたい。

***

ところで、地味な佳品、山川直人「コーヒーもう一杯」は単行本第2巻が出た。(第1巻刊行時の感想はこちら。)

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2006.04.19

神戸在住、完結

アフタヌーン5月号(3月25日発売)で、木村紺「神戸在住」、完結。

大学1年生の生活スケッチから始まり、語学クラスの仲良し3人組、文科系サークル英語文化研究部と学園祭、憧れのイラストレータ日和との交流と死、ゼミの生活を経て、就職と卒業で締めくくり。
内気で涙もろいが、静かに頑固な美術専攻生、辰木桂の日々を淡々と描いたマンガ。固定ファンがついてしっかり完結。卒業制作の後は駆け足だったような気もするけど、とにかく祝!
単行本は既に8巻まで出ている。年内に最終巻発売の予定とのこと。
(ちなみに、単行本はカバーも外して見なければなりません。マンガ道のお約束ですね。)

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2006.04.17

エッセイをおひとつ

昨日の記事で書き忘れたことがひとつ。

群像で今年からの連載エッセイは松浦弥太郎「僕の古書修業」

え? 誰、それ?
という方でも、COW BOOKSの代表だ、と聞けばなるほどと思うのでは?
いや、わかんない方でも、中目黒界隈の観桜に出かけた方は、川沿いにあった小さなお店に「あれ、これは喫茶店? 本屋?」とか思ったのでは。

今月で第4回。背取師の話(第2回)、エッセイと随筆の違い(第3回)など、毎回読みごたえあり。
単行本でまとまって読むのもいいけど、毎号ちょっとずつ読むのが一番楽しい。
雑誌を読む楽しみには、こんなのもあると思うよ。

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2006.04.16

ハルキの月だけど

4月7日に発売された文芸誌5月号のうち、文學界は沼野充義「ルポルタージュ ロシアの村上春樹」、新潮はリチャード・パワーズ(柴田元幸訳)「ハルキ・ムラカミ−広域分散−自己鏡像化−地下世界−ニューロサイエンス流−魂シェアリング・ピクチャーショー」

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2006.03.24

みんな読んでる「ウェブ進化論」

やはり春分を過ぎると暖かくなるものだ。
23日の夕方はそこそこ冷えてきたとはいえ、ジャケットだけで歩くことができた。
そんな最中、3月末まで妙に立て込んでいて、しばらく更新を休むかもしれない。
とりあえず一つ記事を上げとこう。

***

前回の更新「1995年から丸10年以上を経て」で1995年インターネット普及を経て生じた変化にちらりと触れたのは、いま爆発的に売れている梅田望夫「ウェブ進化論」(ちくま新書)を読んだことも少し関係しているかもしれない。

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2006.03.14

昨日の記事への補足

昨日出した「村上春樹氏が文藝春秋4月号に寄稿」だが、読み返してみて、重要な問題に触れていないことに気づいた。

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2006.03.13

村上春樹氏が文藝春秋4月号に寄稿

本が好きな方ならもうご存知だろう、三大新聞でも記事になった「村上春樹の手書き原稿流出事件」に関して、村上春樹氏自身が思うところ、考えるところを発表している。
安原顯氏が中央公論社で編集者をしていた1980年代、村上氏は翻訳や創作の原稿を渡していた(マリー・クレール誌がなかなかおもしろい原稿をたくさん載せていた頃だ)。その頃とのよい思い出に触れ、後年訣別したまま安原氏が亡くなるまでの経緯に触れる。続いて、件の事件についての考えを述べていく。

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2006.03.09

ヌード・マン・ウォーキング

3月7日発売の文芸誌を買ってしまった頃にこんなことを書くのはとってもナンなんだけど。
2月7日発売、新潮3月号の井伊直行「ヌード・マン・ウォーキング」は、インパクトがあった。

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2006.03.05

先祖帰りなのか

どの新聞でも日曜にやってくる書評はそれなりに楽しみだが、朝日新聞のカジュアル読書(毎週日曜日掲載)は、どうも私が読むマンガとかぶることが多い。山田芳裕「へうげもの」第1巻を熱く語っていたりするところもね。
(ちなみに、3/5の更新とはいえ、朝刊が来る前の深夜なので、今朝何が掲載されているかはまだわからん。)
ほとんどは知っている作品だが、時々「あ、こんなのあったのか」と思うことがある。つまり、連載雑誌を丹念に追っていない場合である。

ちょっと前に紹介されていた笠辺哲 短編マンガ集「バニーズ ほか」(小学館 IKKI COMIX)は、そんな作品。
近所に平積みされておらず、ジュンク堂池袋店で保護(?)した。
ちなみに小学館のコーナーで見つけられず、サブカルチャー系コミックス・コーナーにあった。ビームとか、つげ義春とか、そんな作品の中。

***

では、中身はどうか。読んでみて私が思ったこと。
無理矢理たとえれば、石森章太郎の短編テイストに、脱力とつげ系を足した感じかなぁ…でも読まんとわからんかなぁ、これは…

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2006.02.25

「ヨコハマ買い出し紀行」ついに最終回!そして…

更新休みます、と言った舌の根も乾かぬうちに、ですが。
これは触れないわけにはいかない。いや、女子フィギュアスケートじゃございません。

アフタヌーン4月(2/25発売)にて、芦奈野ひとし「ヨコハマ買い出し紀行」、ついに最終回!
8ページのカラーと、8ページのモノクロで、通常の倍の量。

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2006.02.20

詩人の茨城のり子氏、逝去

遅くに帰宅し、しばらく所用に時間をとられて、やっとニュースサイトを見て回っていた時。
詩人の茨城のり子氏が逝去されたことを知った。
(アサヒ・コムの記事はこちら、2/19)。

正直に申し上げれば、熱心な読み手だったわけではなく、また格別に好きだった方でもない。
しかし、芯の通った作品に敬意を払う、それは当然である。氏の作品は私にとってそういう存在だった。
そして、この方の新しい作品はもう生まれない。
合掌。

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2006.02.16

「告白」その後

以前に触れた町田康「告白」
1月末、小田原に行く用事があり、その電車の中で読み終えている。

んが、今のワタシと相性がよくないのか、身体の中できっちり焦点を結ばない。
もちろん、おもしろいにはおもしろかった。けど、なんだか読後感が発酵してこない。
あまりにいろんな用事が連続するから、というだけではないように思う。
うーん…もうちょっと自分の中で熟する様子を眺めてみることにする。

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2006.02.07

読売文学賞に宮内勝典「焼身」など

外出したり、人と会ったり、1月末からやたらと動いてる。
今日もあちこちと動いてきた。簡潔にいきます。

宮内勝典「焼身」堀江敏幸「河岸忘日抄」が読売文学賞の小説部門に。
(アサヒ・コム02/01付の記事はこちら。他部門は記事をどうぞ。)

宮内氏の「焼身」は、文芸誌「すばる」2005年3月号の初出時に、当ブログでも触れている
読めば作者の衝撃が静かに深く伝わる。が、手に取ってもらいにくいテーマかもしれない。この作品が私小説的な仕立てになっていることで、そこを乗り越えさせる力があるとしても。
受賞が少しでも手に取る方を増やすといいなぁ。

[トラックバック]
以下にトラックバックを送っています。
及川的大人ブログ:「第57回読売文学賞受賞作品一覧」(2006/02/07)

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2006.01.29

かもすぞー(「もやしもん」)

取り上げるにはすごく遅いネタだけど、おつきあいくだされば幸いなり。

「もやしもん」
石川雅之がイヴニング(講談社、隔週誌)に連載しているマンガの単行本化。
昨年、1〜2巻が発売された。

発売直後から名前は知ってはいたし、朝日の読書欄にて紹介されたことも知っていた(カジュアル読書というコーナーで毎週1冊、マンガの単行本が取り上げられるコラム)。また、先月取り上げた「日本一怖い! ブック・オブ・ザ・イヤー2006」でも、昨年の10冊に入っていた。
だけど、読まんでいた。近所の書店でパッと買えず、なんとなく放ったままになっていた。

正月に買ってきて、読んだ。
しまったと思った。
なんでもっと早く買わなかったのか!と。
こんなおもしろいマンガは久々。

***

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2006.01.18

絲山秋子氏、芥川賞

2005年下半期の芥川賞は絲山秋子「沖で待つ」、直木賞は東野圭吾「容疑者Xの献身」

ニュースは、アサヒ・コムがこちら、YOMIURI ONLINEがこちら(ともに1/17)。

両方で触れられているのは、絲山秋子氏。

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2006.01.17

正月に読むはずだったのに

正月にちょっとだけ体調を崩したり、なんだかんだと用事が立て込んだりして、読もうと思っていた本(後述)は、松の内が明ける頃にやっと手を付け出した。
しかも、すぐに文芸誌が出て、読み散らかしたり。

ちなみに、群像の新連載に、橋本治「院政の日本人」がある。

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2005.12.28

2005年の本、追記

時間がとれないから町田康「告白」を読まずにずっと我慢していたのに、パパタラの舞台を見たもんでついガルシア・マルケス「百年の孤独」の新版を読んぢまった。ん〜、いろんな用事がどんどん押せ押せに。

さて、今年読んだ本のうち、12/8の記事でこぼれたもの。

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境界の人

なんか忙しい…年末ってそんなもんか…
今年はコミックビーム10周年、アフタヌーンは20周年。
今月発売のアフタヌーンは、表紙が「大合作」になってた。
けど、先月発売のコミックビーム10周年のほうがインパクトあったかな。

ところで、ビーム連載中の「月の光」。

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2005.12.17

吾妻ひでお「失踪日記」、メディア芸術祭マンガ部門大賞に

さて、何かと話題の「失踪日記」。
私のところでは、4/1と、4/5、そして漫画家協会賞受賞を5/12に触れた。
5/12に、「今年のマンガに関しては、この話題がなんとなく持続しそうな気がする」と書いたが、やはりそうだった。

そして、文化庁メディア芸術祭、マンガ部門大賞を受賞。
アサヒ・コムの記事より、12/16)。
早速本日の朝刊には、版元の広告が出ていますが、それも愛嬌(?)ってもんだ。(こういう機会は普通逃さないものだし。)

来年の手塚治虫漫画文化賞もって勢い…なんて鬼が笑うってば。

なにはともあれ、おめでとうございます。

[トラックバック]
Ge-log(げろぐ☆)の「吾妻ひでお先生の「失踪日記」、メディア芸術祭賞」(2005.12.17)
「アートを楽しく:子供たちに夢を:マンガ家・手塚治虫氏(2005.12.4)」(2005.12.18)
office彩 アフィリエイト館「失踪日記」(2006.02.08)

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2005.12.08

2005年のインパクト本

雑誌SIGHTの編集部が作った「ブック・オブ・ザ・イヤー2006」のことを書いたけど、新聞等も続々と2005年の回顧をやってますな。
私の場合、「今年の3冊」とか「ベスト1」などはハナからやろうと思わない。が、気になるものは挙げてみる。

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2005.12.03

もう今年の総括の時期なのか

たわけたSubjectつけてるけど、当然。
師走なんだから>自分

「SIGHT編集部・編
 日本一怖い!ブック・オブ・ザ・イヤー2006」

何冊か買うついでに、ぺらりとめくってみたら、高橋源一郎氏と斉藤美奈子氏の対談が滅法おもしろくて、つい買っちまった。
阿部和重やジョン・アーヴィングのインタビューなども載ってるし、意外に安いし(780円、税別)。

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2005.11.25

11月下旬のコミックス

世間はハガレンなのかな。
私としては、岩明均「ヒストリエ」3、および豊田徹也「undercurrent(アンダーカレント)」
(両方とも講談社アフタヌーンKC。)
発売日は22日だったけど、私は23日にやっと買った。

***

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2005.11.21

もう年の瀬?/文学フリマ

先週あたりから急激に空気が透明感を増してきた。
夕方、雲がないと、宵の明星が没していき、東から火星と金星が上ってくるのが見える。
これだけでもなんだか得した気分になれるな…
なんだか忙しいぞ。もう師走なのか。

***

んが、忙中閑あり。
19日は知人の絵描きの個展。

20日は文学フリマ
今年は出展できず、純粋に客として行ってみた。
知人のブースなども含めて、ざっと回ってみる。

出版社ブースもほかと同じ条件になった。
アキバだから、というような色は減った。
詩歌や創作の冊子も増えている。
雰囲気もいくらか落ち着いてきたように思う。
かといって寂しかったわけじゃない。入場者は午後になっても続いたようで(私も午後に行った)、盛況だったんじゃなかろーか。
イベントとして定着してきた、ということでもあるだろう。
事務局の皆様、そして出展の皆様、おつかれさまでした。

祭りは見るより参加するほうが好きではあるが、客として回ってみると、また違った角度から見ることができて、おもしろかった。
来年、どうするかって?
そこはそれ、まずは忙しい山を乗り切ってしまわないとね。

[追記]
以下にトラックバックしました。
・銀河望遠鏡のBook-End(どぜうさん)の「文学フリマは、「自己満足」でいいか?」(2005.11.27)

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2005.11.18

数学で読む村上春樹

11月8日発売の文學界・12月号は、小島寛之「暗闇の幾何学−−数学で読む村上春樹」が掲載されている。

書かれるべきだが、難しいんじゃないかと思っていたテーマだ。
「解放のスーパーテクニック」という中学生向けの数学書で有名になり、後に経済学部で統計学研究者になってからも、統計や数学の啓蒙書を多数執筆している小島氏ならば、うってつけ!と思いながら読んだ。

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2005.11.07

2005年の野間文芸賞、決まる

さて、群像(講談社)が買えなかった今日(←もっと刷ってくれよと思う)。
野間文芸賞が発表された。この賞は、正賞と、新人賞を出すのが特徴。

野間文芸賞は、村上龍「半島を出よ」
(当ブログで触れたのは7/23で、比較的遅めだった。)

野間文芸新人賞は、青木淳悟「四十日と四十夜のメルヘン」及び平田俊子「二人乗り」

それにしても、平田俊子氏に新人賞…
詩人として既に著名な氏は、確かに小説では新人なのかもしれないけど、妙な感じ。
ともあれ、皆様おめでとうございます。

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ちょっとした異変とでっかい異変

暖かかった今日の東京。
というか、生暖かい!
9月上旬並みという。昨日の寒さはナンだったんだ?

帰りに近所の本屋で群像を買おうと入った。
おや? いつもの平積みに見当たらない。
店員に聞いてみる。
売り切れ。
(「そんなに早くなくなっちゃうことは…あれ、ないです、申し訳ありません」と店員。)
珍しいこともあるもんだ。
いや、失礼! 売り切れなんてめでたい。

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2005.11.04

COMIC SEED 休刊ですか

実はWebでの連載をあまり読んでいなかったフトドキモノなのだが。
COMIC SEEDは11月号をもって、休刊。理由は、ぺんぎん書房が清算したため。
COMIC SEEDのページを参照のこと。)
ちなみに、第2回のCOMIC SEED大賞については、近いうちに上記ページで報告されるとも書かれている。

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2005.11.03

2005年のドゥマゴ文学賞

すでに先月決定し、授賞式も済んでいる第15回(2005年)のドゥマゴ文学賞。
富岡多恵子氏の選考により、大道珠貴氏「傷口にはウォッカ」が受賞作に選ばれた。

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2005.10.31

文芸誌の児童文学特集

今月初めに出たものだが。
10月7日発売の文學界十一月号は、特集が「大人のための児童文学」。

特集テーマに基づいた創作が2篇。
 藤野千夜「青いスクーター」
 大道珠貴「大きくなあれ」
解説(論考?)が1篇。
 斎藤美奈子「コドモの読書の過去と現在」
対談はあさのあつこと石井直人が「十代をどう描くのか」。
他、作家や評論家などへのアンケート「私が薦める一冊」。

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2005.10.19

アフタヌーン四季賞CHRONICLEに大見得を切られる

見慣れぬ携帯電話発信が午前にあった。
つーか、寝てて、たたき起こされた。
宅配便だった。切れ切れのFOMAの音声通話にムカムカしつつ窓際まで歩くと、やっと安定した。
「着払いの商品なんですが、いまうかがってもよろしいですか」
「だいじょうぶです」
「10分ほどで到着します」
値段の確認をして、電話を切った。

予定通りのお金を用意して待っていると、ほぼ10分でやってきた。
で、でかい!
とにかくサインをしてお金を払い、受け取った。
お、重い!

専用の長い段ボール箱を開けると、ビニールパッキングされた長くて黒い箱が出てきた。

「な、なんじゃぁ、こりゃぁ!!」

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2005.10.17

ありがとう

10月も半ばを過ぎれば、街は速やかに暗くなる。飲み屋の入り口の曇りガラスから灯がこぼれている。
その前に、ネコが数匹、身を寄せている。入り口には空っぽの餌皿。戸口を見上げて、じぃっとしてる。笑い声のする店に向けるまなざし。

まだかなー、まだかなー、あかないかなー。

そんな声が聞こえてきそうだ。
こうして、餌をくれそうな、あるいはかまってくれそうな人が出入りする場で頻繁にネコを見かけるようになったら、涼しさは本格的になっていく。あれほど続いた暖かい日々も、そろそろ去っていくのだろう。

***

読んだものがきちんと身体に染み込んでくる感じがしなくなった。ひどかったのは7月後半くらいからか。
もちろん、どんな文章でも読めば意味はわかるし、意味をとれなくて苦労することはまったくない。(だから、仕事などに支障をきたすようなことはない。)

情報を取得して、適切に行動すれば済むような文書でなく、もっと深く広く考えさせられるような文章が、身体に染み込んいかない。
文芸誌は買っていたし、本も気になれば買ったり、借りたりする。
ただ、読んで意味が頭に入っても、脇の下からざぁざぁ流れ出てしまう。
文芸作品の持つ世界の描き方に、自分をチューニングして、そこに浸りつつ、自らとの間を行き来する、この当たり前のことがうまくいかない。
もっとはっきりいえば、感情が自分の中で生起してくる感じが薄れていく。
砂になってしまったようだ。
辛うじてどうにか読めたのは、庄野潤三氏の連載「星に願いを」(群像)。
こんなことは生まれて初めてだった。

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2005.10.13

激変の本屋環境

sueさんより、「大盛堂書店・渋谷本店の閉店に思う」へのトラックバックをいただきました。
少し前の記事ですが、ありがとうございます。
今回は新たにこのエントリーを起こして、10/11の日記にトラックバックをお返しすることにいたしましょう。

***

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2005.10.10

ヤングユー、突然の休刊

発売日から二日遅れで本屋に行き、ヤングユー(YOUNG YOU)を買おうと、手に取った。

ん? 『20年間のご愛読ありがとうございました!』だって?!

そう、開いてみると、休刊のお知らせが目に飛び込んできた。

びっくりした。
その一方で、なんとなくそんな感じがしたんだよな〜、とも思う自分もいた。

***

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本日閉店する京都丸善

2005年10月10日、丸善京都河原町店が閉店。
私は東京在住なので行けなかったが、訪れた方は多かったのだろうか。

ちなみに、梶井基次郎の短編「檸檬」の舞台になっているためか、檸檬を置いていく客が増加しており、また記録的な売れ行きになったという。
(今回は少し詳しく紹介している産経新聞10/1の記事を。)

4月に閉店が明らかになった時点では、次の店舗を開く予定だと報道されていた(以前の記事、こちらこちらを参照)。
次の店舗に関する発表も報道も、まだ出ていない。

本屋と喫茶店の多い京都での再開を、楽しみにしていますよ>丸善さま

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2005.10.03

最近のマンガつれづれ・2(陰陽師)

さて、マンガのイディオムを駆使してすばらしい作品を生み出す多くの雑誌がある。
その一方で、マンガという枠組みを突き破りつつ、やはりマンガとしか呼びようのない作品もある。

9/29、岡野玲子「陰陽師」13巻が刊行された。7月末刊行の12巻とあわせて、全巻無事完結した。
清明晴明と道満の射覆対決に正面から取り組み、原作(夢枕獏の小説)と史実と伝説とを踏まえて、自身の清明晴明像へ高く昇華させた終結。

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最近のマンガつれづれ・1(コミックビーム)

9月下旬、一気に涼しくなり、青空が高く冴えてきた。日本とは思えないくらい爽やかな日もあった。
しかし、同じ青空でも今日(10/2)は暑くなった。午後は湿った空気、そして都心でもなんとなく海の匂いのする風。夜になってもなんとなくじっとりしている。
やっぱり日本の湿気だねぇ、11月までは。

それでも、夜になると東の空から上ってくる火星が、群青色の中に赤々と浮かんでいる。2年に一度の接近らしく、雲さえなければくっきり。
一方、バリでもイラクでもテロが起きている。
平和を!

***

ここんとこ、コミックビームに積極的に触れていない。
なぜか。

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2005.09.28

ヒストリエ、今月の休載は予定通り

急に涼しくなりましたな。
というより寒くなりましたな。

ところで、月刊アフタヌーンで連載中の岩明均「ヒストリエ」
11月号(9/24発売)は休載だけど、これは予定通り。10月号で小さく告知されてました。
そんで、単行本第3巻の発売が11月下旬予定。
例によって(?)、このための作業でしょう。

連載時は背景がラフだし、加筆が多そうだなぁ。
ともあれ、順調に出ることを願ってます。

以上、念のために貼っときます。

[追記]
トラックバックを以下のサイトに送りました。
イサムの孫のヒトリゴト(2005.10.02)
ナマケモノの漫画生活:ヒストリエ(2005.10.13)
MERCURY in the AIR:岩明均に、またやられました。(2005.10.29)
☆マイノリティ コミック☆:ヒストリエ(2005.12.06)

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2005.09.19

日比谷図書館が都立から区立に?

8月末に出ていた情報なのだが、新聞にも取り上げられた。

アサヒ・コムの記事(9/15、東京版)

記事で触れられている「第二次都立図書館あり方検討委員会」の報告は、ここにある。
(ちなみに、東京都立図書館はこちら。)

日比谷図書館については、他の都立図書館と異なり、蔵書貸出を中心に運営されている。
区立図書館の数が増え、また飛躍的に蔵書を増やしたこと、都立図書館と区立図書館の役割分担を明確にすることを考えると、日比谷図書館は区立図書館と機能が重複している。
ただし、利用者数が70万人に達するため、千代田区に移管することが望ましい、とのこと。
うーん…

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2005.08.26

2005年10月号までのアフタヌーン

あんまり時間がないので、さらりと。

2005年10月号にて、豊田徹也「under current」、最終話。
予定より長くなったが、もちろん、それだけの読みごたえ、あり。
昨年暮れの記事で、前半連載中に少し触れている。
その後の話。旦那探しを依頼した探偵は、どこかズレてるような人。堀は相変わらず無愛想なままで、よく出入りして晩飯をたかりに来るじじいの間で一見静かに話が進む。旦那はやはり見つからず(この探偵とのくだりはなかなかすばらしい運び)、何とか日常に戻ってやり過ごしていけるようになる。
ところが(第9話)、近所の女の子が失踪し、そのことが引き金となって、かなえは幼い頃に同様の事件に巻き込まれたことを思い出す。今回の女の子は無事に見つかったが、過去に友人を見殺しにした罪の意識に引きずり込まれていき、ふさぎこんでしまう…
雑誌を読んでいない方、この先は、11/22に発売予定の単行本を読みましょう。様々な伏線が「under current」のタイトルに導かれるように、最終話へ流れ込んでいます。

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2005.08.19

一番よく手に取るマンガは

8月。たまった文芸誌の拾い読みをしたり。
先月の文學界「鳥の目・虫の目」に書かれたことが目に留まった。このブログで7/23に起こした記事よりも直接的。むー、先を越されていたのか。
と思ったり。

だけど、8月前半の読書の中心は、ジュリアン・ジェインズ著「神々の沈黙」だった。
1970年代に刊行され、1980年代に増補されたこの書物は、当時の心理学と脳科学の先端的な知識を視野に入れつつ、古代と現代の心の違いを野心的に語ったものだ(著者は有名な心理学者)。
欧米でたいへん話題になりながら、長らく日本語訳がなかった。個人的にもあまりの厚さに、原書は放置していた一冊。
読んでみると、一見トンデモ本に思えるが、当時の心理学や大脳生理学の知識から得られる推論に、極度の無理はない(推論なので飛躍はある)。むしろ、心理学を専攻したことがない人は、意識・知覚・認知といった術語の意味を適切にくみ取れず、読み通すのに苦労するかもしれない。
扱う範囲が大変広く、簡単にコメントしにくい。それに、近年の研究との比較照合が必要な内容でもある。池谷氏のような気鋭の学者が、心理学や言語学・文学などの学者と対談する、というような企画でやってくれないかしら。
重めですぐにエントリーを起こせないが、これはこれでいつか当ブログでも取り上げたい内容だ。

もうちょっと軽い話題をば。
ここ10年ほどで、一番よく手に取るマンガはなにかっつー話。

***

よくよく思い起こしてみると、私がもっとも頻繁に手に取るのは、久住昌之・原作、谷口ジロー作画「孤独のグルメ」(扶桑社)だろう。
平成6年(1994年)から平成8年(1996年)に月刊PANjAに連載され、1997年に単行本化されている。さらに2000年、文庫になり、どちらも版を重ねている。(本屋でもAmazonでも、どちらも手に入るはずです。)
私が持っているのは最初に刊行された大判コミック。

この本、手に取ってジーッと読み耽るわけではない。ちょっと読むと、置く。しかし、1週間に一度程度は手に取っていると思う。

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2005.08.18

青山ブックセンター、有隣堂の動き

8月に入ってから新文化のニュースフラッシュを見ていなかった。久々に過去ログも含めてのぞいてみると。
2005年8月2日更新で、「青山ブックセンター、多店舗展開へ」というニュース。一部引用してみる。

9月9日に東京・自由が丘、9月22日に福岡・天神に相次ぎオープンする。自由が丘店は以前芳林堂書店が入居していたビルで売場面積は約170坪…<中略>…福岡店は、洋販が丸ごと一棟賃貸した天神アクティビルの1〜3階で、売場面積は3フロア合計で80坪。<以下略>

もう公式ページでも案内が出ている。

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2005.08.16

山川直人のコミック「コーヒーもう一杯 I」、「口笛小曲集」

ジュンク堂書店池袋店の地下は、おそろしく巨大なコミック売り場だ。
とある日、巡回していると、海外から来たらしい3人娘がやってきた降り立った。
眼が青だったり、グレーだったりする3人娘。とにかくまずは一周して様子をつかむと、散ってそれぞれの得意分野に入り込んでいった。
どこかとんがったオーラを発しつつ、まぎれもなくコミック・アニメのマニア(つまりはオタク)のにおいがする…
おそらく愛知万博とコミケのついでに寄ったんじゃないだろーか。
それにしても、洋の東西を問わないらしい、オタクの空気。万国共通?

***

閑話休題。
コミックビームに連載中の山川直人「コーヒーもう一杯」。
単行本第1巻が、7月下旬に刊行された。
同時に短編集「口笛小曲集」も刊行。
白をうまく使った品のいい装丁。いかにも叙情的な画風によく似合う。

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2005.07.28

大盛堂書店・渋谷本店の閉店に思う

昨年の今頃を思い出してみる。
青山ブックセンター(以下ABC)の閉店がニュースになった。
日本で火がついたばかりのブログブームは、このニュースで驚異的なうねりを見せた(私自身も例外ではない)。これでトラックバックやコメントのつけ方を学んだ人々も多かったんじゃないかな。
ABCを救おうという文化人の運動も起きた。
結果的に、書籍取次の洋販による救済に結びつき、ABCは六本木店と青山本店で営業を再開した(新宿ルミネ店、自由が丘店はBook 1stとなった)。青山本店ではカルチャーセンターも復活したようだ。

その一方で(いささか旧聞に属する話題だが)閉じた有名店もある。
2003年は、池袋西口(東武百貨店側、丸井のそば)にあった芳林堂書店池袋店。
(高田馬場店は営業し続けている。)
今年(2005年)の6月30日には、渋谷の西武百貨店向かいにあった大盛堂書店渋谷本店。
(渋谷センター街入り口にある渋谷駅前店が営業している。とはいえ…規模ははるかに縮小している。)

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2005.07.25

杉浦日向子氏の訃報

いまさっき、知った。
若い、若すぎる…

アサヒ・コムの記事はこちらから(7/25)。

この方が怪談集「百物語」を描き、また江戸文化の面白さを伝えたこと。
それは日本人が上品かつ貪欲に育んできた、ファンタジーと現実をするりと行き来する話の面白さを、広く掘り起こしていたと思う。
京極夏彦氏のような作品が、広くすぅっと受け入れられていく土壌も含まれていたんじゃないか。
(もちろん、氏の業績はこういう側面だけにとどまるものではないが。)

マンガに関してはだいぶ前に隠居宣言されており、それ以降はむしろ江戸文化の語り部として活躍していらしたが、それにしても。

心よりご冥福をお祈りいたします。

[付記]
蔵前タウンガイドの孫兵衛さんからトラックバックをいただきました(記事はこちら)。こちらからもトラックバックいたします。(2005.07.27)

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2005.07.23

寒い!/「半島を出よ」という問題

お昼は汗をダラダラ流して、あんなに暑かったのに。
用事を済ませて、夜の街に出てくると。
風が冷たい!
いや、寒いぞ、これは!

7月も下旬に入って、ここまで気温に上下差があるとは。

***

ところで、今年上半期の小説において、村上龍「半島を出よ」は問題作である。そのことは間違いない。

ただし。
おもしろく読むことは出来たが。
おもしろいだけで終わってしまい、残念な気持ちも相当強く持っている。

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2005.07.16

2005年上半期の芥川賞・直木賞、決まる

もう発表後なので、公式情報から。
文藝春秋社の芥川賞ページと、直木賞ページにて。

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2005.07.11

串田孫一氏とフランス・ブリュッヘン

ふ〜、なんだかんだとこっちに回す時間が少なくて、書きたいことが積み上がっていく…

と思っていたら、串田孫一氏の訃報(アサヒ・コム、7/8)。
個人的には、クロード・シモン氏の訃報(アサヒ・コム、7/9)よりも記憶を触発されてしまう。

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2005.07.09

東京国際ブックフェア2005

今年も東京国際ブックフェアに行ってきた。(7/7〜10、つまり日曜日までやってます。)
一般公開日に行くとえらい騒ぎに巻き込まれそうなので、招待日のうちにササッとね。

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2005.07.06

「のだめ」のCD発売と、デジタル音楽

たまたま用があって銀座に行ったついでに、ヤマハ銀座店の地下で楽譜を買った。
エレベーターで1階に上がり、出ようとしたところ、ピンク色のコピー・チラシが目に飛び込んできた。
なぜかといえば、なんか見たことがある絵のチラシが…
「のだめ」だ。

銀座ヤマハは「のだめカンタービレ」特集をやる予定だそうで。
(7/16〜9/30の予定)
1階に特設コーナーを作るそうで。
8月11日発売の「のだめカンタービレ Selection CD Book」発売記念だそうで。

チラシを持参すると、有明佐賀のりとか、有明ひじきとかの特典もあるらしい…マンガを読んでればすぐに微笑むところだな、ここは。

あとな。
千秋真一・指揮、R☆SオーケストラのCDが9月11日に出るそうで。
(キング・レコードだそうで。)

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2005.06.27

長新太氏、逝去

6/26、絵本作家の長新太氏、逝去。享年73歳。
ニュース記事はこちら(アサヒ・コム、6/26)。

もうそんなお年だったと気付いていなかったくらいだった。「ゴムあたまポンたろう」は1999年に日本絵本大賞をとったけど、あれからでさえもうだいぶ経っていた。しかも、がんだったのか。

私はこの方のマンガや絵本で育ったのではなく、きちんと名前を意識したのは大学に入ってからだった。
よく長新太氏をナンセンスの達人のようにいうけど、感覚の愉悦の流れはむしろモーツァルトに近いものを感じる。
次の出版が最後の(死後の 没後の)新作かぁ。

合掌。

[付記]
unitarouのビブリオマニア生活よりトラックバックをいただきました。
私からもトラックバックいたします。

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2005.06.14

訃報、倉橋由美子氏と堀栄蔵氏

訃報あり。

作家の倉橋由美子氏。
(アサヒ・コムの記事、6/13より)。
古典鍵盤楽器製作者の堀栄蔵氏。
(アサヒ・コムの記事、6/13より)。

倉橋由美子氏は、私が読書に目覚める前に有名になった方であり、リアルタイムを感じにくかったかもしれない。「聖少女」を読んだのは相当昔だけど、それも話題になってだいぶたってから。昨年の群像に連載していたエッセー「偏愛文学館」についても、熱心な読者ではなかった。けれど、たまに目を通すと小気味よい文章だったことを思い出す。
でも、シルヴァスタインの絵本「ぼくを探しに」の翻訳者と言えば、あぁ!と声を挙げる人も多いだろう。「星の王子さま」新訳も終えていたという。

堀栄蔵氏は、国産のチェンバロがまだあまりなかった頃、工房を設立した方。リコーダーの伴奏用に借りた楽器が堀工房だったことは、何度もあった。

慎んでご冥福をお祈りいたします。

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2005.06.12

京都の丸善・追伸

昨日、京都の丸善について触れた。
最後にあえて、こう書いた。

大学が多く、本屋も多く、それなりに人が入っている街。簡単にはなくならないだろう。

もちろん、希望的観測だ。
京の本屋といえば、河原町三条は駸々堂。あの駸々堂が2000年につぶれ、青山ブックセンターが倒産から復帰のうねりを経験したのが昨年(2004年)。
丸善のような老舗の変貌が、よい方向に働きますように。

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2005.06.11

京都の丸善

5月下旬、東京を離れて京都へ行っていた。
今回は自分だけで廻ったわけではなく、案内役だった。いつもと勝手が少々違ってはいたが、思い返してみれば1年以上訪れていなかったのだ。いつものペースでなくても、やはり嬉しい。
年に数回も訪れると、日常から地続きになってくる。間が空くと、日常化しかけていた街について、また別の新鮮さを味わえる。

たとえば、東京は至る所で白いヘッドフォンケーブルのiPodユーザを見かける。いつでもどこでも自分用BGMの人々。
だけど、京都ではあまり見かけない。大阪に行けばまた違うんだろうか。

街を歩けば、少しずつ店や建物が変わっている。寺町京極にあったdeviceは移転した。新京極の映画館が新しくなっていて、1階には紀伊国屋書店が入っていた。今回は覗かなかったけど、映画館のあるビルの書店として、何か特徴を打ち出しているのだろうか。

ところで、河原町の丸善が9月に閉店するというニュースを、4月に聞いた。
京都新聞による記事はこちら(3/31)。
前を通ったが、もちろん平常通り、営業していた。

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2005.06.05

もったいないことをしていた

先日、桂芳久氏の授業中に、リルケなどを読んでいた、と書いた

実験その他の必修で1週間のかなりが埋まり、文学や美学の授業をとることが難しい中、必修に埋められないで済んだ数少ない講義の一つだった。
桂氏は静けさに委ねるように語り、時々言葉が炸裂するとすぐ、静けさに戻る…期待してとった割には、時々すご〜く眠くなる。静かな時間が子守歌にならないように、詩集に目を通しながら少しだけの緊張を保つ努力。
ただ、声が大きくなる−−−荒ぶる魂が時折息吹を感じさせる−−−際に発する力に凄みがあって、これを浴びるのは結構好きだった。

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2005.06.02

三島由紀夫展 @ 神奈川近代文学館

4月末から続いている、神奈川近代文学館の三島由紀夫展(正式には「三島由紀夫ドラマティックヒストリー」)。最終日は今週末の6月5日(日)。

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2005.05.18

最近(2005年6月号まで)のアフタヌーン

一曲一話と思ったけど、最近のアフタヌーンやビームに、そういえば触れてないなぁ…アフタヌーンを先に。

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2005.05.17

伊藤整文学賞、笙野氏「金毘羅」他

ほんとうに久々に整体をうけた。左右のバランスも呼吸も身体のリズムも、ばらばらだったみたい(それでよく楽器を吹いていたものだ)。
夜になると正しく眠くなってくるなぁ。

***

眠いので手短に。
標題通り、伊藤整文学賞は笙野頼子「金毘羅」と、富岡多惠子「西鶴の感情」とのこと。(アサヒ・コムの記事、5/16)。
「金毘羅」はよかったなぁ。これで誰からも祝福されないんでは、どうなってるの?と思うし。
昨年は阿部和重「シンセミア」が受賞していた。高橋源一郎「日本文学盛衰史」とかもあったなぁ。どれも破壊力と創造力を兼ね備えた作品。
「西鶴の感情」は残念ながら未読。書店や書評で目にしていたが、読みたくなってきた。
祝、受賞!

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2005.05.16

やっぱり配管工の話はインパクト大

SANTA ファンタの、SANTAさんの記事より、吾妻ひでお「失踪日記」日本漫画家協会賞受賞記念トラックバックをいただきました。
ありがとうございます。

***

やっぱり、この配管工の話、やっぱりインパクト大。
働くおじさん。(いや、かなり違うような>自分)
頭をゴンゴン使う仕事をしてると、身体を使う経験が新鮮だったり。
そして、身体を使ってると、やっぱり漫画を描いちゃったり。

しかし、驚いたのは、同じくSANTAさんの記事「社内報に載ってる漫画」。
社内報「ブンブン!セブンイレブン!!」、知りませんでした。
しかも、深谷かほるが4コマ漫画を描いてたなんて。
いや、勉強になりました。

そういえば須藤真澄が、学研の怪しい月刊誌「ムー」で、読者コーナーに『怒濤のムー民くん』という、妙な間合いの4コマ(もちろん内容はお笑い)を描いていたことがあったなぁ、なんて思い出したり。いつもの須藤真澄路線ではまったくありませんでした、確か。(「バザール」というCD-ROM収録の作品リストに、触れられていた。)
社内報じゃないから、全然関係ないですけど。

というわけで、トラックバックをこちらからもいたします。

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2005.05.12

漫画家協会賞に「失踪日記」

詳細はこちらの記事(アサヒ・コム、5/11)を参照のこと。

大賞は2作品。
「私の八月十五日」は、気になっていたのだが、私は未読。
吾妻ひでお「失踪日記」は、本ブログでも触れた(ここここ)。読めばわかる、類い稀なる傑作。

いつぞやの花輪和一「刑務所の中」のように、今年のマンガに関しては、この話題がなんとなく持続しそうな気がする。

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2005.05.11

第9回手塚治虫文化賞は…

手塚治虫文化賞(朝日新聞社主催)の、第9回受賞者が発表された。

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2005.05.08

パンク侍と弥次喜多

前の記事で、町田康「パンク侍、斬られて候」に触れた。そこで書き漏らしたこと。

これを読んでると、別のある作品を思い出す。
しりあがり寿の「真夜中の弥次さん喜多さん」と「弥次喜多 in DEEP」。(「弥次喜多 in DEEP」は手塚治虫漫画文化賞。)
そう、いま公開中、クドカン監督の映画「真夜中の弥次さん喜多さん」の、原作。

妙ちくりんな時代劇。現代の言葉をいきなりしゃべるお侍や町人。わけわからん渾沌。
どっちがオリジンかというのではないし、どっちがいいというのでもない。
どちらもすごく重要な作品。

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4月に読んだ本から

文芸誌の最新号が出たりしたけど。
先月あたりから、合間を縫ってぼちぼち読んでたのは、昨年からたまってた書籍が中心。
その中でも印象に残ったもの。

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2005.04.22

モーニングに異動?した「ピアノの森」

先週からモーニングで、一色まこと「ピアノの森」の連載が再開している。
ヤングマガジンアッパーズに連載していたが、雑誌が休刊。単行本も第9巻まででストップしていた。

クラシック音楽の、ピアノをテーマにしたビルドゥングス・ロマン(成長物語)。
いまさら成長物語なんて、といわず、まぁ第1巻から読んでみてほしい。
少年篇は特にいい。
父に名ピアニストを持つ雨宮修平は、療養のために転校してくる。そこには森の端という色街に住む少年、一ノ瀬海(いちのせ・かい)がいる。野生児のような彼のピアノに触れるところから、物語が動き出す。
森の中のピアノに育てられる、という設定はマンガならでは。

マンガでないと受け入れにくい設定というのはある。
たとえば榛野なな恵「Papa told me」。テレビドラマにもなったこの有名な作品、知世ちゃんがいやみなく読めるのは、マンガというメディアの持つ、説明を最小限に済ませてファンタジーに入り込んでいく特性を、最大限に活用しているからだろう。

「ピアノの森」も、いわゆる少年マンガらしい表現を多用している。他の一色作品と、画風や表現がそう大きく変わらない。
その少年マンガらしい熱さが、スポコンとはまた異なる方向に流れ出して、成功している。

***

クラシック音楽をテーマにしたマンガは、二ノ宮知子「のだめカンタービレ」が旬。
だけど、私はさそうあきら「神童」が好き。画面から音が聞こえてきそうな、という作品は、これだろう。
「ピアノの森」は、こうした作品とは明らかに違う。音楽ネタ、音楽業界ネタではなく、音楽と成長がテーマになっている。(天才の話であることには違いないのだが。)

そして、青年篇以降は、真っ向から音楽を描いていくことになる。
一色まことは、少年マンガの名作「花田少年史」を描いている。そして、少年の成長が、青年期の飛躍に続いていく作品を、初めて描くことになるはずだ。
この作品が本当に飛躍するのはこれから。
さて、作者はどこへ連れていってくれるんだろう。

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2005.04.20

川端賞は辻原氏

忙しいんだけど、書いとこう。
川端康成文学賞、決定。
辻原登「枯葉の中の青い炎」
ニュースはこちら(アサヒ・コム、4/18)。
4/21 4/20、新潮社のページはまだ更新されていないようだ。)

初出は昨年の新潮8月号。単行本が今年3月に出ている。
「いいの、読んだなー」と思って、知人にもしゃべっていたので、てっきりここでも書いたつもりだった。
けれど、探してみると、書いてない…
投手スタンヒルの事故死から記憶をたぐりよせていく。魔に見入られた勝利。野球と、南の島と、戦後の日本をめぐる、時間と出来事の幅の広さ。途中、中島淳がさらりと出てくる件に驚いたり。
これが短編?という密度の濃さ。怪異譚ではくくれない。マジック、と言いたくなる。祝!

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2005.04.10

文學界の、ある1ページ

いまごろ触れるのもナンですが。
群像4月号の町田康「自分の群像」。相変わらず読んでしまった。ボンクラの最後はどうなるかと思いきや、首がまわってちぎれてしまうとは。ゴミ扱いとは。
作者の作品中ではいまいちなほうかもしれない。けれど、やっぱり笑っちゃう。群像にこれが載ることに意味を含ませてるのかなぁとか、片原位多子って主人公は「かたはら痛い」から来ているんだろうなぁとか、細部からあれこれ想像もしちまう。

それはそれとして。
文學界で今年に入ってはじまり、4/7発売の5月号で3回目になる連載がある。
相馬悠々「鳥の目・虫の目」「鳥の眼・虫の眼」
1ページを3段組にした、決して長いとはいえない文章。先月の文芸誌や単行本をネタにして、ぼそりと書いてる。
新人小説月評がマッチョ系批評なら、こちらはWebページやBlogにかかれる感想に近いか。いやむしろ、本来は新聞の文芸欄に載るものに近いかな。
毎月、期待して待つわけじゃないんだけど、なんとなく気になるページ。
え? 具体的な内容はどんなかって?
1ページだし、すぐ読めます。

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2005.04.05

吾妻ひでお「失踪日記」の「裏失踪日記」

この記事の続き。
ブックカバーは、忘れずに外してみましょう。
濃い会話になってます…

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2005.04.01

吾妻ひでお「失踪日記」

忙しい。けど、失踪しようかというほどぢゃない。
いや、失踪したいってそもそも、忙しいとかそういうのと違う(はず)。

吾妻ひでお、久々の単行本。
「失踪日記」(イースト・プレス刊)。

「夜の魚(夜を歩く・1の旧題)」は確かに読んだ。他に、「街を歩く」の初出にもちょこちょこ触れていた(全部ではない)。
しかし、他は書き下ろしである!

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2005.03.27

冊子「僕を待つりんゑ」

Kanaliya_rin文学フリマに出店したことは、2004年11月に触れた。
そのとき、隣のブースにいらしたどぜうさん経由で、文学フリマが終わってからカナリヤさんと知り合う機会を持った。
隣のブースにいらしたどぜうさんのブログを私が発見し、記事にコメントをつけたこと。カナリヤさんは私のブログやWebページを発見し、本のご注文をいただいこと。私は私で、検索エンジンからカナリヤさんのブログを発見したこと。3人が、それぞれのブログを発見し、書き込みをしたご縁。
昔ならこういう場合、手紙のやりとりになるところだが、ネット経由は話が早い。
そして、当日の会場で直接出会えなかったカナリヤさんの本を、買い求めることができた。

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2005.03.25

新潮3月号、文學界4月号

先日の記事の続き。

***

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2005.03.23

熱っぽい…/MacPower/オノ・ナツメ

連休中は、最終日が快晴になり、お出かけを楽しまれた方も多いのでは?
こちらは所用あり、仕事あり、またPC不調につき移行ありで、忙しかった。

連休明け、夕刻からあんまり調子がよくない…ちょっと熱っぽいかも。
というわけで、数日ぶりなのに、冴えない更新になっちまいました。

***

MacPower、いよいよもう読むページが少なすぎると思ってたけど、3/18発売の4月号は買った。
リニューアルするということで、諸連載が一斉に最終回。
まー、先月まで買ってきた流れということで。

***

だいぶ前なんだけど、ぺんぎん書房からオノ・ナツメの新作「not simple」第1巻が出てた。
COMIC SEED連載(つまりマンガ)なんだけど、雑誌は読んでいない。
昨年に出た「LA QUITA CAMERA(ラ・クィンタ・カメーラ)」全1巻も、ついでに買った。

「LA QUITA CAMERA」は、イタリア留学中の体験をふくらませたもの。
こういう水準のマンガ、昔はいっぱいあった気がする。だけど、この人は絵柄に読ませる力がある。主人公は結局4人の中年男、というのもいいね。

「not simple」は話が立ち上がったばかり。前作のほのぼのから一転した内容。

なんというのかな…西村しのぶ氏が登場したとき、それまでマンガの世界であんまり描かれていなかったけど、そこここで当たり前に起きてることを、実にうまくすいくいあげてるなぁ、という印象があった。
オノ・ナツメ氏ももしかすると、そういう才能なのかもしれない。
いまのところ、傑作というにはちょっと弱いかもしれない、だけど佳作で一括するには惜しい感じなんだけど。(でも、そういう世界をつくることも重要だよ。)

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2005.03.19

すばる3月号、新潮3〜4月号から

要約して情報になる文章ばかりに目を通している。ストレスたまるなぁ(仕方ないんだけど)。
少ない時間を寄せ集めて、いとおしんだ時間から。

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2005.03.16

御緩漫玉日記と、最近のコミックビーム

こんなに長いこと、更新しなかったのは、はじめて。
まずは、2/22にトラックバックをいただいたヘーゾーさんの、こちらの記事へ
ありがとうございました&ほったらかしですみませんでした。

第1巻、やっぱりおもしろかった。
昔の、若い女性アシスタントに接していた頃のグダグダ。現在の、伊豆の空気。その間を自由に行き来しながら、人間って変わっていくようで簡単には変わらなくて、でもやっぱり心身ともに変化は大きく、世間でいう「大人/子供」なんて区分けで簡単にわかるもんじゃない、なんて思ってしまう。
どうでもいいように見えることがなんでこんなに読めてしまうかといえば、やっぱりどうでもいいことじゃない、ということなんだろう。
"C'est la vie"(それが人生ってもんさ)なんてフランス語も思い出しつつ。

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2005.02.21

朝日・日曜読書欄「千利休」「御緩漫玉日記」

うーん、デザイン・テンプレート、あっという間に飽きた…
シンプルに戻す。(シンプルだけがベストとは思わないけど。)

それはさておき。
朝日の読書欄には書籍や雑誌の紹介に加えて、カジュアル読書というコーナーがあって、ここにコミックの紹介が毎週一つ載る。
先週は清原なつの「千利休」(本の雑誌社)、今週は桜玉吉「御緩漫玉日記」1(エンターブレイン)

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2005.02.16

「ららら科學の子」と読み時

矢作俊彦「ららら科學の子」。
文學界の連載を時々目に触れていたが(そして、時々休載していたが)、ある月に「残りは書き下ろして単行本化」と出ていたので、びっくりした。
単行本は2003年刊行。その後、なんとなく放ったままになってしまった。2004年、三島賞を受賞(新潮社の文学賞ページに情報あり)。
今年(2005年)の正月明けに読んだ。

こんな終わり方になってたのか。それより、連載時と比べるとかなり改稿してるように思うな。文芸誌、奥にしまっちゃっててすぐに出てこないんだな…
なんてことはどうでもよくて。

こりゃ、すげぇ。
まとめて読むと、面白さが倍増する。

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2005.02.15

最近買ったマンガ

西村しのぶ「一緒に遭難したい人」第1巻
いや、持ってるンすよ。主婦と生活社から出た、最初の第1巻。
講談社から再版。
ファンとしては一応保護せねば、という気持ちで買ったけど。
せめて第2巻と一緒にぱーっと出てほしいかな、と。

とはいえ、やっぱり読むと笑っちゃう。
1990年代初め頃の絵は、いまよりきれーだな、とか思ったりもして。

ついでに、清原なつの「千利休」五十嵐大介「魔女」第2巻も買う。
ちなみに、ジュンク堂池袋店では今、五十嵐大介の原画展をやってます。コミック収録時にモノクロになったページの、カラー原画あり。

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2005.02.04

いまごろ知った、ゆずのこと

漫画家の須藤真澄氏は、最初期こそ逃したものの、かなり長いことリアルタイムで読んで来た方。
よく登場する愛猫ゆず(通称ゆんたん)が、今年の1月に旅立たれたそうな。
(詳細は、上記公式ページ内の「ゆず, ねんねね。」にあり。)

あまりの忙しさに公式ページへの来訪を怠っているうちに、こんなことがあったのですね。

ただし、「ゆず, ねんねね。」をお読みになればおわかりの通り、ゆずはいまも氏のかたわらにいる、とのこと。
今日も忙しいんですが、それでも隙間時間に名作「天国島より」のゆずまんがなど拝読いたします。(ゆずまんがは多々あれど、これが一番好き。)

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2005.01.28

今月の「ヒストリエ」

25日発売のアフタヌーンといえば「ヒストリエ」。
今月も怖い。というか、展開が急。

それはそれとして、これも隔月連載にして、ゆっくりと長めに読むのもいいかな、などと勝手に思ってみた。で、同居人に話した。
「穴があいた月、何が載るの? それに匹敵する何かが載らないと、雑誌にならないんじゃない?」
そうなのだ。「蟲師」と「もっけ」が隔月連載なのは、ファンタジックな話だがまったくテイストが違う形なので、可能。
それと同様の展開が可能なマンガ…

ハッ!
山下和美「不思議な少年」とか、大物のライフワーク以外、ないじゃん!

やっぱり、コツコツ毎月読めるのがしあわせです、はい。

P.S.
「リンガ・フランカ」単行本は、全1巻で2/23に発売とのこと。なにはともあれ、祝発売決定。

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2005.01.15

阿部和重氏、芥川賞受賞

阿部和重が芥川賞を受賞(アサヒ・コムより、1/14)。
角田光代も直木賞を受賞。
ついに、ですね。二人とももはや押しも押されぬ中堅作家。

しかし、上記アサヒ・コム(あるいは朝日新聞本紙)での、「グランド・フィナーレ」のまとめ方って、ひでぇぞ。
あの作品、もっと不気味な終わり方じゃないか。ほんとに男が現実に向き合って、いわば更生するのか、再び間違いが起こるのかを考えると、結構ぞっとする終わり方なんだが。

角田氏は、純文学でもエンターテイメントでも、どちらにも連載を持っている。たくさんは読んでないけど(そして、この方は多作)、文芸誌に載ったのを読めば、おもしろい。
私には「春樹後の人間達」の空気感が漂ってくる、という点でとっても貴重な方。
村上氏が決して描かない、もっと生活のある場と人が、立ち上がってくる。

ちなみに、「野ブタ。をプロデュース」、「人のセックスを笑うな」、「漢方小説」は未読(こんなに未読があるとは、やっぱり昨年後半は忙しかったんだなぁ)。他に候補になってもよさそうな作品が挙がってないなぁ、とか思ったりもするけど。
阿部氏、角田氏は、年の初めのお祭りにふさわしい。
おめでとうございます。

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2004.12.31

アフタヌーン2004年9月号~2005年2月号

さて、2004年もあとわずか。
やっとアフタヌーンだ。
7月25日発売の9月号から、12月25日発売の翌年2月号まで、半年分を一気に。

今年後半の話題はなんといっても、単行本2冊一挙刊行が話題になった岩明均「ヒストリエ」だろう。
これだけはまとまっていなくても10/2510/2611/28と3回、扱っている。
9月号までを単行本2冊に収録。10~11月号は休載とし、12月号から連載を再開。奴隷として買い手のついたエウメヌス。邸を出て行くときの12月号の慟哭は、港でエウメヌスを見送るカロン(エウメヌスが邸の子として育てられた頃の付き人、奴隷にされてからは同室)の、1月号の涙でさらに衝撃が広がる。こういう心理を描かせると、岩明氏は天下一品だねぇ。
2月号からは船の中。非常にあやしい買い手と、妙にチンチクリンの服を着ている売られた先の奴隷達。妙な気配を嗅ぎ取っているエウメネスを待ち構えていたのは、奴隷達の反乱だった…あとはもう、本誌を読んでちょーだい。武力騒ぎは起きないのに、ざっくりとした冷たい描写。またも岩明節。
この息の長い連載の開花をきちんと待ったアフタヌーンは、ぜひ連載を最後まで、責任を持ってまっとうしていただきたい。
というわけで、やっと、はじとみさんのトラックバックにお返しいたします。

***

さて、連載の最中になんとなくテンションのアップダウンがあるものだが、不思議に話のつなぎの回さえもゆるみに見えないひぐちアサ「おおきく振りかぶって」
おもしろい、ほんとにおもしろい。スポーツが苦手な私(スポーツマンガは読むけど)がいうんだから、まちがいない。(なんだそりゃ?)

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2004.12.23

アフターダークのトラックバックへ・2

D氏よりトラックバックをいただきました。記事が遅くなりました。

まさにターゲットとなる年齢の方から送られた読後感、楽しく読みました。

***

やはり村上春樹氏の作品は、ひとつ読むと次から次へと読もうとさせる何かがありますね。

また、彼の作品は音楽が重要な位置を占めていますね。
言葉と、重層構造の物語と、音楽と、登場人物の名や響きと、そんないくつもの要素が響き合いながら、小説世界が広がっていく。

作品を次から次へと読みながら、決してリアルタイムに追いかけているわけではない音楽や響きに対して、今の大学生がどういう印象を持つものか。(私も村上氏より下の世代ではありますが、デビューをはっきり覚えているほどのオジサンではありますから。)
また気が向いてきたら、触れてみてくださるとうれしいですね。

と、コメントのような記事になりました。

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2004年のベストワン?

こうして本だのマンガだのの話題に触れていると、2004年のベストワンみたいなもの、あるいは十大ニュースみたいなことにも触れてみようかという考えが、一瞬かすめていった
が、やめた。
そんなことを書きたいわけじゃない。それに、たとえば音楽でどの曲を聴きたいかが気分で異なるように、読む本だって読みたいときとそうでないときがあるものだし。

ただ、今年気になってならない小説、というのはある。
笙野頼子「金毘羅」。
ベストワンとかいうものと違う。けど、すごく気になる。
小説というものの自由を、こんなに感じさせてくれたものはなかった。
こんなに打たれたのは、水村美苗「本格小説」以来。

小川洋子のようなバカ売れはないかもしれない。読んで気分が良くなる、といったものでもない。
だけど、小説を読む際に、単に話を読んで教訓や情報を得るだけでなく、人間や社会を無意識のうちに規定する深い層までとらえようと思う人には、注目に値する本。
というわけで、未読ならぜひどうぞ。

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2004.12.22

冬至、群像新年号を少し

(加藤茶風に)
カボチャ、食ったか?
ゆず湯、入ったか?

冬至です。東京はそこそこ寒いです。
うちは今年、ゆず大豊作。いや、うちでとったんじゃなくて、いただきものにゆずがいっぱいあったんです。みなさん、ありがとー!

ちょっと何か書こうと思ったんですが、メールやら何やらで、なんだか時間がなくなってしまいました。眠い…

そうそう、「群像」新年号のエッセイに、中沢新一がまたおもしろいことを書いてます。
東京タワーの醸し出す空間が死者の空間であること、そしてここが昔から墓地、古墳であったことを遡る。縄文時代は江戸湾がフィヨルド状の複雑な地形であったこと。その半島というか、ミサキだった場に東京タワーが建っていること。さらに、東京の主要な電波塔は、こうした半島の突端あたりに存在すること。
こうした場は「サッ」という、ものごとの境界を表す言葉から「ミサキ」と名付けられ、重要な聖地だったという。こうした霊的感受性と、電波のアンテナという相関を、否定してしまうには惜しいものと思っているという。
これだけだと説得力はあまりないのだが、着想はおもしろいですね。今後展開するようなので、ちょっと注目。

もうひとつ。祝!庄野潤三、新連載(結構好き)。
タイトルは「星に願いを」。
今度は少し文章の密度が濃いでしょうか。

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2004.12.20

グーグーだって猫である・2

出たのは2002年の12月。第1巻はすぐに買ったのに、第2巻はなんとなく買いそびれていたら本屋であまり見かけなくなった。そのまま買うのを忘れていて、今年も押し詰まってからやっと買った。
そろそろ新しい巻が出てもおかしくない頃だから、思い出してよかった、と。
(何やってんだか>自分)

前半は作者自身の闘病記。後半は、保護したために増えていく自宅のネコたちの話。
大島弓子氏も、読んで育った人もみんな、おばさん・おじさんになっていくんだなぁ。オレもおじさんだし。
回復されて何よりだった。これが老いることなんだ、みたいなことばが一言も出てこないところがすてき。

ホームレスのおじさんが身近においていた皮膚病の猫を、通院させるといって引き離した。タマと名付けたその猫を暮らしに入れていく過程がすばらしいな。

今年は暑かったから、夏だったのか初秋だったのか、すでに記憶が曖昧な、とある日。
所用のために日比谷公園を突っ切っていた。ホームレスのおじさんが、段ボールを敷いて寛いでいる。脇には木漏れ日の中、洗濯したシャツがハンガーにひるがえっている。
その下に、猫がいた。まだ成猫になりきる前、やんちゃはしなくなってくるくらいの猫。すぐそばには餌皿代わりの小さなカンが用意されている。
瞑目して風をうける姿が哲学者のようなおじさん。その下で猫は、のびのび毛づくろい身づくろいをしてる。
猫は人の近くにいることで安心と食事を確保する。人は猫がネズミをとってくれる上、時々目にする姿を憎からず思う。実は犬より古いペットかもしれない。そんな説をそのまま視覚化したような光景。
大島氏が「公園に向かって一礼した」というコマから、明るい緑の中で時が止まったようなこの光景を思い出した。

第1巻に続いて、楽しく哀しい。いや「哀しい」が少し多めかな。

***

ところで、Amazonの検索結果には、レビューのところに「内容(「MARC」データベースより)」として、以下が掲載されていた。

グーグーをはじめとした猫たちとの生活を通して描かれる、喜怒哀楽や死生観。灌漑深く、心温まり、癒される。『本の旅人』等に掲載されたものを収録。

「灌漑深く」…
もちろん「感慨深く」。
Amazonの担当者が手入力していないとなれば、こ